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# 債券投資
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米ドル建て債券市場動向 週次:11月8日まで
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米ドル建て債券市場動向 週次:11月1日まで
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レポート
米ドル建て債券市場動向 週次:10月18日まで
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バークレイズの概要と投資評価ポイント
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米ドル建て債券市場動向 週次:10月11日まで
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金融政策とイールドカーブ
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オラクルの事業概要と同社のクレジット投資評価
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米ドル建て債券市場動向 週次:9月27日まで
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米ドル建て債券市場動向 週次:9月20日まで
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富裕層の運用戦略
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米ドル建て債券市場動向 週次:9月13日まで
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動画
日米株式相場の特性の違い
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米ドル建て債券市場動向 週次:9月6日まで
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米ドル建て債券市場動向 週次:8月23日まで
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米ドル建て債券市場動向 週次:8月16日まで
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第一生命のクレジット評価と社債投資の考え方
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みずほフィナンシャルグループの概要と投資評価
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住友生命のクレジット評価と社債投資の考え方
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明治安田生命のクレジット評価と社債投資の考え方
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日本生命のクレジット評価と社債投資の考え方
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ソシエテ・ジェネラルの概要と投資評価ポイント
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ドイツ銀行の概要と投資評価ポイント
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主要米銀6行のFY2024 Q1決算まとめ
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BNPパリバの概要と投資評価ポイント
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モルガン・スタンレーの概要と投資評価ポイント
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JPモルガンの概要と投資評価ポイント
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シティグループの概要と投資評価ポイント
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バンク・オブ・アメリカの概要と投資評価ポイント
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ゴールドマン・サックスの概要と投資評価ポイント
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製薬会社別・疾患領域別に捉える製薬市場の動向
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ブラジル国債投資
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主要欧州5行の財務傾向と資本性証券投資の考え方
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グローバル製薬業界の特性と評価のポイント
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CoCo債の発行・償還動向(データ集)
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主要米銀6行の財務傾向とビジネス・モデルの比較
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米ドル建社債投資の始め方・選び方(#1 基本編)
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日本生命のクレジット評価と社債投資の考え方
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明治安田生命のクレジット評価と社債投資の考え方
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第一生命のクレジット評価と社債投資の考え方
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米国ドル建て債券市場動向 2023年5月時点
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レポート
米ドル建て銀行社債の取引傾向の変化
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動画
信用格付とは?
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個別発行体評価
イーライ・リリー(MDY:A1、S&P:A+)事業概要と同社のクレジット投資評価
[概要]
- イーライ・リリーのFY2023年における総売上は約341億ドル(前年度比+20%)。製薬会社別売上高では10位前後に位置。
- 株式時価総額が製薬業界トップ (2024/11/8 時点)。
- 創薬パイプライン:総保有件数は69件。特定のフェーズに件数が偏っていない点がポイント。
- M&A:FY2023および2024に実施した大型M&A案件を確認。取り上げた3件のM&A案件の内、免疫疾患関連が2件。
- 薬価交渉制度による薬価引き下げのリスクは大きい: 糖尿病やがん腫瘍領域を中心に、収益構造がブロックバスターに依存しているため。
[疾患領域別の事業業況(糖尿病)]
従来からイーライ・リリーの主力医薬品であるトルリシティは、より効能の高いノボノルディスクのオゼンピックにより既存のシェアを浸食された。しかし、さらに効能の高いマンジャロが急速に売り上げを伸ばしシェアを拡大している。これらの糖尿病薬は対肥満症薬としても、さらなる市場の拡大が期待されている。
[業績]
- 直近四半期(FQ3 2024)における売上高は前年度同期より+20.4%の増収で、11,439(百万米ドル)。営業利益は、前年度同期より+238.9%の増益で、1,526(百万米ドル)に。
[信用格付]
- Moody's、S&P共にA格上位の評価。
[債券の投資評価]
- 糖尿病薬に偏っているものの、特許期間が長く競争力の高い医薬品を複数保有。相対的に安定した信用力。
- スプレッドはタイト。10年近辺の残存の社債が相対的にリスクとスプレッド見合いでの投資効率が高い。
S&Pでは、イーライ・リリーの総合的な事業展開力は、メルクやブリストル・マイヤーズ、アッヴィなど(同社よりも規模が大きい製薬会社ら)とほぼ同等と評価。
投資戦略動画
「2024年11月」トランプ氏の大統領再選、各国中銀の政策決定会合を受けた、為替見通しと外貨建て債券投資の考え方
本動画では、(2024年11月)トランプ氏の大統領再選、各国中銀の政策決定会合を受けた、為替見通しと外貨建て債券投資の考え方を解説した。
1.市場で進む「トランプ・トレード」とトランプ次期大統領の施策
2.金融政策に応じた市場特性の変化
3.米国の経済状況と金融政策の考え方
4.日本の経済状況と金融政策の考え方
5.金利・為替相場見通しと債券投資戦略
債券市場アップデート
米ドル建て債券市場動向 2024年11月-第1週
[米ドル建て債券相場動向]
- 米国の債券市場では、11月FOMCにおける2回連続の利下げにも関わらず、長期金利は連動せず高止まり。トランプ新政権移行後に生じうるインフレへの警戒感を反映か。
- 社債のスプレッドは、投資適格(IG)、投機級(HY)を含め、全面的にタイト化。景気回復への期待も反映したトランプトレードの余波は社債市場にも。
