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米国債全般
米ドル建て債券市場動向と着目点 -2023年11月末から12月末まで-
本レポートでは、2023年11月末から12月末までの米国債券市場の動向を確認した。この期間に米国債券市場の動きで注目すべき点として、下記が挙げられる。
1) 2023年12月には、米国債券相場は 11月初頭からの全面的な金利低下トレンドを継続、10年金利は4.24%(12/1)から 12月末には3.88%まで大幅に下落した。ただし、年末の流動性低下に起因する行き過ぎた金利低下という側面もあり、2024年1月に入り新規資金による取引が活性化した後は、水準は限定されているもののイールド・カーブは反転上昇している。
2) 米ドル建て社債市場では 12月において信用スプレッドが格付・年限を問わずタイト化。ただし、こちらも2024年1月に入り若干反転しわずかにワイド化。
- 個別社債の単価は、12月には全体的に大幅な上昇傾向(1.94%~3.18%)。
- より顕著に上昇していたのは、米国企業の不動産企業社債と投機級の金融社債。全般的にスプレッドのタイト化が進む中、例外的にワイド化していたのは主に中国・アジア関連を中心とする海外の不動産企業社債。
3) 新発債市場では 2023年12月の米ドル建て社債等の起債額は、前年比-1.1%の153(10億ドル)と微減。格付別にみると、A格社債は前年比+55.9%と増加し、BBB格社債は+64.4%も大きく増加。金融機関債の起債額は 12月の起債額が前年比で+61.2%と大きく増加。金融機関ではJPモルガン・チェース・バンク、ウェルズ・ファーゴ・バンク、シティバンク銀行など、G-SIBsの子銀行(OPCO)の社債が大量起債。