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ストラテジー
欧州債全般
欧州国内銀行の破綻処理制度が抱える課題/公的支援の対応格差のケース・スタディ
◎ 前提
- 金融政策は、「政策金利」だけに影響される訳ではなく、「量的緩和」と「銀行による信用創造機能」を加えた全体で政策効果を実現。このうち、エコノミスト的な観点では3番目の「銀行機能」の安定性への理解が不足しやすい。
- 米国では、「国内銀行による信用創造機能」が不全化したことは、結果としてインフレ抑制効果の早期の実現に影響した。ただし、米国では強力で公平な国内銀行への監督制度適用が可能であったために地域レベルの金融システミック・リスクを回避できた。
- 欧州でも2024年7月以降に量的引き締め(QT)を強化する。市場の資金量が減る中で、中小銀行からの預金流出や国・銀行の選別が生じると、地域レベルでの金融危機により金融政策の副作用が拡大しかねない。
◎ 本レポートで指摘する課題
- EUには銀行危機管理・預金保険(CMDI)という、中堅・中小を含む銀行の破綻処理を秩序持って正しく管理する機能がある。
- しかし、過去のイタリアの事例に示されたように同制度の原則は、現状で個別国家の判断により例外として曲げられ得る。
- 一部国家のモラルハザードは、結果として地域間・銀行間での預金流出や資金移動のトリガーとなりかねず結果としてユーロ圏域内全体の地域金融システミック・リスクの連鎖を生じさせかねない。(米国との差異)
ストラテジー
米国債全般
米国消費者物価指数(CPI)の見方 (2023年12月分)
- 2023年12月分の米国消費者物価指数(CPI)は、総合指数が11月分の+3.1%から、12月分で+3.4%に反転上昇、コア指数(食料・エネルギーを含まず)が11月分の+4.0%から、12月分で+3.9%とわずかに下落した。いずれも市場の事前予想を上回った。
- 2月以降も前年比で見ると乱高下しやすい項目が存在する(例.総合指数のエネルギー)。ただし、コア指数については、住居費の低下ペースが限定的な中、全体平均を引き下げてきたコモデティ(商品全般)の価格に輸送コストやエネルギー商品価格の上昇に伴う引上げ影響が生じうる。
- 仮に1月末にかけてさらに強気の相場で長期金利の低下が進んだとしても、1/30-31のFOMCと、2月13日の米国CPI公表日後頃を挟んで、米長期金利の下落トレンドはある程度は反転上昇しやすい可能性がある。
アナリスト
通信
ベライゾン・コミュニケーションズの事業概要と同社債券・株式の長期保有目的投資上のポイント
本レポートでは、米国のモバイル回線数で最大シェアを有するベライゾンの事業概要と特性を確認し、同社社債・株式への長期保有の観点での投資評価を行う。
- ベライゾンは無線通信サービスの提供を主とする米国の通信事業会社。
- 事業セグメント別売上高を契約対象別で分類すると、個人消費者向けワイヤレス事業が75%を占める。
- FY2021Q4にトラックフォンの統合によりプリペイド契約を上積み。直近でプリペイド契約が全体の15%を占めるが、同契約のポストペイドへの移管も好調に進む。
- ベライゾンの四半期売上高は前年同期比で2.6%減少し、約333億ドルに。ただし、無制限プレミアムプランを選択する顧客の増加によって、ワイヤレスサービス収入は前年同期比で+2.9%の増加。
- 解約率は値上げにも関らず1%前後を推移、同社の強固な顧客基盤を反映。
ストラテジー
米国債全般
米ドル建てシニア債のセグメント別市場レート – 評価基準日 2024年1月9日 –
2023年12月1日から2024年1月9日にかけての米国社債の市場動向を、2年、5年、10年と利回り水準別に分けて確認。
◎米国社債市場の状況:
- 11月以降の長期金利の急速な低下を受け、安定利回りの確保を目的とした中長期の社債投資を行うタイミングは外れつつある可能性がある。
- 米国社債市場では、この1か月間に全体的に利回りが低下し(価格は上昇)、スプレッドもタイト化した。投資適格(IG)社債の平均利回り(10年)は、12月初頭で5.2%程度が平均水準だったが、1月9日にはぎりぎり5.0%程度まで-0.20%程度の低下。2~5年では短期銘柄以外で5%を確保できる銘柄は、相当に少なくなった。
- 投機級(ハイイールド)では、利回りを求めた債券投資家の需給要因により、投資適格よりさらに社債利回り及びスプレッドが低下した(価格は上昇)。
ストラテジー
米国債全般
米ドル建て債券市場動向と着目点 -2023年11月末から12月末まで-
本レポートでは、2023年11月末から12月末までの米国債券市場の動向を確認した。この期間に米国債券市場の動きで注目すべき点として、下記が挙げられる。