- トランプトレードに着目する投資家を中心に、市場の一部で同氏着任後のインフレ率や経済成長をより強く想定する投資家が、米ドル建て債券の売りをリード。
- 米大統領には強大な権限が与えられているが、仮に減税や関税の引き上げを行うにしても、タイミング的には、2025年後半における影響となる可能性もある。
- 米ドル建て債券価格のオーバーシュートは、もう少し継続する可能性あり。2024年12月にはクリスマス休暇で市場の流動性も低下しやすく、2025年 1月は、神経質な相場ながらも金利上昇(単価下落)方向にすすみやすい。トランプ新大統領着任後の2025年1月末以降に修正が顕在化の可能性。
[新発社債の状況]
- 起債額の特に大きかった案件は、11月8日に発行した損害保険セクターのマーシュ・アンド・マクレナンの72.5億ドルの起債。債券の本数は7本、年限は3~30年、優先債調達。リスク、戦略、人材等の分野でグローバルにプロ向けサービスを提供するマーシュ・アンド・マクレナンは、傘下のマーサー部門が、11月4日付、英国とオランダで約660億ドルの運用資産を持つカルダノ社の買収に合意したことを発表。
- 2番目に起債額が多かったのは、廃棄物環境サービス機器セクターのウエイストマネジメントの52億ドル。全米最大の廃棄物処理事業者のウエイストマネジメント社では、Q3決算で売上高が前年比+7.9%、営業利益が+9.6%の増収増益。米国によるリサイクル率の5割までの引き上げ方針(現状約3割)を受け、さらなる事業投資を計画。
[米ドル建て社債取引動向]
- 流通市場で債券の取引額が多かった金融機関債は、バンクオブアメリカ債で、次いでゴールドマンサックスグループ債。
- 決算に合わせて新規起債のフリーズ期間の直後であったこともあり金融社債の取引は薄く、総取引金額も前週の2/3程度まで減少。
- 事業会社債のうち、投資適格債券で取引が多かったのは、メキシコ石油公社(ぺメックス)が最も多く、CVSヘルス、ボーイングが、それに続いた。4位の化学メーカーのセラニーズでは、 11/6付けで、Moody’sが格下げ方向での格付見直しを開始。欧州や中国での自動車や建設需要の低下により、同社の低い収益率や高い債務レバレッジの改善が困難、との理由による。これを受け、同社社債の取引額が増加。
[個別社債価格の動向]
- 米国籍事業債の投資適格債で、最も上昇したのは娯楽コンテンツセクターのディスカバリー・コミュニケーションズ。ワーナーブラザース・ディスカバリーの11/7公表のQ3決算において、10四半期ぶりに当期純損益が黒字転換(税引前赤字は継続)。同決算を受けグループ企業の社債が値上がり(1,3,4位)。
- 投資適格債で最も下落したのが、化学工業セクターのセラニーズUSホールディングス。前述のMoody’sによるネガティブ・ウォッチ指定を受けた動き。投機級債で最も下落したのは、ケーブルテレビ・衛星放送セクターのディッシュDBS。売上高の継続的な低下を受け、10/1にもS&PによりCCC-からCCに格下げされていた。
- 外国籍事業法人の投資適格債で、最も価格が上昇したのは石油:総合セクターのメキシコ石油公社(ペメックス)。一部議員が、DUCと呼ばれるペメックスの税負担のさらなる軽減策を2025年度予算に盛り込むことを検討と、一部メディアに言及。メキシコ官報ではペメックスの8月分のDUC支払いを11月27日に延期としている。これらを材料にペメックス社債の時価が上昇。
- 外国籍事業法人の投資適格債で最も上昇したのは、石油:総合セクターのメキシコ石油公社(ペメックス)。WTIが、先週に70ドル台を回復したことを受け、中南米などのエネルギー・資源関連発行体の社債価格が上昇した。
半面で、外国籍の投資適格債で最も下落したのが、公益事業セクターのSaudi Electricity Sukuk Program Company。中国やアジアの金属や資源関連の主要企業の社債は、中南米とは逆に価格が下落。
ストラテジー
米国債全般
米ドル建て債券市場動向 週次:11月8日まで
[米ドル建て債券相場動向]
- 米国の債券市場では、11月FOMCにおける2回連続の利下げにも関わらず、長期金利は連動せず高止まり。トランプ新政権移行後に生じうるインフレへの警戒感を反映か。
- 社債のスプレッドは、投資適格(IG)、投機級(HY)を含め、全面的にタイト化。景気回復への期待も反映したトランプトレードの余波は社債市場にも。
- トランプトレードに着目する投資家を中心に、市場の一部で同氏着任後のインフレ率や経済成長をより強く想定する投資家が、米ドル建て債券の売りをリード。
- 米大統領には強大な権限が与えられているが、仮に減税や関税の引き上げを行うにしても、タイミング的には、2025年後半における影響となる可能性もある。
- 米ドル建て債券価格のオーバーシュートは、もう少し継続する可能性あり。2024年12月にはクリスマス休暇で市場の流動性も低下しやすく、2025年1月は、神経質な相場ながらも金利上昇(単価下落)方向にすすみやすい。トランプ新大統領着任後の2025年1月末以降に修正が顕在化の可能性。
[新発社債の状況]
- 起債額の特に大きかった案件は、11月8日に発行した損害保険セクターのマーシュ・アンド・マクレナンの72.5億ドルの起債。債券の本数は7本、年限は3~30年、優先債調達。リスク、戦略、人材等の分野でグローバルにプロ向けサービスを提供するマーシュ・アンド・マクレナンは、傘下のマーサー部門が、11月4日付、英国とオランダで約660億ドルの運用資産を持つカルダノ社の買収に合意したことを発表。
- 2番目に起債額が多かったのは、廃棄物環境サービス機器セクターのウエイストマネジメントの52億ドル。全米最大の廃棄物処理事業者のウエイストマネジメント社では、Q3決算で売上高が前年比+7.9%、営業利益が+9.6%の増収増益。米国によるリサイクル率の5割までの引き上げ方針(現状約3割)を受け、さらなる事業投資を計画。
[米ドル建て社債取引動向]
- 流通市場で債券の取引額が多かった金融機関債は、バンクオブアメリカ債で、次いでゴールドマンサックスグループ債。
- 決算に合わせて新規起債のフリーズ期間の直後であったこともあり金融社債の取引は薄く、総取引金額も前週の2/3程度まで減少。
- 事業会社債のうち、投資適格債券で取引が多かったのは、メキシコ石油公社(ぺメックス)が最も多く、CVSヘルス、ボーイングが、それに続いた。4位の化学メーカーのセラニーズでは、 11/6付けで、Moody’sが格下げ方向での格付見直しを開始。欧州や中国での自動車や建設需要の低下により、同社の低い収益率や高い債務レバレッジの改善が困難、との理由による。これを受け、同社社債の取引額が増加。
[個別社債価格の動向]
- 米国籍事業債の投資適格債で、最も上昇したのは娯楽コンテンツセクターのディスカバリー・コミュニケーションズ。ワーナーブラザース・ディスカバリーの11/7公表のQ3決算において、10四半期ぶりに当期純損益が黒字転換(税引前赤字は継続)。同決算を受けグループ企業の社債が値上がり(1,3,4位)。
- 投資適格債で最も下落したのが、化学工業セクターのセラニーズUSホールディングス。前述のMoody’sによるネガティブ・ウォッチ指定を受けた動き。投機級債で最も下落したのは、ケーブルテレビ・衛星放送セクターのディッシュDBS。売上高の継続的な低下を受け、10/1にもS&PによりCCC-からCCに格下げされていた。
- 外国籍事業法人の投資適格債で、最も価格が上昇したのは石油:総合セクターのメキシコ石油公社(ペメックス)。一部議員が、DUCと呼ばれるペメックスの税負担のさらなる軽減策を2025年度予算に盛り込むことを検討と、一部メディアに言及。メキシコ官報ではペメックスの8月分のDUC支払いを11月27日に延期としている。これらを材料にペメックス社債の時価が上昇。
- 外国籍事業法人の投資適格債で最も上昇したのは、石油:総合セクターのメキシコ石油公社(ペメックス)。WTIが、先週に70ドル台を回復したことを受け、中南米などのエネルギー・資源関連発行体の社債価格が上昇した。
半面で、外国籍の投資適格債で最も下落したのが、公益事業セクターのSaudi Electricity Sukuk Program Company。中国やアジアの金属や資源関連の主要企業の社債は、中南米とは逆に価格が下落。
個別発行体評価
ゴールドマンサックスの概要と投資評価ポイント
本動画では、ゴールドマン・サックスの概要とクレジット投資評価について解説する。
-ゴールドマン・サックスは、米国に拠点を持つ投資銀行で、支店網や個人向け預金口座を持つ商業銀行とは異なり、投資銀行業務やトレーディング業務、その他法人向け業務に特化した事業モデルが特徴的。
- 近年では、リテール/ウェルス業務にも参入したものの、事業の撤退や売却が相次ぐ等、個人向け業務では成功しているとは言い難い状況。
- 金融安定理事会(FSB)が定めるグローバルなシステム上重要な金融機関(G-SIBs)にもカテゴリー1として指定されている。
- 純収益の事業別構成比は、グローバルバンキング&マーケッツが約6割を占め、アセットウェルスマネジメントは3割、プラットフォームソリューションズは5%と相対的に小規模。
税引前利益の事業別構成比では、グローバルバンキング&マーケッツが約9割を占め、アセットウェルスマネジメントが1割。プラットフォームソリューションズは継続して赤字。
- FY2024 Q3におけるゴールドマンサックスのCET1比率(%/標準的手法)は14.5%となり、前年同期比で-0.3%下落。
CET1比率は、他の米銀と比較すると相対的に高い水準にあり、規制資本証券のベイルインまでの絶対的なバッファがより大きい。
ただし、一見してベイルインへの耐性が強そうに見えるが、実際には事業リスクが他銀行よりはるかに大きく、こうした違いを勘案する必要性がある。
- 2024年のゴールドマンサックスのストレステストの結果では、ストレス顕在化後のCET1資本は最悪時に8.5%まで低下する可能性があるとFRBから指摘されている。
- 同社の発行体格付けは、S&PがBBB+に据え置く一方、Moody’sとフィッチはA格中位とするなど、格付機関でも評価が分かれている。よって、シニア債(TLAC債)や、期限付劣後債(Tier2)等の投資においてはMoody’sやフィッチの格付けに準じた評価は妥当。一方、AT1証券については、S&Pのより厳しい信用力評価を参考にするべき。
