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ストラテジー
欧州債全般
ECBによる金融政策決定会合結果と今後の欧州債券相場の見通し
本レポートでは、12月14日の ECB 声明とラガルド総裁の記者会見内容などを元に、今後のユーロ圏の金融政策の動向と相場予想に関する弊社の考え方を示す。
- 政策金利については、i) 政策金利は現状維持、ii) 利上げの打ち止めと現水準を長期維持に関する表現(ensure)を継続。
- 9 月から 12 月は 2023 年、2024 年分の予想見通し修正:i) ユーロ圏消費者物価指数は下方修正(3.2%→2.7%)、ii) コアインフレも下方修正(2.9%→2.7%)、iii) GDP 成長率も下方修正(1.0%→0.8%)
- 証券保有残高については、パンデミック対応プログラム(PEPP)の再投資期間の見直しが行われ、2024 年後半にかけて月平均 75 億ユーロ(償還額の半分相当)削減し、その後年末に計画通り完全に廃止(再投資の中止により、漸次、保有額が削減)。
- 11 月の総合物価指数インフレ率(HICP)は 2.4%に 8 月の水準から約 2 ポイント低下。コア物価(除くエネルギー・食品、前年比)は 9 月の 4.5%から 11 月には 3.6%に低下。
アナリスト
通信
AT&T(AT&T Inc)の事業概要と同社のクレジットの評価
本レポートでは、米国のモバイル回線数で 3 位、有線回線数では最大シェアを有する AT&Tの事業概要と特性を確認し、同社社債への投資評価を行う。
- 主力のポストペイド市場では、AT&T のシェアは大手 3 社の中で 3 位(26%)となっているが、高品質回線を志向し、ARPU は 3 社の中で最高水準。
- 売上高、営業利益はともに FY2023Q2 から横ばいとなっている。当期純利益は非継続事業の影響で、テクニカル要因から前年同期比‐42%と大きく落ち込んだ。
- 自己資本比率は 29.5%に上昇、事業売却資金の充当によりネット有利子負債も減少。
- AT&T の信用格付け(発行体格付け)を示した。AT&T は Moody‘sからは Baa2 格、そしてFitch からは BBB+格とそれぞれ評価されている。見通しは安定的。
アナリスト
通信
ボーダフォン(Vodafone Group Plc)の事業概要と同社のクレジットの評価
本レポートでは、欧州最大手の総合通信会社であるボーダフォンの事業概要と特性を確認し、同社社債への投資評価を行う。
- ボーダフォンは、事業規模の観点では、欧州の一部同業他社をはるかに凌駕する事業規模を有しているが、多くの市場では他のトップ・モバイル事業者に対し、競争力の面で充分な優位性を保持できておらず、大規模な事業再編の実施中。
- ボーダフォンのモバイル事業では、契約回線のうち32%が定期契約(後払い)型、68%がプリペイド契約型であり、より不安定なプリペイド契約型が、安定した定期契約型に比べはるかに大きい。スペイン事業は不採算を理由に2024年前半までに完全売却予定。
- ボーダフォンは解約率の高さから、日米の無線通信事業者に比べ相対的に不安定な事業特性を持つ。
- ボーダフォンの信用格付け(発行体格付け)はBBB格中位。S&Pでは6/30に格付見通しをポジティブから安定的に引き下げ。
- 無線通信事業では参入障壁も高く、10年程度では元利金の支払い能力への懸念は生じにくい。一方、超長期(20年超)でのビジネス・モデルの持続性には一定の懸念。
債券市場アップデート
米ドル建て社債市場の動向 (2023/11分)
今回の着目ポイント
1). 米ドル建て社債の利回り・スプレッドの動向
2). 流通市場における取引動向
3). 米ドル建て債券の起債市場の動向・銘柄
ストラテジー
米国債全般
米ドル建てシニア債のセグメント別市場レート -評価基準日 2023年12月1日-
11月3日から12月1日にかけての米国社債の市場動向を、2年、5年、10年と利回り水準別に分けて確認。(下記の格付けは、S&Pの債券格付けを参照している)
◎米国社債市場の状況:
- 足元の米国社債市場では、今、投資を行うタイミングを逃すと、安定利回りの確保ができないとの危機感が高まっている。
- 米国社債市場では、この1か月間に全体的に利回りが低下し(価格は上昇)、スプレッドもタイト化した。投資適格(IG)社債の平均利回り(2~5年)は、前月末で5.8%程度が平均水準だったが、12月1日には5.0%程度まで-0.80%程度も低下した。スプレッドも5年社債で約104bpsから約80bps程度まで-24bps程度タイト化した。
- 投機級(ハイイールド)では、利回りを求めた債券投資家の需給要因により、投資適格よりさらに社債利回り及びスプレッドが低下した(価格は上昇)。
入門用動画