1) 2023年12月には、米国債券相場は 11月初頭からの全面的な金利低下トレンドを継続、10年金利は4.24%(12/1)から 12月末には3.88%まで大幅に下落した。ただし、年末の流動性低下に起因する行き過ぎた金利低下という側面もあり、2024年1月に入り新規資金による取引が活性化した後は、水準は限定されているもののイールド・カーブは反転上昇している。
2) 米ドル建て社債市場では 12月において信用スプレッドが格付・年限を問わずタイト化。ただし、こちらも2024年1月に入り若干反転しわずかにワイド化。
- 個別社債の単価は、12月には全体的に大幅な上昇傾向(1.94%~3.18%)。
- より顕著に上昇していたのは、米国企業の不動産企業社債と投機級の金融社債。全般的にスプレッドのタイト化が進む中、例外的にワイド化していたのは主に中国・アジア関連を中心とする海外の不動産企業社債。
3) 新発債市場では 2023年12月の米ドル建て社債等の起債額は、前年比-1.1%の153(10億ドル)と微減。格付別にみると、A格社債は前年比+55.9%と増加し、BBB格社債は+64.4%も大きく増加。金融機関債の起債額は 12月の起債額が前年比で+61.2%と大きく増加。金融機関ではJPモルガン・チェース・バンク、ウェルズ・ファーゴ・バンク、シティバンク銀行など、G-SIBsの子銀行(OPCO)の社債が大量起債。
ストラテジー
米国債全般
2023年12月FOMC声明を受けた米金融政策の今後と米ドル建て債券投資戦略
弊社による相場想定と債券投資戦略の考え方
- 弊社の金利想定は市場コンセンサス程、急な金利低下を前提としない。2024年末まで、長期金利は4%台を維持しやすく、ドル円レートも140円台が継続しやすい
- 円高に振れる展開が続きやすく、米ドル建て資産も短期から長期に移管する必要性がある。よって、目安として直利の高い(5-6%台を目安)のクレジット債などへの投資と、一定以上の年限での投資の効用が継続(おおむね10年以上の残存期間であれば、債券価格の上昇が円高による円ベース時価下落を打ち消しやすい)
投資戦略動画
2024年のグローバル市況見通しと投資戦略
米国と日本の経済状況・金融政策の違いに基づく国内からの金融投資に関する見方
1. 金融政策の影響を強く受ける「資金需給相場」はいつ終わるのか?
2. 資金需給相場」が終わり「ファンダメンタル相場」への移行期における金融市場への影響は?
3. 債券投資戦略の考え方
4. 株式投資戦略の考え方
入門用動画
【経済環境を加味した最適資産運用とは】なぜリターンが低く見える債券投資が有効なのか?
【前提】最近の相場の特徴
・日本株/米国株式の上昇は今後も続くのか?
・金融政策が転換した場合の相場への影響は?
・分散投資と選択投資、どちらが有効なのか?
・なぜリターンが低く見える債券投資が有効なのか?
アナリスト
エネルギー
PEMEX(メキシコ石油公社)の格付ネガティブ・ウォッチをフィッチが解消
本レポートでは、メキシコ石油公社(以下、PEMEX)の財務状況、信用力評価に影響を与える直近での経営環境に関する変化についてのアップデートを行うことを目的とする。
- 2024 年度のメキシコ連邦政府支出予算の最終化と、PEMEX への資本注入額の確定。
- 2023 年 12 月 20 日、フィッチは B+格は維持しつつも、2023 年 7 月に付与したネガティブ・ウォッチを取下げ、現在の格付けを再承認。
ストラテジー
欧州債全般
ECBによる金融政策決定会合結果と今後の欧州債券相場の見通し
本レポートでは、12月14日の ECB 声明とラガルド総裁の記者会見内容などを元に、今後のユーロ圏の金融政策の動向と相場予想に関する弊社の考え方を示す。
- 政策金利については、i) 政策金利は現状維持、ii) 利上げの打ち止めと現水準を長期維持に関する表現(ensure)を継続。
- 9 月から 12 月は 2023 年、2024 年分の予想見通し修正:i) ユーロ圏消費者物価指数は下方修正(3.2%→2.7%)、ii) コアインフレも下方修正(2.9%→2.7%)、iii) GDP 成長率も下方修正(1.0%→0.8%)
- 証券保有残高については、パンデミック対応プログラム(PEPP)の再投資期間の見直しが行われ、2024 年後半にかけて月平均 75 億ユーロ(償還額の半分相当)削減し、その後年末に計画通り完全に廃止(再投資の中止により、漸次、保有額が削減)。
- 11 月の総合物価指数インフレ率(HICP)は 2.4%に 8 月の水準から約 2 ポイント低下。コア物価(除くエネルギー・食品、前年比)は 9 月の 4.5%から 11 月には 3.6%に低下。