- GSのシニア債(TLAC債)については、他の米商業銀行対比で相対的にスプレッドがのっており、より効率的な投資対象の一つとして、検討に値する。
個別発行体評価
ジョンソン・エンド・ジョンソンの概要と投資評価ポイント
本動画では、ジョンソン・エンド・ジョンソン(J&J)の事業概要と、クレジット投資評価を解説。
- J&Jは製薬、医療関連機器、その他関連製品の開発、販売を手掛ける多国籍企業。 広範な疾患領域に分散化された医薬品ポートフォリオは業界内でも最大レベルで分散化。さらに医薬品以外の売上も大きく、米国最大の医薬品企業として最も安定した事業モデルを確保。
- FY2023年の総売上は約850億ドル。医薬企業としては世界最大だが、医薬品の製薬会社別売上高で同社は3位。売上の約2/3が医薬品、1/3がメドテック(医療関連機器)。
- FY2023において同社最大の売上高を占めた医薬品は、乾癬・クローン病・潰瘍性大腸炎治療薬のステラーラ(Stelara)。他社との和解、合意の結果、2024年内はバイオシミラーの販売の阻止に成功したが、2025年以降の増収は期待しにくい。
- 数多くの創薬パイプラインを保有(総保有件数は94件)。特にフェーズⅢと申請段階に数多く創薬パイプラインを抱えており、特許切れによるブロックバスター減収への懸念も解消されやすい。
- 同社は2023~2024年にも数々のM&Aを積極的に実施、医薬ポートフォリオを拡大。直近一年間の中では最も買収額が大きい買収案件はショックウェーブ・メディカル社で、買収総額は約125億米ドル。
- 返済能力の指標である「ネット有利子負債/EBITDA倍率」は、FQ2 2023以降、1倍未満と同業他社を大きく下回る水準で推移。同社の返済能力は同業他社に比べ相対的にかなり高い。
- J&Jは、主要格付機関(Moody's、S&P)から最も信用力の高い格付評価(AAA格相当)を受けている。
- 残存10年以下の、社債のスプレッド水準は、米国の財投機関並みの低い水準。AAAクラスの安定性を前提に米国債の代替としての投資を検討しうる投資家には、債券投資の検討対象となり得る。 一方で、米国の財投機関と大差ないスプレッドを民間企業としてどう見るかは検討課題。
債券市場アップデート
米ドル建て債券市場動向 2024年10月-第5週
本動画は、2024年10月25日から11月1日までの米国債券市場動向の状況を示すことを目的とする。(起債額と取引額は2024年10月28日から11月1日まで)
大統領選の結果で細かい動きは変わり得るものの、現状の公約ではいずれの候補が当選しても、大規模減税により、米国の債務は増大し、インフレは再加速しやすい、というのが市場コンセンサス。この結果、利下げへの動きは停止し、再利上げも織り込んだ動きに。ただし、トランプ候補の経済・金融政策は定まっておらず、同候補が当選する可能性を考慮するほど、不安定性が高まりやすい状況。
〇米ドル建て債券起債動向
-起債額の特に大きかった銘柄は管理医療セクターのエレバンス・ヘルスの52億ドルの起債。債務借換え、事業から得たキャッシュ、新規起債による超過資金を合わせてM&A等の目的に充当の予定。2番目は、たばこセクターのフィリップ・モリス・インターナショナルの30億ドル。3番目は、政府開発銀行セクターのドイツ復興金融公庫の20億ドル。
〇米ドル建て社債取引動向
-前週の取引額が多かった社債を、金融機関債と、事業会社(投資適格、投機級)に分け、それぞれ示した。
-最も債券の取引額が多かった金融機関債はJPモルガンチェース債、次いでバンクオブアメリカ債、ゴールドマンサックスグループ債だった。
-事業会社のうち投資適格債券で取引額が最も多かったのはメキシコ石油公社(ぺメックス)で、ウエイストマネジメント、ボーイングがそれに続いた。
〇米ドル建て債券価格動向
-ここでは、前週の利回り・スプレッドの時系列推移、セグメント別に比較した個別社債相場の動向を確認する。
-大統領選の減税公約等がさらなる債務増とインフレを誘発するとの見方から、長期金利を含むイールドカーブも全般的に上昇。米国債金利が大きく変動する中、投資適格(IG)社債のスプレッドは小幅な変動に留まった。
-米国籍事業法人の投資適格債で最も上昇したのは衣料、繊維製品セクターのVF。投機級債で、最も上昇したのはケーブルテレビ・衛星放送セクターのディッシュDBS債。
-外国籍事業法人の投資適格債で、最も上昇したのは石油:総合セクターのメキシコ石油公社(ペメックス)。投機級債では探査・生産セクターのLeviathan Bond Ltd。
-金融機関の投資適格債で、最も上昇したのは三井住友フィナンシャルグループ債。一方、最も下落したのはバークレイズ債。
ストラテジー
米国債全般
米ドル建て債券市場動向 週次:11月1日まで
本レポートでは、2024年10月25日から11月1日までの米国債券市場動向の状況を示すことを目的とする。(起債額と取引額は2024年10月28日から11月1日まで)
大統領選の結果で細かい動きは変わり得るものの、現状の公約ではいずれの候補が当選しても、大規模減税により、米国の債務は増大し、インフレは再加速しやすい、というのが市場コンセンサス。この結果、利下げへの動きは停止し、再利上げも織り込んだ動きに。ただし、トランプ候補の経済・金融政策は定まっておらず、同候補が当選する可能性を考慮するほど、不安定性が高まりやすい状況。
〇米ドル建て債券起債動向
-起債額の特に大きかった銘柄は管理医療セクターのエレバンス・ヘルスの52億ドルの起債。債務借換え、事業から得たキャッシュ、新規起債による超過資金を合わせてM&A等の目的に充当の予定。2番目は、たばこセクターのフィリップ・モリス・インターナショナルの30億ドル。3番目は、政府開発銀行セクターのドイツ復興金融公庫の20億ドル。
〇米ドル建て社債取引動向
-前週の取引額が多かった社債を、金融機関債と、事業会社(投資適格、投機級)に分け、それぞれ示した。
-最も債券の取引額が多かった金融機関債はJPモルガンチェース債、次いでバンクオブアメリカ債、ゴールドマンサックスグループ債だった。
-事業会社のうち投資適格債券で取引額が最も多かったのはメキシコ石油公社(ぺメックス)で、ウエイストマネジメント、ボーイングがそれに続いた。
〇米ドル建て債券価格動向
-ここでは、前週の利回り・スプレッドの時系列推移、セグメント別に比較した個別社債相場の動向を確認する。
-大統領選の減税公約等がさらなる債務増とインフレを誘発するとの見方から、長期金利を含むイールドカーブも全般的に上昇。米国債金利が大きく変動する中、投資適格(IG)社債のスプレッドは小幅な変動に留まった。
-米国籍事業法人の投資適格債で最も上昇したのは衣料、繊維製品セクターのVF。投機級債で、最も上昇したのはケーブルテレビ・衛星放送セクターのディッシュDBS債。
-外国籍事業法人の投資適格債で、最も上昇したのは石油:総合セクターのメキシコ石油公社(ペメックス)。投機級債では探査・生産セクターのLeviathan Bond Ltd。
-金融機関の投資適格債で、最も上昇したのは三井住友フィナンシャルグループ債。一方、最も下落したのはバークレイズ債。
入門用動画
債券にデフォルトが起こるとどうなるの?
本動画では、債券にデフォルトが生ずる仕組みと、その場合に残った価値を回収するための仕組みについて解説いたします。債券は基本的には株式などに比べ安全性が相対的に高い商品ですが、それでもデフォルトが生じて大きく価値を失う可能性は存在します。このため債券投資にあたっては、仮にデフォルトが生じた際にどのような状況が生じるのかを、事前に理解しておくことは重要です。
企業の債券は、もともと銀行借入金などに比べて、デフォルトした場合の残余の価値の回収可能性において不利な立場となることが多いです。ただ、アメリカ企業と日本企業の社債を比べると、商習慣や破産法の差などからアメリカ社債の方が相対的にはデフォルト時の回収率が高くなりやすい、という特性もあります。
また、社債とエマージング国債などのソブリン債を比較した場合、法的整理を介在してくれる裁判所の関与がある社債では回収手続きが早期に進みやすいのに対し、裁判所の関与が難しく発行体である国が一方的に提示するエクスチェンジ・オファー等に頼らざるを得ないソブリン債の場合には回収に10年以上がかかることもあります。
投資戦略動画
グローバル銀行劣後債投資の考え方
日米欧の主要銀行における劣後債投資のリスク要因等の考え方について解説していきます。
1.主要銀行への劣後社債投資を検討する理由
2.重要な「銀行」をつぶさないための、損失吸収の仕組み - バーゼルIII銀行規制の概要 -
3.銀行破綻前のシグナル
4.商品性に起因する、時価変動リスクや商品特有の投資リスク
アナリスト
エネルギー
PEMEX(メキシコ石油公社)の「公営企業」化への影響
【結論】
◎ 業態変更がPEMEXの信用力に与える影響
- PEMEXが事業運営において、公的な目的の優先度を高めることは、必ずしも同社社債の信用力を高めることを意味しない。
- 財源、税制、金融保証など、国家財政との一体性が示されれば、信用力のプラス要因。一方で、国家の支援が不透明なまま、政治的に負担増だけを迫られれば、PEMEX社債の信用力にはマイナス要因。
- 債務保証行為はPEMEXの潜在格上げ要因になると同時に、メキシコ政府の潜在格下げ要因にもなり得る。→ 恒久的な支援を行う枠組みを早急に整備する可能性は低い。
- PEMEXの公的な性格の強化は、10年以下などの相対的に短期の信用力を高めやすいが、20年超の超長期の信用力への影響は不透明。
【主な論点】
◎メキシコ石油公社(以下、PEMEX)について、同国内の法律上で規定される「事業種別」を憲法の条文改正を伴って実施する動きが進んでいる。
本レポートは、同変更に関して足元で生じている状況のアップデートと、信用力に対する影響についての考えを整理することを目的とする。
◎ メキシコの政権交代とPEMEXの業態の推移
- PEMEXでは、過去に右派政権の下で商業的な優先順位を伴う「国営生産企業」に分類変更。現在の左派政権の下で、優先順位を公共サービスの提供に置く「公営企業」への変更案が提示、進行中。
