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レポート
米ドル建て債券市場動向 週次:9月6日まで
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ストラテジー
欧州債全般
ECBによる金融政策決定会合結果(2024/9)と今後の欧州債券相場の見通し
本レポートでは、9月12日のECB声明とラガルド総裁の記者会見内容などを元に、今後のユーロ圏の金融政策の動向と相場予想に関する弊社の考え方を示す。
◎ ECBの声明文(2024/9/12)概要とその意味 p.1
- 政策金利については、ECBは3つの主要政策金利の利下げを実施。
i. 預金ファシリティ金利 ; -0.25%ポイントの引き下げ(3.75%→3.50%)、ii. 借換えオペ金利 ;-0.60%ポイントの引き下げ(4.25%→3.65%)、iii. 限界貸付ファシリティ金利;-0.60%ポイントの引き下げ(4.50%→3.90%)
◎ ECB声明の背景にあるマクロ状況 p.6
- 2024年Q2の実質GDP成長率は+0.2%に鈍化。ECBによる9月時点の2024通年予想も+0.8%に下方修正。純輸出と国内民間総投資の鈍化が影響。
- 8月の総合消費者物価指数(HICP)は2.6%→2.2%に低下。コア物価指数(除くエネルギー・食品、前年比)は、8月に+2.8%と、前月比で横ばい。
◎ 弊社による相場想定 p.9
アナリスト
通信
ボーダフォン(Vodafone Group Plc)の事業概要と同社クレジットの評価アップデート
本レポートでは、欧州最大手の総合通信会社であるボーダフォンの事業概要と特性を確認し、同社社債への投資評価を行う。
ボーダフォンは、事業規模の観点では、欧州の一部同業他社をはるかに凌駕する事業規模を有していたが、多くの市場では他のトップ・モバイル事業者に対し、競争力の面で充分な優位性を保持できていない。結果としてイタリア・スペインからの撤退を含む大規模な事業再編を実施中。
〇 無線通信会社のクレジット評価上の特性 p.2
〇 ボーダフォンの事業概要 p.5
〇 ボーダフォンの地域別の事業状況 p.9
〇 ボーダフォンの業績(P/L)状況 p.14
〇 ボーダフォンの財務(B/S)の状況と返済余力の見方 p.16
〇 ボーダフォンの事業再編状況 p.19
〇 ボーダフォンの信用格付、及び社債の投資評価 p.22
〇 Appendix 主要市場4か国におけるボーダフォンの事業状況 p.29
ストラテジー
米国債全般
米ドル建て債券市場動向 週次:9月6日まで
本レポートでは、2024年8月30日から9月6日までの米国債券市場動向の状況を示すことを目的とする。
なお、弊社の金利・為替の予想値を本レポートのp.11に示した。
〇 米ドル建て債券起債動向 p.1
- ここでは、2024年8月30日から9月6日までの起債市場動向を確認する。起債額の特に大きかった案件は、9月5日に発行した消費者金融セクターの「マスターカード」の30億ドルの起債。債券の本数は3本、優先債調達。
〇 米ドル建て社債取引動向 p.2
- 最も債券の取引額が多かった金融機関債は、新発債の起債に伴う入れ替えニーズがあった「バンク・オブ・アメリカ」、「モルガンスタンレー」、「シティグループ」等。
- 事業会社のうち、投資適格債券では「ウーバー・テクノロジーズ」が最も多く、「インテル」、「メタプラットフォームズ」がそれに続く形となった。一方、投機級債券では「フロンティアコミュニケーションズペアレント」の取引額が多かった。
〇 米ドル建て債券価格動向 p.4
- ここでは、前週の利回り・スプレッドの時系列推移、セグメント別に比較した個別社債相場の動向を確認する。米国市場の社債利回りは、国債利回りの低下に合わせ全般に低下したが、一方でスプレッドは全般に拡大。
ストラテジー
米国債全般
