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金融政策とイールドカーブ
米国債への投資を行う上で、金融政策は投資パフォーマンスに非常に大きな影響を与える要素。
ただし、平常時と非常時で異なる金融政策の影響を正しく認識しておくことは非常に重要。
- 2024年9月のFOMCにおける0.5%の利下げは、「非常時の金融政策」の終焉を表している。今後の相場は「平常時の金融政策」を反映するものとして、米国債への投資戦略を考えることが必要。
- 「平常時」には、主に政策金利の修正により金融政策を実施。超長期の金利は景気サイクルなどを乗り越えた平均的な金利水準(リスク・プレミアム込み)に収束しやすい。この結果、i)長期金利は短期金利より高くなりやすく、ii)長期金利の変動は短期金利の変動より小さくなる傾向。
- 「非常時」には、「量的緩和/量的引き締め」など市場で流通する資金量を直接増減する金融政策が大規模に行われる。こうした市場環境下では、超長期の金利水準も他の金融政策委合わせて大きく増減しやすい。2020年から2024年の相場は、この非常時の金融政策により、巨額のマネーが市場で流通し(2020-2022)、この結果としてインフレも増大したため逆にマネーの流通量を抑える政策が取られ(2023-2024)、イールドカーブが全体として増減した。
- 債券市場(特に長期・超長期)は既に、「平常時の金融政策」への移行を織り込んでおり、FOMCでの政策金利の利下げには反応しにくい。
- ここからのタイミングで、政策金利の低下への連動で超長期のストリップス債のようなキャピタルゲイン狙いの債券投資を行っても効果的なパフォーマンスは得にくい。
債券市場の正常化に伴い、直利重視で長期保有によるインカム原因狙いの「債券投資の王道」に立ち返るべきタイミングだと言える。