◎ 2024年エネルギー改革と憲法改正の現状
- エネルギー改革に伴う憲法の改正点:
(i) PEMEX、CFEは「国営生産企業」から「公営企業」へ、事業の優先度も公的な役割へ
(ii) 公共電力サービスの継続性とアクセシビリティを保証
(iii) 戦略的分野から民間資本を排除し、国家の安全と主権を保証
◎ 憲法改正に関するこれまでと今後のスケジュール
- 2024年10月9日には下院で承認、2024年10月16日に上院で承認。
- 現在は32の州の議会によって議論中。
◎ フィッチ・レーティングスが示したPEMEXの格付け変更可能性
- PEMEXの業態変更に関する議論を受け、フィッチでは3パターンの格付け変更可能性(すべて格上げ方向)を示す。うち、2つのパターンは、メキシコ政府によるPEMEXへの金融債務保証が前提。
◎ 社債市場の反応
- フィッチの事業種別変更に伴う格上げ可能性が市場で好感され、PEMEXの債券価格は9月中旬から10月中旬にかけて大きく上昇。
債券市場アップデート
米ドル建て債券市場動向 2024年10月-第3週
本動画は、2024年10月11日から10月18日まで(ただし、起債額、及び取引額は10月14日~10月18日のデータを集計)の米国債券市場動向の状況を示すことを目的とする。
[米ドル建て債券起債動向]
- ここでは、10月14日~10月18日までの起債市場動向を確認する。
- RBC(ロイヤルバンクオブカナダ)は米ドル建てとカナダドル建て同時起債を実施。カナダドルのフォワードレートがプラスに転じる中、与信ニーズも高まり、大型同時起債を実施することとなった。
前週に公表された決算が好調だったモルガン・スタンレーは事業資金ニーズが高く、規制上の要件から非常時にベイルイン可能な持株会社発行のシニア債(TLAC債) に加え、より安全な子銀行債も合わせて発行。
[米ドル建て社債取引動向]
- 前週の取引額が多かった社債を、金融機関債と、事業会社(投資適格、投機級)に分け、それぞれ示した。
- 債券の取引額が多かった金融機関債は、 JPモルガンチェース債、次いでゴールドマンサックスグループ債だった。
2,3位を占めた投資銀行2行では相次いでTLAC債の起債を実施。投資銀行業務が好調な中、既存債務の借り換えと損失吸収余力の拡大によるさらなる事業機会の拡大を目指す動きを受け、社債取引も活発化していた。
- 投資適格社債は、過去2週と同じ銘柄が主な取引対象。投機級では、米国の天然ガス価格の急落を受け、米州のエネルギー企業の社債が、集中的な取引の対象に。
[米ドル建て債券価格動向]
- ここでは、前週の利回り・スプレッドの時系列推移、セグメント別に比較した個別社債相場の動向を確認する。
- 投資適格の米国籍事業債で、最も上昇したのは航空宇宙・防衛セクターのボーイング。ボーイングは、19日、ストライキを実施中の労働組合に対し4年間で35%の賃上げを含む新労働協約案を提示。労組側は23日に組合員の投票の予定。可決されれば1カ月以上にわたって実施されたストライキが終了するため、週末にかけて社債価格が上昇。米国籍の投機級事業債で、最も上昇したのはスーパーマーケット&薬局セクターのウォルグリーン・ブーツ・アライアンス。
- 米国籍の投資適格債で最も下落したのが、投資適格債で最も下落したのが、管理医療セクターのセンティーン。米国の医療保険会社は、公的医療保険のメディケアとメディケイドからの支払い減少に直面。政府統計によるメディケアの平均支払い額が0.2%減少したとの統計情報が、主要医療保険会社の利益率圧迫懸念により、株式・社債の両時価の下落を誘引。
- 外国籍事業法人の投資適格債で、最も価格が上昇したのは林産物・紙製品製造セクターのスザノ・オーストリア。世界的なパルプ価格の上昇の中で、ESGとの兼ね合いでも負荷が限定されているブラジルのスザノ社の株価がFCF改善期待から上昇、同グループの米ドル建て資金調達に主に活用されている、子会社のスザノ・オーストリアの社債価格も上昇した。
- 投資適格の外国籍債で最も下落したのが、投資適格債で最も下落したのが、パイプラインセクターのエンブリッジ。北米(ヘンリーハブ)の天然ガス先物価格が、 10月18日には2.258(MMBtu)と過去5年で最低レベルまで急落、北米でパイプライン事業を営むカナダ企業エンブリッジでは、採掘地域の採算性の低さから輸送量の減少が懸念され、社債時価が下落した。
[米ドル建て債投資戦略のまとめ]
- 前週の米国債市場は、主要指標の合間ということで材料出尽くし感もあり、値動きに乏しかった。
- 投資適格社債も、同様に値動きが減る中、個別の材料を求め、相対価値に基づく取引が進んだ。
- 株価指数は最高値を更新も、不動産価格指数や、実物資産価格は下落。高止まりする金利のさらなる上値が重い中、株価の急落に備え、ディフェンシブなポジションを債券で構築する機会か。
ストラテジー
米国債全般
米ドル建て債券市場動向 週次:10月18日まで
本レポートでは、2024年10月11日から10月18日まで(ただし、起債額、及び取引額は10月14日~10月18日のデータを集計)の米国債券市場動向の状況を示すことを目的とする。
〇 米ドル建て債券起債動向 p.1
- ここでは、2024年10月14日から10月18日までの起債市場動向を確認する。起債額の特に大きかった銘柄は国際機関(Supra)セクターの国際復興開発銀行の51億ドルの起債。
〇 米ドル建て社債取引動向 p.2
- 前週の取引額が多かった社債を、金融機関債と、事業会社(投資適格、投機級)に分け、それぞれ示した。
- 最も債券の取引額が多かった金融機関債はJPモルガンチェース債、次いでゴールドマン・サックス・グループ債だった。事業会社のうち、投資適格債券で取引額が最も多かったのはボーイング債。
〇 米ドル建て債券価格動向 p.4
- ここでは、前週の利回り・スプレッドの時系列推移、セグメント別に比較した個別社債相場の動向を確認する。主要なマクロ統計の公表タイミングとずれたこともあり、週次での金利の動きは鎮静化。全年限で金利は横ばい。
- 米国籍事業法人の投資適格債で最も上昇したのは航空宇宙・防衛セクターのボーイング債。投機級債で、最も上昇したのはスーパーマーケット&薬局セクターのウォルグリーン・ブーツ・アライアンスだった。
- 外国籍事業法人の投資適格債で最も上昇したのは、林産物・紙製品製造セクターのスザノ・オーストリア。投機級債では化学工業セクターのUPLだった。
個別発行体評価
バークレイズ(Barclays PLC)概要と投資評価ポイント
バークレイズへの債券投資を検討するにあたって、8月1日に公表されたFY2024Q2までの決算を参照して,企業の概要から投資評価ポイントについて簡潔に解説します。
[バークレイズの概要]
- バークレイズは、イギリス国内でHSBCに次ぐ資産規模を持つ銀行であり、G-SIBs(グローバルなシステム上重要な金融機関)にも指定。
[バークレイズの信用リスク評価の着目点]
(1). 収益力評価 - 評価軸 #1
収益力から見た場合、シニア債券の投資評価上はポジティブと評価。
(2). 経営環境の変化への耐性- 評価軸 #2
経営環境の変化耐性には、重大な懸念点は無いものの、必ずしも他行より頑健ではなく。G-SIBsの中位程度。シニア債券の投資評価上はポジティブに評価。
(3). 資金流動性とRWA当たりの収益性 - 評価軸 #3
RWAあたりの収益性が相対的に高く、短期の資金流出による悪影響が生じにくい資金調達構造を維持。シニア債券の投資評価上はポジティブと評価。
(4). 規制資本から見た安定性 - 評価軸 #4
劣後債投資に重要な、CET1資本に生じうる劣化がG-SIBsの中でも中程度(ただし平均を下回る)。AT1債の潜在的なコールスキップ・リスクはG-SIBsの中で相対的に高い。
[英国に特有の金融規制など]
- 英国では独自のリングフェンス規制を導入済。銀行持株会社の潜在リスクは、理論上、他地域に比べ相対的に高くなりやすい。AT1債のベイルインのトリガー条件も他地域(スイス以外)の銀行より高く、ベイルインが生じる潜在リスクがより大きい。ストレステスト結果の前提に「戦略的マネジメント施策」としてAT1債の損失吸収が含まれる可能性も。
[バークレイズの債券への投資評価]
- AT1債の投資評価;現時点ではベイルインリスクは抑制的だが、マクロ経済にストレスが生ずるとAT1債には配当停止やコール・スキップが生ずる可能性は他のG-SIBsに比べ相対的に高く非推奨。
- TLAC債(無担保シニア債)は良好な投資機会を提供。仕組み債の発行体としても同様の効用が存在。
アナリスト
銀行
バークレイズの概要と投資評価ポイント
本レポートでは、バークレイズ(Barclays)の発行する有価証券(社債、株式)に対する投資を検討するにあたり、8月1日に公表されたFY2024Q2までの決算を参照してバークレイズの経営状況を確認し、同社の概要と説明と同社に対するクレジット評価を行う。
◎バークレイズの概要
バークレイズは、イギリス国内でHSBCに次ぐ資産規模を持つ銀行であり、G-SIBs(グローバルなシステム上重要な金融機関)にも指定。
◎銀行の信用リスク評価の着目点
収益力評価 - 評価軸 #1
環境変化への耐性- 評価軸 #2
資金流動性とRWA当たりの収益性 - 評価軸 #3
規制資本から見た安定性 - 評価軸 #4
◎英国に特有の金融規制など
◎バークレイズの債券・株式等への投資評価
ストラテジー
米国債全般
米ドル建て債券市場動向 週次:10月11日まで
本レポートでは、2024年10月4日から10月11日までの米国債券市場動向の状況を示すことを目的とする。
〇 米ドル建て債券起債動向 p.1
- ここでは、2024年10月7日から10月11日までの起債市場動向を確認する。起債額の特に大きかった銘柄はシェル・ファイナンスUSインクの債。
〇 米ドル建て社債取引動向 p.2
- 前週の取引額が多かった社債を、金融機関債と、事業会社(投資適格、投機級)に分け、それぞれ示した。
- 最も債券の取引額が多かった金融機関債は前週に続きバンクオブアメリカ債、次いでJPモルガンチェース債だった。事業会社のうち、投資適格債券で取引額が最も多かったのはメキシコ石油公社(ぺメックス)。
〇 米ドル建て債券価格動向 p.4