米ドル建てシニア債のセグメント別市場レート -評価基準日2024年9月6日-
2024年8月6日から9月6日にかけての米国社債の市場動向を、2年、5年、10年、20年、30年と利回り水準別に分けて確認。
◎ 米国社債市場の状況:
-米国国債金利の低下に連動し7月末から9月初頭にかけ、米国社債利回りは短期から長期のいずれの年限でも低下した。米国長期債(10年)では、7月31日の4.05%から9月6日には3.69%まで一気に低下。
-投資適格社債(2-5年)の利回りは3.8%~4.8%(前月比約-0.30ポイント)と低下した、スプレッドはタイト化した。10年の利回りは4.3%~5.3%と低下(前月比約-0.25ポイント)、スプレッドはタイト化した。
-長期ゾーン(20年-30年)の利回りは4.7%~5.7%と低下(前月比約-0.26ポイント)、スプレッドは若干タイト化した。
-投機級(ハイイールド)では、平均利回り(2-5年)は5.5%程度、20-30年は6.8%程度。前月に比べて、利回りはわずかに低下、スプレッドはタイト化した。
◎ 米ドル建て社債サブ・ポートフォリオの分類条件 p.1
◎ 米ドル建て社債サブ・ポートフォリオの全体傾向 p.2
◎ 各米ドル建て投資適格社債(IG)サブ・ポートフォリオの個別構成 p.5
◎ 各米ドル建て投機級社債(ハイイールド)サブ・ポートフォリオの個別構成 p.18
債券市場アップデート
米ドル建て債券市場動向 2024年9月-第2週
2024年8月30日から9月6日までの週次の米国債券市場動向を確認し、起債市場、流通市場の取引金額、流通市場の価格変化について報告する。
(1)起債市場の傾向
- 5日の木曜日前後には、歴史的にみても巨額の起債案件が集中した。通常であれば、大型起債は需給面からスプレッドの拡大要因になりやすいが、今回は逆にタイト化に影響した。FRBの利下げ期待が高まってはいるものの、発行体は今の金利・スプレッド水準で起債した方が有利だと考えた結果を反映。つまり起債市場は、既に市場レートが利下げ後を織り込んだ水準に近いとみなしている、と考えらえる。
- 起債額の特に大きかった案件は、9月5日に発行した消費者金融セクターの「マスターカード」の30億ドルの起債。債券の本数は3本、年限は3~10年、優先債調達。
- 2番目は、9月3日に発行した廃棄物・環境サービス・機器セクターの「ベラルト」の21億ドルの起債。債券の本数は3本、年限は2~9年、優先債調達。
- 3番目は、9月5日に発行した自動車セクターの「アメリカンホンダファイナンス」の18.5億ドルの起債。債券の本数は3本、年限は2~5年、優先債調達。
(2)流通市場における取引金額
- 2024年8月31から9月6日までに取引額が多かった社債を、金融機関債と、事業会社(投資適格、投機級)に分け、それぞれ示した。
- 最も債券の取引額が多かった金融機関債は、新発債の起債に伴う入れ替えニーズがあった「バンクオブアメリカ」で、「モルガンスタンレー」、「シティグループ」等の債券が続いた。
- 米国G-SIBs以外で取引の多かったのは、HSBC債、UBS債であった。
- 投資適格の事業会社社債では、「ウーバー・テクノロジーズ」が最も多く取引され、「インテル」、「メタプラットフォームズ」がそれに続く形に。投資適格債でより積極的に取引されたウーバーは、8月に公表されたFY2024Q2決算が好調、さらに22日にはCruise社と自動運転車導入に向けた戦略的パートナーシップを発表、これらが好感された。
- 投機級債では、フロンティアコミュニケーションズ、CSCホールディングスが取引対象に。特にCSC債は取引が急増(通常の2倍以上を継続)、乱高下していた。
(3).流通市場における価格動向
- ここでは、前週の利回り・スプレッドの時系列推移、セグメント別に比較した個別社債相場の動向を確認する。
