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バークレイズ(Barclays PLC)概要と投資評価ポイント
バークレイズへの債券投資を検討するにあたって、8月1日に公表されたFY2024Q2までの決算を参照して,企業の概要から投資評価ポイントについて簡潔に解説します。
[バークレイズの概要]
- バークレイズは、イギリス国内でHSBCに次ぐ資産規模を持つ銀行であり、G-SIBs(グローバルなシステム上重要な金融機関)にも指定。
[バークレイズの信用リスク評価の着目点]
(1). 収益力評価 - 評価軸 #1
収益力から見た場合、シニア債券の投資評価上はポジティブと評価。
(2). 経営環境の変化への耐性- 評価軸 #2
経営環境の変化耐性には、重大な懸念点は無いものの、必ずしも他行より頑健ではなく。G-SIBsの中位程度。シニア債券の投資評価上はポジティブに評価。
(3). 資金流動性とRWA当たりの収益性 - 評価軸 #3
RWAあたりの収益性が相対的に高く、短期の資金流出による悪影響が生じにくい資金調達構造を維持。シニア債券の投資評価上はポジティブと評価。
(4). 規制資本から見た安定性 - 評価軸 #4
劣後債投資に重要な、CET1資本に生じうる劣化がG-SIBsの中でも中程度(ただし平均を下回る)。AT1債の潜在的なコールスキップ・リスクはG-SIBsの中で相対的に高い。
[英国に特有の金融規制など]
- 英国では独自のリングフェンス規制を導入済。銀行持株会社の潜在リスクは、理論上、他地域に比べ相対的に高くなりやすい。AT1債のベイルインのトリガー条件も他地域(スイス以外)の銀行より高く、ベイルインが生じる潜在リスクがより大きい。ストレステスト結果の前提に「戦略的マネジメント施策」としてAT1債の損失吸収が含まれる可能性も。
[バークレイズの債券への投資評価]
- AT1債の投資評価;現時点ではベイルインリスクは抑制的だが、マクロ経済にストレスが生ずるとAT1債には配当停止やコール・スキップが生ずる可能性は他のG-SIBsに比べ相対的に高く非推奨。
- TLAC債(無担保シニア債)は良好な投資機会を提供。仕組み債の発行体としても同様の効用が存在。