- ここでは、前週の利回り・スプレッドの時系列推移、セグメント別に比較した個別社債相場の動向を確認する。米国CPIの下げ渋りや堅調な雇用指標からくる景気の安定化期待もあり、利下げへの慎重論が増加、米国債イールドカーブも全般的に上昇し、7月中旬の水準まで戻す展開になった。
- 米国籍事業法人の投資適格債で最も上昇したのは石油:総合セクタースーパーマーケット&薬局セクターのクローガー。投機級債で、最も上昇したのは消費者サービスセクターのジオ・グループ債だった。
債券市場アップデート
米ドル建て債券市場動向 2024年10月-第2週
本動画は、2024年10月4日から10月11日までの米国債券市場動向の状況を示すことを目的とする。
[全体動向]
- 米国CPIの下げ渋りや堅調な雇用指標からくる景気の安定化期待もあり、利下げへの慎重論が増加、米国債イールドカーブも全般的に上昇し、7月中旬の水準まで戻す展開に。
- 米ドル建て社債市場では、投資適格社債のスプレッドがおおむねタイト化した。一方で、投機級社債のスプレッドは拡大しており、信用リスクによる選別が広がった形となった。
[米ドル建て債券起債動向]
- ここでは、2024年10月7日から10月11日までの起債市場動向を確認する。
- 新たに観測された起債額の特に大きかった銘柄はシェル・ファイナンスUSインクの債。シェルでは、グループ内の債務を事業地域に合わせ再編するためにシェル・インターナショナル・ファイナンスの既存債券をシェル・ファイナンスUSインクの債券と交換するエクスチェンジ・オファーを実施、10月8日に新会社から巨額(計8本、114.6億ドル)の社債が発行された。
- 次に起債額が多かったのは、定期的な社債発行体であるトヨタ モーター クレジットの社債(計3本、30億ドル)。同社は、計30億ドルの巨額起債を実施。トヨタの7?9月期の米国新車販売は前期比-8%減の54.3万台。HV車等の販売は同+39%増の25.6万台に伸長した一方、複数車種でのリコールと生産停止が一時的な売上減少要因となった。同要因解消後の販売金融は回復の見込みであり、トヨタ モーター クレジットの資金調達は順当と評価。
[米ドル建て社債取引動向]
- 前週の取引額が多かった社債を、金融機関債と、事業会社(投資適格、投機級)に分け、それぞれ示した。
- 債券の取引額が多かった金融機関債は、前週に続き大手米銀6行の債券。これに加え、新たに取引金額が増えていたのは、RBC(ロイヤルバンクオブカナダ)債。同銀行では、10/18のドル建て債、10/17のカナダドル建て債の起債がそれぞれ決まっており、また発行条件がそれぞれ10/8、10/9に決まる中で、入れ替えに伴う取引が大幅に増加した。さらに、カナダ国債の10y-2yの利回り格差は長らくマイナスであったが、長期金利の急騰により同年限間のフォワードレートがプラスに転じたことも、銀行経営上にプラスの評価となった。
- 事業会社のうち、投資適格の事業会社社債のうち上位4社(ボーイング、PEMEX、CVSヘルス、オラクル)は前週と同様に盛んな取引対象となっていた。加えてゼネラルモーターズ債の取引額が増えていた。投機級では、10/22の新発起債や日本製鉄によるUSスチール買収に絡んだ思惑などから、クリーブランド・クリフス社債の取引が増加した。
[米ドル建て債券価格動向]
- ここでは、前週の利回り・スプレッドの時系列推移、セグメント別に比較した個別社債相場の動向を確認する。
- 米国籍の事業法人の投資適格債で、最も上昇したのは投資適格の米国籍事業債で、最も上昇したのはスーパーマーケット&薬局セクターのクローガー。米食品スーパー2位のクローガーが同4位のアルバートソンズの買収条件をおおむね決定したことを受け社債価格も上昇(正式発表は14日)。実現すれば、首位のウォルマートの店舗数に迫る大型買収だが、まだ規制当局の承認は得られていない。
- 米国籍の投資適格債で最も下落したのが、航空宇宙・防衛セクターのボーイング。ボーイングでは、ストライキの影響を受け、11日に資金繰りの改善に向けた諸施策を発表。 全世界の従業員を1割削減、中型貨物機「767F」の生産中止、開発中の新大型機「777X」の初号機納入も1年遅れの2026年に。これを受け社債価格も下落。
- 外国籍の投資適格債では最も価格が上昇したのは総合石油セクターのトタルエネルジー・キャピタル・インターナショナル。次いで上昇したのは、欧州製鉄企業のアルセロール・ミタル債。日本製鉄が、11日、「米USスチール買収が実現した場合にアルセロール・ミタルとの米国での合弁を解消、合弁会社のAM/NSカルバート株式持分を約9億ドルの債権放棄後に1ドルでミタルに譲渡することで合意」と発表。市場ではミタル債が好感され購入対象に。
- 投機級債で、最も上昇したのは探査・生産セクターのLeviathan Bond Ltd。
- 投資適格の外国籍債で最も下落したのが、石油:総合セクターのメキシコ石油公社(ペメックス)。過去3週にわたり上昇を続けてきたペメックス債だが、10/8にFitchレーティングスが、公式な格上げシナリオの前提条件を公表したことを受け、当面の材料が尽きたこともあり、大きく反落した。また、投機級の外国籍債で、最も下落したのは総合石油セクターのエコペトロル。
- 金融機関の投資適格債で、最も上昇したのは金融機関の投資適格債で、最も上昇したのはBlackstone Private Credit Fund。
- 一方、最も下落したのが、ウエストパック銀行。2024年7~9月のオーストラリアの住宅価値の上昇率が前期比+1.0%上昇に留まるなど住宅需要の低下を受け、住宅向け与信が多いウェストパック銀やナショナルオーストラリア銀等の豪銀の社債価格が下落。
[米ドル建て債投資戦略のまとめ]
- 米国債のイールドカーブは反転したが、金融当局の関心がインフレ抑制から経済・雇用対策に移った現状が変化したわけではない。
- マクロ的な指標からみれば、9月のFOMC前後は実態を超えた過度な金利低下のオーバーシュートが、その後の雇用指標を受けた後には過度な金利上昇のアンダーシュートが発生している。
- 投資家は、短期の相場変動に過剰に反応することなく、市場の真のトレンドに沿った投資評価を行うことで、利回りを確定させる投資機会を得やすい市場環境。
個別発行体評価
ソシエテ・ジェネラルの概要と投資評価ポイント
ソシエテ・ジェネラルへの債券投資を検討するにあたって、企業の概要から投資評価ポイントについて簡潔に解説する。
[概要]
- ソシエテ・ジェネラルは、フランスでBNPパリバ、クレディアグリコルに次ぐ規模で、全世界に11万人以上の従業員を持ち、顧客数は2,500万人に上る巨大金融機関。
- また、同社はG-SIBs(グローバルなシステム上重要な金融機関)にも指定。
[同行の事業構造]
- 同社の事業構成は大きく3つに区分(国内リテール銀行等/国際銀行・投資銀行等/海外リテール銀行等)。
- 足元では、国内外のリテール銀行は、いずれも減益トレンドを継続。投資銀行は増益のタイミングもあったがもともと不安定で持続性はない。
- 銀行事業に関しても、リテール向け融資に傾斜していることから、金利や失業率といったマクロ経済への影響度が高く、リスク分散の観点で、他の欧州主要行よりも安定性で劣る。
[同社の収益力評価]
- ソシエテ・ジェネラルの収益規模は大きな変動はない一方で、減益傾向が継続しており、収益性は悪化していると評価。
[同社の環境変化耐性]
- ソシエテジェネラルは費用水準が上昇傾向にあり、他行と比較し市場環境の変化に脆弱であると評価。
[同社の健全性評価]
- ソシエテ・ジェネラルは現時点の健全性指標に重大な問題点は見受けられず、現状ではG-SIBs内でも中程度の健全性であると評価。
- ただし、マクロストレステストではより大きな資本毀損が生じやすく、ストレス状況下では同行が発行する劣後債の時価に大規模な下方修正が生じる可能性も。
[同社のクレジット投資評価]
- 同行に対する投資で個人投資家などに最も効用が高いのは、シニア債とデフォルトのトリガー条件(実質破綻認定)が一致する、Tier2債(期限付劣後債)。ただし流動性面で投資機会が得られない場合には、無担保優先シニア債(TLAC債)にも投資の効用が存在。
投資戦略動画
個人投資家の資産運用の方法:金融資産(株式・債券)、投資信託の選別法
本動画では、現在の市場環境を反映した資産投資の考え方についてご説明します。
1.経済環境の構造的な変化と資金需給の影響
コロナ後の相場形成;資金需給が押し上げたバブル的相場からの脱却
金融政策に起因した相場への影響(資金需給)は継続も、正常化によりファンダメンタル相場へ
2.市場特性の変化と「ポートフォリオ運用」の有効性
富裕層の場合、まだしばらくはポートフォリオ運用に適さない市場環境が継続する可能性
3. 日本株式/米国株式相場の市場傾向と投資戦略
リスク資産の変動と下落はまだ続く可能性。積立投資などには向くが、一括の投資資金は相場が調整を終えるまで現金性の高い資産に振り替え。国内バリュー株投資は効率的な可能性
4.日米イールドカーブ見通しと債券投資戦略
米ドル建て債券で、インカムゲインと金利低下に伴うキャピタルゲインを狙うことにより円高リスクをオフセット
5.人生設計と金融資産運用
個人投資家にとっての金融資産運用の効用は、運用パフォーマンスではない
高齢に近づくほど、利息で稼ぐ、より安定的な金融資産を積み上げることで、人生を下支えする生活インフラを構築することが重要
債券市場アップデート
米ドル建て債券市場動向 2024年10月-第1週
本動画は、2024年9月27日から10月4日までの米国債券市場動向の状況を示すことを目的とする。
[全体動向]
- 強い米国労働指標を受け、利下げペースへの期待が後退。前年限で米国債金利が上昇。ただし、6月までの労働統計上の失業者数の増加自体が、雇用者の減少ではなく移民などの流入に起因、今回はこれらが就業した結果を反映。
- 前々週に引き続き、社債は動意が薄く、スプレッドはほとんど変化しなかった。国債金利の急激な動きに社債市場がついてこれていない状況。
[米ドル建て債券起債動向]
- ここでは、2024年9月27日から10月4日までの起債市場動向を確認する。