- 米国市場の社債利回りは、国債利回りの低下に合わせ全般に低下したが、一方でスプレッドは全般に拡大。米国債に比べ米ドル建て社債の利回りが維持されていることを示している。
- 米国籍事業法人の投資適格債で、最も上昇したのはヘルスケア施設・サービスセクターのサターヘルス。大統領選で個人医療費の価格抑制が話題となり利用増大期待から上昇。次いでカリフォルニア州で電力・ガスを独占的に供給するPG&Eが続く形。電力会社のPG&Eは定期発行体でスプレッドが維持されやすく、国債連動で債券価格が上昇。
- 投機級債で最も上昇したのはケーブルテレビ・衛星放送セクターのディッシュDBS。新たな動きでは娯楽コンテンツのパラマウント債が上昇。- 投資適格債で、最も下落したのはパイプラインセクターのEQMミッドストリーム・パートナーズ。エネルギー相場の下落を受け、パイプラインのEQM、ターガ・リソーシズや探査・生産のデボン・エナジー等のエネルギー企業債が下落。
(4) まとめ
- 先週は、株価が下落し米国国債の長期金利に加え2年までの短期金利も引き続き低下。イールドカーブのスティープ化(急角度化)も進む。国債・社債共に居所を探る展開が継続。
- 当面、ドル円レートは140円台のボックス圏、米10年国債利回りは3%台後半で推移すると想定。
個別発行体評価
明治安田生命の概要と投資評価ポイント
[明治安田生命グループの概要]
- 明治安田生命は2024年3月期における連結年間保険料収入が3.3兆円、連結総資産が52.9兆円の巨大企業。
- 年換算保険料(2023年度)の大きさでは4大民間生命の第3位に位置する。
- 2024年9月に新発でドル建てのハイブリッド劣後債を起債したため、当面は流動性が高まりやすい。
[明治安田生命の連結ベースの経営状況と、国内外の事業状況]
- 2023年度の連結保険料(再保険を除く)は3.33兆円、前年比-9.0%の減収、海外事業の保険料は15%を占め前年比+10.6%の増収
- 2023年度における連結基礎利益は5,610億円となり前年比+39.6%の大幅増益
- 明治安田生命連結での当期純余剰(利益)は1,535億円(前年比+78.8%)の大幅な増益
[明治安田生命(相互会社単体)の経営状況]
①. 明治安田生命の保険事業の状況
- FY2023における単体保険料は2兆8,172億円、前年同期比で-11.8%減収。
- 単体基礎利益は4,989 億円となり、前年比で+34.3%の増益。
②. 明治安田生命の資産運用の状況
- 一般勘定運用資産残高は約46.8兆円とFY2022Q2以降増加継続。
- 2023年度の有価証券運用利回りは3.56%と極めて好調。資産別の運用利回りは、外国株式と不動産を除き上昇。ただし外国株式も依然として高水準。
③. 明治安田生命の経常利益の状況
- 明治安田生命の経常利益は2,310億円、前年比で-18.4%の減益。
- 臨時費用の拡大とキャピタル損益の赤字が寄与。
[明治安田生命の連結/単体のソルベンシー・マージン比率、ESRの状況]
- 金融監督指標である国内ソルベンシー・マージン比率は、グループ連結ベースで1033% 、明治安田生命単体ベースで996% と極めて安定した水準を維持(4社中1位)
- 2025年4月以降に適用される新たな監督指標であるESRでは、2024年3月末時点で220%との数値を開示。いずれの指標からも、明治安田生命はきわめて健全な財務体質を有する保険会社と評価。
個別発行体評価
日本生命の概要と投資評価ポイント
日本生命への債券投資を検討するにあたって、企業の概要から投資評価ポイントについて簡潔に解説する。
[日本生命の概要]
- 日本生命は、国内の民間4大生命(日本、第一、明治安田、住友)の1社であり、長年にわたり業界首位の保有契約高を誇る相互会社。
- グループ連結での年間保険料収入は約8.6兆円と、大手4社のうちの同業他社比で突出した高い水準。
[日本生命(連結)の経営状況と国内外の事業状況]