個人投資家の資産運用の方法:債券、投資信託の買い方(国内債、外債及び債券投資信託の選び方・買い方についてご紹介します)
本動画では、個人投資家の資産運用の方法、中でも債券および債券などの金利商品を対象とした投資信託の選別方法についてご説明いたします。
ストラテジー
米国債全般
米ドル建て債券市場動向と着目点 -2023年10月末から11月末まで-
本レポートでは、2023年10月末から11月末までの米国債券市場の動向を確認した。また、弊社による米国金利・為替に関する市場予想を示した。
同期間に米国債券市場の動きで注目すべき点として、下記が挙げられる。
1)米国債イールド・カーブの水準切り下げ
- 11月1日のFOMCを受け、米国内でのインフレ抑制と利上げ終息とのコンセンサスが広がり、さらにCPIがこれまでよりも低い水準を示したことから、米国債券相場は10月末までの長期金利上昇局面から全面的に反転、イールド・カーブは全年限で大幅に低下。
- 短期金利の上昇は打ち止め、長期金利上昇と期間に応じたリスク・プレミアムの織り込みにより、イールド・カーブの順イールド化が進むなどの米国債相場の構造的な転換は維持したままでパラレル・シフト。
- 長期金利の低下の中で、より利回りが残るビジネスモデルが安定した業態の長期・超長期10~30年)社債に関する投資の魅力が向上。
2)社債のスプレッドでは、ファンダメンタルを意識せず全面的なタイト化が進む
- 市場が織り込む信用リスクを反映した社債の信用スプレッドは全般的にタイト化、ただし、B格などの低格付け債の信用スプレッドのタイト化(価格上昇)は、ファンダメンタルを反映したものとはいえず、今後2年以内には反転下落の可能性も。
3)新発債では投資適格、投機級のそれぞれの中で、カントリーリスクに応じた選別傾向。米国籍の発行体に対する相対的な信頼感が強い一方、外国籍の発行体に対しては、相対的にカントリーリスクを懸念、選別傾向を観測。
4)今後の相場見通し
- 2024年中は政策金利は高止まり、利下げの可能性は低い
- 急ピッチで低下した長期金利だが、2024年前半は4.5%付近で推移か
- ドル円レートは、過度な市場の動きを警戒するFEBの要人発言に左右されやすく、2023年末から2024年上半期にかけ145円~151円近辺の間で都度振れやすい。2024年後半には円高方向へのトレンドを形成しやすいが、140円台に留まりやすい。
個別発行体評価
メキシコ石油公社(PEMEX)の概要と社債投資の評価ポイント
◎弊社の PEMEX クレジットの見方;巨額の債務借換えが求められる中、債務の短期化により財務運営は厳しいがコントロール可能。弊社も S&P と同じく投資対象として保持可能とみる。
◎弊社が考える4つの変動要因と評価;(i)長期負債による借り換えを実施する手段は あるが実施されておらず債務短期化が継続。(ii)利益マージンは相場次第で経営体 質の抜本的な改善が行われず。(iii)生産量・埋蔵量が着実に伸びており、精製設備の 稼働率も改善可能性あり。(iv)次期大統領選挙後の政策支援は、当面(10 年以内)は 継続。長期的(10~30 年)には後退。
◎2024年の総選挙後も政府サポートは継続しやすいため社債保有におけるデフォルト懸念は限定。 ただし、スプレッド拡大に伴う超長期債の時価下落可能性は存在。
アナリスト
エネルギー
PEMEX(メキシコ石油公社;MDY B1/S&P BBB)のクレジット評価アップデート2023/9末
PEMEX 社債の投資評価
- S&P はメキシコ政府との政策一体性から投資適格(BBB レンジ)を維持。ムーディーズとフィッチは個別財務を重視し投機級の中でも B+格相当まで格付けを引き下げ。
- 7 年以下の社債相場は政策支援の安定を、10 年超は政策の不安定性を織り込む。
- 弊社の PEMEX クレジットの見方;巨額の債務借換が求められる中、財務運営は厳しいがコントロール可能。弊社も S&P と同じく投資対象として保持可能とみる。
- 弊社が考える 4 つの変動要因と評価;(i) 長期負債による借り換えを実施する手段はあるが実施されておらず債務短期化が継続、(ii) 利益マージンは相場次第で経営体質の抜本的な改善が行われず、iii).生産量・埋蔵量が着実に伸びており、精製設備の稼働率も改善可能性あ、iv). 次期大統領選挙後の政策支援は、当面(10 年以内)は継続。長期的(10~30 年)には後退。
投資戦略動画
各国中銀の政策決定会合を受けた、為替見通しと外貨建て(米ドル)債券投資の考え方
2023年10月末から11月初旬の各国中銀の政策決定会合を受けて、為替の見通しと、外貨建て(主に米ドル)債券投資の考え方をご説明します。
1.金融政策の影響を強く受ける「資金需給相場」はいつ終わるのか?
2.「資金需給相場」が終わり「ファンダメンタル相場」への移行期における金融市場への影響は?
3.債券投資戦略の考え方