- 新たに観測された起債額の特に大きかった銘柄は10月2日に発行した半導体セクターの「ブロードコム」の50億ドルの起債。債券の本数は4本、年限は3~10年、優先債調達。ブロードコムはストレージやネットワークの制御プロセッサー等を製造する半導体メーカー。長い年限の起債が難しい業態で、既存債務の借り換えが目的。(2025年に10億ドル以上、2027年に40億ドル以上が償還。)
- 次に大きい新規案件は、10月4日に発行したソフトウエア&サービスセクターの「Accenture Capital Inc」の50億ドルの起債。債券の本数は4本、年限は3~10年、優先債調達。アクセンチュアは機械学習に特に重点を置いたデジタル、クラウド、セキュリティ機能を構築する上で活発なM&Aパイプラインを維持しており、継続的な買収資金の調達が必要。買収は人材強化に効果的と説明。
[米ドル建て社債取引動向]
- 前週の取引額が多かった社債を、金融機関債と、事業会社(投資適格、投機級)に分け、それぞれ示した。
- 債券の取引額が多かった金融機関債は、前週に続き大手米銀6行の債券。金融相場が大きく動く中、過去にも影響を受けた資産運用事業の構成比が大きいモルガンスタンレー社債の取引が増加した。
- 事業会社のうち、投資適格債券では「メキシコ石油公社(ぺメックス)」が最も多く、「CVSヘルス」、「オラクル」がそれに続く。投資適格債では、前々週に引き続きぺメックスは格上げ期待からの取引が継続、また同様に新発債が出た直後のオラクル、ヒューレットパッカード社債も頻繁な取引の対象となった。
[米ドル建て債券価格動向]
- ここでは、前週の利回り・スプレッドの時系列推移、セグメント別に比較した個別社債相場の動向を確認する。とはいえ、価格変動のほとんどはベースとなる米国債金利に連動、スプレッドの変化は限定的。一部銘柄で限定的な物色が行われた形。
- 米国籍の事業法人の投資適格債で、最も上昇したのは石油:総合セクターのシェル・インターナショナル・ファイナンス。シェルは、グループ内の債務を米国事業と整合させるために既存のシェル・インターナショナル・ファイナンスB.V.発行の旧債券をシェル・ファイナンスUSインクの債券と交換するエクスチェンジ・オファーを実施していた。10月4日に最終結果が公表された。
- 米国籍の投資適格債で、最も債券価格が下落したのは、管理医療セクターのヒューマナ。ヒューマナは、米国で医療保険などを手掛ける管理医療会社。メディケア(高齢者向け公的医療保険)は、ヒューマナの主要な健康保険プランを格下げする方針で、来年以降同プランでは政府から支払われる追加収入が制限される見込み。
- 外国籍の投資適格債ではぺメックス債が上昇。また外国籍の投資適格債で最も下落したのは、、公益事業セクターのステート・グリッド・オーバーシーズInv2016だった。中国の経済停滞状況を受け、中国関連の社債が軒並み下落。中国国家電網(State Grid Overseas)や寧徳時代新能源科技の子会社(Contemporary Ruiding Development Ltd.)等の社債が値を下げた。
- 金融機関の投資適格債で、最も上昇したのは三井住友フィナンシャルグループ、イギリスのナットウェストが続いた。米国金利が激しく変動する中、個別銘柄の物色が継続。英国での利下げの中で、英銀の中でも相対的に金利変動に対して堅固なビジネスモデルを持つナットウエストの社債価格が選別的に買われた形。
[米ドル建て債投資戦略のまとめ]
- 米国国債カーブの変動が大きくなっている中、本質を見失わない投資スタンスが重要。
- マクロ指標は早急な景気対策を要するほど深刻な状況にはない。同時にインフレは抑制されており、穏やかな利下げペースに変更は生じにくい。
- 9月のFOMC時に、そもそもパウエル議長は「今回の▲0.5%のようなペースで利下げが進むと考えるべきではない」と言及。
- 過剰な期待や反動に振り回さわれる市場だが、本質を見誤らなければ、むしろ良好な投資機会を提供。
個別発行体評価
ブリストル・マイヤーズ・スクイブ(MDY:A2、S&P:A)事業概要と同社のクレジット投資評価
本動画では、ブリストル・マイヤーズ・スクイブ(Bristol-Myers Squibb Co.)(以下「BMS」と表記)の経営状況や主要商品市場の現状を確認し、同社に対するクレジット評価を行う。
[BMSの事業概要]
- BMSのFY2023の売上は3割前後をがん腫瘍、免疫疾患、心臓病がそれぞれ占める構成。精神神経疾患(中核神経)領域における収益力強化に注力。
- 主力商品(ブロックバスター)5つの売上高合計が総売上高の75%以上を占めており、売上上位製品への依存度が高い構造となっている。
これらの商品は、いずれも2024~2030までの間に特許期限が切れる。
- ブロックバスターの収益機会喪失に対応するため、フェーズIIIまでの創薬ポートフォリオを充実化。FY2024Q1にも大型M&Aが3件を完了。
うち、2件はがん腫瘍疾患領域、残りの1件は精神神経疾患領域におけるシェア拡大が目的。
- 主力商品が、インフレ対策法の薬価交渉制度の対象となるなど、さらなる減収要因も。
[BMSの業績/財務状況]
- 直近四半期(FQ2 2024)における売上高は前年度同期より+8%ほどの増収で12,201(百万米ドル)。
Q2の営業利益は、前年度同期より▲10%ほどの減益で、1,559(百万米ドル)となった。なお、Q1の営業損益は大幅な赤字(3件の大型買収に起因)。
- 自己資本比率は大型M&Aの実施に伴い、FQ1 2024に▲14.3ポイントほどの大幅な下落がみられ16.7%まで悪化したが、FQ2 2024には18.0%へやや改善。
- 返済能力の指標である「ネット有利子負債/EBITDA倍率」はFQ1 2024にマイナスに転じたのち、直近四半期では2.87倍となった。
- M&Aによって得られた創薬パイプラインの収益化が進めば、有利子負債の圧縮が継続的に行いやすくなり、これらの指標も改善される可能性。
投資戦略動画
金融政策とイールドカーブ
米国債への投資を行う上で、金融政策は投資パフォーマンスに非常に大きな影響を与える要素。
ただし、平常時と非常時で異なる金融政策の影響を正しく認識しておくことは非常に重要。
- 2024年9月のFOMCにおける0.5%の利下げは、「非常時の金融政策」の終焉を表している。今後の相場は「平常時の金融政策」を反映するものとして、米国債への投資戦略を考えることが必要。
- 「平常時」には、主に政策金利の修正により金融政策を実施。超長期の金利は景気サイクルなどを乗り越えた平均的な金利水準(リスク・プレミアム込み)に収束しやすい。この結果、i)長期金利は短期金利より高くなりやすく、ii)長期金利の変動は短期金利の変動より小さくなる傾向。
- 「非常時」には、「量的緩和/量的引き締め」など市場で流通する資金量を直接増減する金融政策が大規模に行われる。こうした市場環境下では、超長期の金利水準も他の金融政策委合わせて大きく増減しやすい。2020年から2024年の相場は、この非常時の金融政策により、巨額のマネーが市場で流通し(2020-2022)、この結果としてインフレも増大したため逆にマネーの流通量を抑える政策が取られ(2023-2024)、イールドカーブが全体として増減した。
- 債券市場(特に長期・超長期)は既に、「平常時の金融政策」への移行を織り込んでおり、FOMCでの政策金利の利下げには反応しにくい。
- ここからのタイミングで、政策金利の低下への連動で超長期のストリップス債のようなキャピタルゲイン狙いの債券投資を行っても効果的なパフォーマンスは得にくい。
債券市場の正常化に伴い、直利重視で長期保有によるインカム原因狙いの「債券投資の王道」に立ち返るべきタイミングだと言える。
アナリスト
テクノロジー
オラクルの事業概要と同社のクレジット投資評価
本レポートでは、Oracle.Corp(以下、オラクル)のFY2024Q1までの四半期決算をもとに、同社に対するクレジット評価を行う。
◎オラクルの事業概要とクラウドサービス市場の構造
◎オラクルの業績・財務状況
◎オラクルの財務状況
◎オラクルの信用格付、及び社債、株式の投資評価
個別発行体評価
オラクルの概要と投資評価ポイント
本動画では、Oracle.corp(オラクル)のFY2025 Q1(2024/8月期)までの決算をもとに、オラクルの経営状況や主要商品市場の現状を確認し、同社に対するクレジット評価を行う。
[オラクルの事業概要]
- オラクルは、データベースを中核に統合的なソフトウェア・サービスを提供。主に4事業分野からなる。
- 総売上高の7割強をコア事業であるクラウドサービス&ライセンスサポートが占めている。同事業は、オラクルの成長ドライバーである (年10%程度の成長を継続)。
半面で、他の3事業の売上高は、漸減傾向にある。
[クラウドサービス市場の構造]
- クラウドサービスは、大きく(i)SaaS(最も高付加価値で市場規模も大きい;アプリを含む)、(ii) PaaS(中位;プラットフォーム提供)、(iii) IaaS(最も基本的;インフラのみ)の3種に大別できる。
- 世界のクラウドサービス市場は急成長を継続している。最も高付加価値分野のSaaS-アプリが最も高い売上高を誇り、オラクルも同セグメントの売上高が最も高く市場シェア4位に位置する。
- SaaSは、各社が異なる付加価値で差別化を図っており、中長期での独自の強みを維持しやすい。IaaSのような低付加価値サービスは、スケールメリットによる価格競争力以外での差別化が相対的に困難。
[オラクルの業績・財務状況]
- 直近四半期(FY2025Q1)における売上高は、最も売上高構成比の高いクラウドサービス&ライセンスサポートへの新規顧客の流入によって、売上高が増大、前年比+6%強の増収。
- 営業利益・純利益の増益率は、+17.3%・+23.1%、また直近のQ1においてもそれぞれ +21.1%・+21.0%と十分な増益率を示していた。
- オラクルでは現在、事業の再編と効率化(売上原価率の改善)を図る2024年リストラクチャリング・プランを進行中。増収・増益によって十分な利益水準が保たれている状態での事業再編のため、特段に不安視する必要はない。
[オラクルの財務状況]
- FY2023のサーナー買収の影響で大幅に負債が増え、債務超過に陥っていたが、FY2023Q3に有利子負債圧縮を行い、債務超過を解消。Q1には7.8%まで急回復。
- 負債返済能力も同時に高めており、ネット有利子負債/EBITDA倍率が3.45倍まで低下(改善)した。