- 日本生命の連結保険料等収入は増収傾向。増分の多くは銀行販売チャネル(前年比+64.7%)と、営業職員チャネル(前年比+21%)に起因。
2023年度における連結基礎利益は7,640億円と前年比+59.4%と大幅な増益。 日本生命連結での当期純余剰(利益)も4,124億円(前年比+190.2%)と大幅増益。
[日本生命(相互会社単体)の経営状況]
①. 日本生命の保険事業の状況
- 2023年度における日本生命単体の保険料等収入は52,974億円(前年比+14%)と増収。基礎利益は7,087億円(前年比+42.1%)と増益。危険差益(死差益)が2,808億円(前年比+19.8%)、利差益が3,733億円(前年比+70.4%)の増益が寄与。他の国内四大生保より、国内事業が相対的に好調。
②. 日本生命の資産運用の状況
- 2023年度末における日本生命の一般勘定運用資産残高は約82兆円とFY2022Q2以降増加継続。
- 日本生命の運用資産は様々なセクターに分散しているが、四大民間生命の中では、国内外の株式への投資比率が相対的に高いことが特徴の一つ。
- 2023年度末の運用利回りは2.00%まで低下(前年は2.08%)。資産別の運用利回りは、国内株の運用利回りが最も高い。
③. 日本生命の経常利益の状況
- 2023年度の日本生命の経常利益は5,813億円、前年同期比+308.5%の増益。
- 内訳に基礎利益の増益、臨時費用の縮小が寄与。
[日本生命の連結/単体のソルベンシー・マージン比率、ESRの状況]
- 金融監督指標である国内ソルベンシー・マージン比率は、連結で1023%、単体で980%と極めて安定した水準を維持。民間大手生保4社の中で最も高い水準。
- 2025年4月以降に適用される新たな監督指標であるESRでは、2023年度の決算時に初めて224% (2023年3月末時点)。この数値も同業他社の中でも最も高い水準。
- 長らく安定性についても業界首位であったが、近年では明治安田生命に逆転されている。
投資戦略動画
国内生保劣後債へのクレジット投資の考え方
[国内生保発行の劣後債投資における制度上の理解の重要性]
- 金融機関は社会への影響力が強い為、特別な法的支援の枠組み(セーフティ・ネットワーク)が設けられている。
- 保険会社は2025年度からICSへと監督制度が変更される。
[ 保険会社特有の会計・法人形態の理解]
- 生命保険会社には相互会社と株式会社の二種類が存在。 - 債券投資家から見た会社形態別の最も大きな違いは適時開示義務の有無。
[金融システムへの影響からみた保険会社への公的支援可能性]
- 保険事業は経営上金融システムに影響を及ぼすような事業形態ではないため、日本の大手生命保険会社は国際基準行に相当。
- ただし「グローバルにシステム上重要な保険会社(G-SII)」に指定された欧米大手金融機関は、非保険事業が多いことが指定要因。
国内保険会社はむしろ安定した事業を行っているためにG-SIIに非該当と言える。
- 2013年の預金保険法改正により、保険会社にも預金保険法第126条に基づく公的支援が制度的に可能に。
ただし、同制度は流動性供給と資産買取りが主体。
- 金融システムへの悪影響が強くない限り、公的資金による資本注入などの支援は実施されにくい。
対象となりやすいD-SIBs(国内の金融システム上、重要な金融機関)には、国内保険会社は指定されていない。
- 生命保険会社の破綻の際は、契約のみ譲渡しその後解散するケース、もしくは更生特例法を適応させ経営破綻に
至るケースがほとんどとなっていた。
[国内生保が発行する劣後債投資と、公的支援への考え方]
- 保険ハイブリッド劣後債は、銀行のB3T2債に近い、負債と資本の性格を併せ持つ債券となっている。
- 銀行劣後債との違い;
国内基準に基づくソルベンシー・マージン比率と、
2025年以降に適用される経済価値ベースのソルベンシー比率(ESR、公表済み)
- 「大きすぎてつぶせない(TBTF)」という議論は、保険会社には適用されない。