- 直近3四半期で営業CFの増加を裏付けとして投資規模を維持しつつも高水準のフリーCFを確保、同時に財務CFにおける返済超過が継続されている傾向から、オラクルの債務返済能力は向上、財務健全性も高まっている。
[オラクルの信用格付、及び社債、株式の投資評価]
- Moody’sからはBaa2格、S&PからはBBB格、FitchからもBBB格とされている。
- 高い売上高、CFの改善、業界の成長性を鑑みて、今後2-5年以内に格付けにポジティブな影響が顕在化する可能性も。
- グローバルなブロック経済化が進む中で、米国内の情報保全の重要性も高まっており、オラクルの米国市場における競争力は維持されやすいと考えられる。
- 利回りとスプレッドの期間構造から、2040年頃の満期(残存13~17年)のオラクル社債が、相対的に良好な投資機会を提供。
ストラテジー
米国債全般
米ドル建て債券市場動向 週次:9月27日まで
本レポートでは、2024年9月20日から9月27日までの米国債券市場動向の状況を示すことを目的とする。
〇 米ドル建て債券起債動向 p.1
- ここでは、2024年9月20日から9月27日までの起債市場動向を確認する。起債額の特に大きかった銘柄はハードウエアセクターの「ヒューレット・パッカード・エンタープライズ」の90億ドルの起債。
〇 米ドル建て社債取引動向 p.2
- 最も債券の取引額が多かった金融機関債はバンクオブアメリカ債。債券の取引額が多かった金融機関債は、ほぼ大手米銀6行が占めた形。
- 事業会社のうち、投資適格債券では「オラクル」が最も多く、「ボーイング」、「ヒューレットパッカードエンタープライズ」がそれに続く形となった。一方、投機級債券では「ベンチャー・グローバルLNG」の取引額が多かった。
〇 米ドル建て債券価格動向 p.4
- ここでは、前週の利回り・スプレッドの時系列推移、セグメント別に比較した個別社債相場の動向を確認する。利下げを受け、2-3年の国債金利が低下。FOMC以降の金利変動はわずかに留まった。米国市場の社債利回りは、前々週にはイールドハンティングによりスプレッドが低下したが、先週は市場最低水準に近づいたスプレッドが、ほとんど動かなかった。
- 米国籍事業法人の投資適格債で最も上昇したのが、半導体セクターのマイクロン・テクノロジー。投機級債ではケーブルテレビ・衛星放送セクターのディッシュDBS。
ストラテジー
米国債全般
米ドル建て債券市場動向と着目点 – 2024年8月末から9月末まで –
本レポートでは、2024年8月末から9月末までの相場動向と、米国債券市場の新発債・流通市場の取引額等の傾向を確認した。なお、弊社の金利・為替の予想値を本レポートのp.21-22に示した。
〇 債券指数レベルで見た相場動向と着目点 p.1
- 2024年9月17日~18日のFOMCにおいて0.5%の利下げが行われ、政策金利(FF金利)の目標レンジは4.75〜5.00%に引き下げ。
〇 個別債券レベルで見た相場動向 p.6
- 9月には米ドル建て個別社債(事業法人債など)の市場価格は上昇、利回りは、全面的に低下。全般的にスプレッドがタイト化。特に米国籍企業の投機級債では、さらにタイト化が進む(投機級の事業会社と金融機関だけは例外的にワイド化)。
〇 米国社債の流通市場における取引動向(TRACE) p.13
- 投資適格の事業法人債で、多額の取引を観測したのは、ウーバー・テクノロジーズ、ヒューレット・パッカード等大型起債銘柄の即時売却取引、特に新発債の即時売却に伴う商いが多かった。
- この他、価格上昇を伴い頻繁な商いの対象になったのはボーイング、メキシコ石油公社(ペメックス)など。
〇 米ドル建て債券の起債市場の動向 p.17
〇 弊社の米国債券市場相場想定(予想、2024/10/1時点)p.21
個別発行体評価
バイオジェン(MDY:Baa2、S&P:BBB+) 事業概要と同社のクレジット投資評価
- バイオジェンはアメリカの医薬品メーカー。FY2023年の総売上は98.3億米ドルで、製薬会社別売上高で売上高20位内には位置していない、独自の専門性を有するバイオ薬メーカー。
- FY2023の総売上の5割弱を「多発性硬化症(中核神経疾病)」の治療薬が占める一方、各2割弱を希少疾患が占める事業構成。
- 主力製品のうち、TysabriやSPINRAZA等の売上高上位の医薬品については、特許権失効は2034-2035年と、まだ十分な時間が残されている。一方で、Tecfideraは特許切れが迫っており、2025年にはヨーロッパでの独占的販売権を失う予定。既にバイオシミラーによる市場シェアの浸食を受けており、今後も引き続き減収が見込まれる。
- バイオジェンの創薬パイプラインの総保有件数は21件と、より上位に位置する製薬企業と比較して案件の保有件数は少ない。ただし、創薬パイプラインの数は、おおむね製薬会社の売上規模に比例することを考えれば、バイオジェンのパイプラインは、必ずしも不充分なものではないと弊社では判断している。
- 過去2年間でも二件のM&Aが完了。従来から同社が得意とする中枢神経領域の地盤を固める一方でより競合製品の少ないニッチな医薬品をM&Aにより早期拡大するという、同社の経営戦略を反映。
- インフレ対策法の下での薬価交渉制度には、バイオジェンの製品は指定されにくく、同種のリスクは他社より小さい。
- バイオジェンは中核神経領域において最も高い占有率を維持。ただし、主要製品である3製品のFY2023における合計占有率は未だ40%程度を維持するも、過去5年間ではTecfideraの著しい減収により領域内シェアが大きく落ち込む(70%強→ 40%強)。
- 財務構造は、他の製薬会社に比べても頑健。
- 2024年は減収が継続の見込み。ただし、営業利益率はM&A実施直後と比べ大幅に回復。
- バイオジェンの5年債などには充分な投資の効用が存在。20年超の債券も2~3年の保有後に入れ替えを考える場合には効用がある。反面、満期保有を前提とした場合には、超長期にわたり差別化されたビジネスモデルを維持できるかどうかは、不安定性が存在、他銘柄に劣る可能性。
債券市場アップデート
米ドル建て債券市場動向 2024年9月-第5週
本動画は、2024年9月20日から9月27日までの米国債券市場動向の状況を示すことを目的とする。
[全体動向]
- FOMCで利下げが確定した後、これまで期待が先行していた長期・超長期債はスティープ化(長短金利差が増す)する一方で、利回り水準は低下しにくい状況。
- 長期・超長期の利回りにフォーカスした長期保有投資による利回りベースでの投資が引き続き有効であることが確認された。一方で、短期の価格変動にベットしたストリップス債投資等の有効性は低下。
[米ドル建て債券起債動向]
- ここでは、2024年9月20日から9月27日までの起債市場動向を確認する。
- 起債額の特に大きかった銘柄はヒューレット・パッカード。AI革命に伴う成長を目指したジュニパーネットワークスの買収資金として前々週の強制転換優先株発行に続いて、前週にはシニア債の巨額起債を実施した。
- オラクルも、大型起債を実施。同社は2022年に実施した医療用デジタル情報システムのプロバイダであるCerner買収後、財務レバレッジが悪化していた。今回の起債は負債の借換えと一般的な資金需要が背景。
[米ドル建て社債取引動向]
- 前週の取引額が多かった社債を、金融機関債と、事業会社(投資適格、投機級)に分け、それぞれ示した。
- 債券の取引額が多かった金融機関債は、前週に続きバンクオブアメリカ債、次いでシティ・グループ債だった。債券の取引額が多かった金融機関債は、ほぼ大手米銀6行が占めた形。むしろ前週までのようにトピック的な理由でのその他銘柄の取引が含まれなかったことで平常時に戻った形。
- 事業会社のうち、事業会社のうち、投資適格債券では「オラクル」が最も多く、「ボーイング」、「ヒューレットパッカードエンタープライズ」がそれに続く。投資適格債では、大型起債を行ったオラクル、ヒューレットパッカードの社債が入れ替えニーズを背景に積極的な取引対象に。特にHP債の取引は9月28日に集中。
[米ドル建て債券価格動向]
- ここでは、前週の利回り・スプレッドの時系列推移、セグメント別に比較した個別社債相場の動向を確認する。利下げを受け、2-3年の国債金利が低下。FOMC以降の金利変動はわずかに留まった。米国市場の社債利回りは、前々週にはイールドハンティングによりスプレッドが低下したが、先週は市場最低水準に近づいたスプレッドが、ほとんど動かない展開に。
- 9月25日に2024/8月期決算を公表したマイクロン・テクノロジーが、8四半期で最高の売上高・営業利益を示したことを好感され、社債価格が上昇。人工知能向けに急拡大している広帯域メモリー(HBM) の需要増が影響。
- 投機級債で、最も上昇したのはケーブルテレビ・衛星放送セクターのディッシュDBS。
- 外国籍債ではぺメックス債が上昇の背景、には、JPモルガンのアナリストが流した「Fitchによる同社の区分が、採掘会社から公共企業に変更になれば、格上げ対象になりうる」との見解が影響。ロンドンで開催されたFitchのカンファレンスでの議論を受けたもの。また、投機級債で、最も上昇したのは林産物・紙製品製造セクターのマーサー・インターナショナル。
投資戦略動画
各国中銀の政策決定会合を受けた、為替見通しと外貨建て債券投資の考え方
本動画では、各国中銀の政策決定会合を受けた為替・金利見通しと外貨建て債券投資の考え方を解説した。
2024年10月以降の投資において最も大切なことは、金融相場からファンダメンタル相場への「パラダイム・シフト状況の理解」となる。
過去5年間に生じた特殊な相場環境(資金余剰によるバブル的相場)はおおむね終焉し、2019年以前の相場特性への回帰が今後は進みやすい、ただし、まだ転換の端緒である点にも注意。
[中央銀行の金融政策による影響とその変化]
- 金融政策における危機対応の終わりと平時の政策への移行(2019→2024)の状況を確認
[米国経済の状況]
- 最新の経済データを確認。マクロ的には利下げで景気対策を急がざるを得ない材料は、観測されていない。
[FRBのスタンスと債券相場の考え方]
- インフレから経済・雇用の重視にシフトしたとのFRBの「意思表明」の一環が予想にも反映か?