- 保険会社の劣後債投資では、信用格付けと監督指標のモニタリングが重要。
加えて、2024年度中は以下の2指標のモニタリングが重要。
国内基準に基づくソルベンシー・マージン比率と、
2025年以降に適用される経済価値ベースのソルベンシー比率(ESR、公表済み)
[まとめ]
- 国内の大手生命保険会社は、高い信用格付けを有する社債の発行体
- 経営危機時の公的支援可能性は銀行に劣る一方で、銀行のように短期間で資金が流出して経営危機になる可能性が低いため、D-SIBsの指定は受けていない点は、投資評価上のプラス材料として考慮すべき。
- 新規制対応は、日本生命、明治安田生命などでは、順調に進んでいる。
- 日本の生保が発行しているハイブリッド劣後債は、銀行のTier2債に相当。破綻認定なしにベイルインが生ずるリスクはない制度設計。
銀行のAT1債(永久劣後債)より商品設計上、低リスクの可能性。
- 以上の観点から、日本生命、明治安田生命の米ドル建てハイブリッド劣後債には、安定保有を前提とした投資価値があると評価。
ストラテジー
米国債全般
米ドル建て債券市場動向と着目点 -2024年7月末から9月初旬まで-
本レポートでは、2024年7月末から9月初旬までの相場動向と、8月末までの米国債券市場の新発債・流通市場の取引額等の傾向を確認した。なお、弊社の金利・為替の予想値を本レポートのp.21-22に示した。
〇 債券指数レベルで見た相場動向と着目点 p.1
- 利下げ期待から3-5年の利回りが最も大きく下落、3~20年のイールド・カーブは、全体として順イールドの傾きが強まり、長短金利差が拡大。
- 投資適格社債のスプレッドは、特に5年ゾーンでタイト化。一方、2年や10年では若干のワイド化を観測。
〇 個別債券レベルで見た相場動向 p.6
- 米国籍の投資適格では、電気機器製造、化学工業、医療機器・装置製造、などの社債単価が上昇。投機級では、相対的に単価上昇が大きかったのは、ケーブルテレビ・衛星放送、娯楽コンテンツ、容器・梱包など。
〇 米国社債の流通市場における取引動向(TRACE) p.13
- 投資適格の事業法人債で、多額の取引を観測したのは、メタ・プラットフォームズ等大型起債銘柄の即時売却取引。
〇 米ドル建て債券の起債市場の動向 p.17
〇 弊社の米国債券市場相場想定(予想、2024/9/3時点)p.21
個別発行体評価
アッヴィ(MDY:A3、S&P:A-)事業概要と同社のクレジット投資評価
[アッヴィの事業概要]
- アッヴィ(AbbVie Inc.)は免疫疾患、神経科学などの疾患領域に強みをもつ米国の医薬品メーカー
- FY2023年の総売上は543億米ドルで、製薬会社別売上高は4位
- 免疫系医薬品が総売上の約半分(48%)を占める一方で、がん腫瘍、美容系、神経科学系医薬品がそれぞれ各1割前後を占める構成
[アッヴィ製品の特許期限と創薬パイプライン]
- 最大のブロックバスターであったHumiraの特許はFY2023初頭に切れており、今後、2024年の終わりまでにRinvoqも特許切れを迎える予定。
2製品の売上占有率(FY2023)は34%。ただし、同社の創薬パイプラインのフェーズⅢにはRinvoqに関する特許が5件含まれており、Rinvoqの特許期間は実効的に延長される可能性も。
- アッヴィの総保有件数は他企業と比較して多くはないものの、各フェーズに対して20件以上と均等に配分。
- イミュノジェン社(がん腫瘍領域)、セレベル社(精神疾患や神経疾患)の買収により疾患領域を拡大。ただし、M&Aは財務を圧迫。
[決算動向]
- FQ2 2024 における全社ベースの売上高は前年度同期より+597(百万米ドル)伸長し14, 462(百万米ドル)に。
- 特許失効によるHumiraの減収を、Skyrizi、Rinvoqなどの製品の販売増で相殺。
- 結果、営業利益水準も安定維持。
[アッヴィ社債の投資評価]