- FEDの最新経済予想は、上記の意思表明との整合性をとるため、下記の予想修正を含む。
PCE(総合)が2024年通年実績で+2.3%まで低下。年末の失業率は4.4%に反転上昇。
- 非常時の金融政策から、平時の金融政策への移行が行われると、イールドカーブの特性も変化する。
- この結果、債券投資における投資戦略基本スタンスも変化させる必要が生じている。イールドカーブの上昇/下落に着目したキャピタルゲイン狙いの債券投資戦略(投資年限長期化)から、長期保有を前提として、確実な利益を得るインカムゲイン狙いの投資戦略(直利重視の投資)が重要となる。
[日銀のスタンスと国内の経済状況]
- 日銀の想定;- 海外経済は緩やかな成長を継続、国内では緩和的な金融環境を背景に所得から支出への前向きの循環メカニズムが徐々に強まり潜在成長率を上回る成長を継続。
賃金は上昇、所得環境は改善することから、経済成長が想定通りなら利上げを継続。
- 日銀の意識するリスク要因;海外経済の変調で成長シナリオは下方に修正しうる(要検証)。国内の総需要(特に消費と設備投資)についても要経過観測。
- 当面の利上げペース;全体的に「検証を要する」とのコメントが多く、すぐには利上げを継続実施しにくい印象。
[相場見通しと投資戦略]
現状認識は下記;
- 今後の相場急変のトリガー;(i)米国の行き過ぎた株高の調整、(ii) FRBによる利下げのハイペースでの継続、(iii)大統領選の結果
- 企業の倒産、個人の破産、資産の投げ売りによるデフレなどが観測されない限り、急激な利下げ(金融緩和への再転換)を急ぐ必要性は後退した状況。
債券投資戦略のポイント;
- 米ドル建て債券で、インカムゲインを主眼に直利の高い債券でポジションを構築。
金利低下と円高進行の場合に、キャピタルゲインでリスクの中立化を図るため、デュレーションの長めの債券に着目。
デュレーションの長い(20年程度)米国国債(ストリップス債より直利の高い債券)、10年程度の米国投資適格社債、米ドル建てのTLAC債、邦銀の銀行劣後債等に投資機会
ハイイールド債やファンドなどは、劣化の可能性がありポジションを抑制
個別発行体評価
アムジェン(MDY:Baa1、S&P:BBB+、Fitch:BBB) 事業概要と同社のクレジット投資評価
- アムジェンはアメリカのバイオ医薬品メーカー。FY2023年の総売上は約282億米ドルで、グローバル製薬会社の中で売上高では10位前後。
- FY2023の総売上は、3割前後を「一般医薬品(主に骨粗鬆症,心臓病関連)」、「がん腫瘍」がそれぞれ占め、2.5割を「炎症」が占める事業構成。
- FQ2 2024 では前年度同期比で+20.1%の増収、売上高は8,388(百万米ドル)。M&Aで取得した医薬品が増収に大きく貢献。
- 主要医薬品の多くは2030年までに期限が切れる見込み → 一方で、創薬ポートフォリオの拡充目的で実施したM&Aにより創薬パイプラインにはフェーズⅢが多い。
過去2年間でも二件のM&Aが完了。高額な買収費用を拠出することによってパイプラインだけでなく、既に商品化された製品の取得にも積極的に取り組んでいる。
- インフレ対策法の下での薬価交渉制度には、アムジェンの製品からは免疫疾患領域を適応症とするEnbrelが指定されている。
- 同社のブロックバスターとその特許期限を意識すれば、今後も創薬ポートフォリオの安定化のためにM&Aは継続されやすいとみる。この結果、ただでさえ同業他社比で劣る財務比率はさらに低下する可能性がある。
- 脆弱な財務構造に対し、市場のスプレッドはタイトに評価。
- 単体でみた場合の投資に問題はないが、同業他社比でみれば割高なプライシングがされており、より効率的な製薬社債の投資機会が別に存在しうる、と評価している。
個別発行体評価
ギリアド・サイエンシズ(MDY:A3、S&P:BBB+) 事業概要と同社のクレジット投資評価
- ギリアドサイエンシズは、アメリカの製薬メーカー。FY2023年の総売上高は271億米ドルで、グローバル製薬会社の中では売上高で15位前後の規模。
- ギリアドは、HIV(AIDS)を含む感染症、がん腫瘍、肝臓病などの疾患領域に強み。特にHIV関連が総売上の7割弱を占めている(HIV薬は、大衆薬とは異なり中長期にわたり安定した収益構造を維持しやすい) 。同社製品で最も高い売上高を獲得したHIV対処薬のはBiktarvyで、FY2023総売上高の44%を占める。特許期限がFY2036まで有効であることから競合品の台頭による収益低下のリスクも小さい。
- ギリアドが提供するHIV対処薬は、治療薬ではない点に注目。HIVは発症時の致死率が高く、投薬が継続される可能性が高い。欧米で患者数が増え続ける中、持続的な売上が維持されやすい。
- ギリアドでは、肝疾患領域でのシェア拡大を目的として、シーマベイ社の買収を完了。Covid対処薬に代わる売上成長と事業分散の強化に向けた施策。
- 同社は薬価交渉制度による薬価引き下げのリスクは小さく、他の米系製薬メーカーと比べても、相対的に頑健なビジネスモデルが維持されやすいと考える。
- 同社では強力な資金創出能力により、M&Aに伴う財務の一時的な劣化をカバーし、健全性を維持している。また、同社は発行体としての相対的に高い信用力評価(MDY:A3、S&P:BBB+)を受けている。S&Pは、財務面では既にA-レベルにあり、収益強化で格上げ可能性とコメント。
- 同社の社債は、製薬業界の中でも独自の頑健なビジネスモデルを維持しやすく、20年超等の債券の長期安定保有にも向くと評価。
ストラテジー
米国債全般
米ドル建て債券市場動向 週次:9月20日まで
本レポートでは、2024年9月13日から9月20日までの米国債券市場動向の状況を示すことを目的とする。
〇 米ドル建て債券起債動向 p.1
- ここでは、2024年9月13日から9月20日までの起債市場動向を確認する。起債額の特に大きかった銘柄は総合銀行セクターの「シティグループ」、TLAC債で71億ドルの大型起債を実施。
〇 米ドル建て社債取引動向 p.2
- 最も債券の取引額が多かった金融機関債はシティグループ債。新発債の大型起債に合わせた、シティグループ債の入れ替えに伴う広範な取引が、前週に引き続き観測された。
- 事業会社のうち、投資適格債券では「ヒューレットパッカードエンタープライズ」が最も多く、「ボーイング」、「インテル」がそれに続く形となった。投機級債券では「ロイヤルカリビアンクルーズ」の取引額が多かった。
〇 米ドル建て債券価格動向 p.4
- ここでは、前週の利回り・スプレッドの時系列推移、セグメント別に比較した個別社債相場の動向を確認する。FOMCでの0.5%の利下げを受け短期金利(1~5年)は大きく低下したが、10年超の金利はわずかにしか反応せず、特に25年超の金利はほぼ変化なし。米国国債の利回りが下がりにくくなる一方、イールドハンティングの目的で社債は幅広く買われ、スプレッドは全般的に低下。特に低位ハイイールド債のタイト化が著しい状況。
債券市場アップデート
米ドル建て債券市場動向 2024年9月-第4週
2024年9月13日から9月20日までの週次の米国債券市場動向を確認し、起債市場、流通市場の取引金額、流通市場の価格変化について報告する。
(1)起債市場の傾向
- 起債額の特に大きかった銘柄は総合銀行セクターの「シティグループ」、TLAC債で71億ドルの大型起債を実施。
- 2番目は、医薬品セクターの「ノバルティス・キャピタル」。昨年のチヌーク・セラピューティクス買収以降、弱っていた財務の強化が図られることに。
- 3番目は、生活必需品小売セクターの「ブンゲ・リミテッド・ファイナンス」。
(2)流通市場における取引金額
- 2024年9月13日から9月20日までに取引額が多かった社債を、金融機関債と、事業会社(投資適格、投機級)に分け、それぞれ示した。
- 最も債券の取引額が多かった金融機関債はシティグループ債。新発債の大型起債に合わせた、シティグループ債の入れ替えに伴う広範な取引が、前週に引き続き観測された。
- 事業会社のうち、投資適格債券では「ヒューレットパッカードエンタープライズ」が最も多く、「ボーイング」、「インテル」がそれに続く形となった。一方、投機級債券では「ロイヤルカリビアンクルーズ」の取引額が多かった。
(3)流通市場における価格動向
- ここでは、前週の利回り・スプレッドの時系列推移、セグメント別に比較した個別社債相場の動向を確認する。
- FOMCでの0.5%の利下げを受け短期金利(1~5年)は大きく低下したが、10年超の金利はわずかにしか反応せず、特に25年超の金利はほぼ変化なし。
- 米国国債の利回りが下がりにくくなる一方、イールドハンティングの目的で社債は幅広く買われ、スプレッドは全般的に低下。特に低位ハイイールド債のタイト化が著しい状況。
- 米国籍事業法人の投資適格債で、最も上昇したのは旅客航空輸送業セクターのアメリカン航空2015-1クラスAパス・スルー債だった。前週まで下落を続けていたインテル債は、クアルコムによる救済的合併の可能性が報じられ、反転上昇した。また、投機級債で、最も上昇したのはケーブルテレビ・衛星放送セクターのディッシュDBS債だった。
- 外国籍事業法人の投資適格債で、最も上昇したのは石油:総合セクターのメキシコ石油公社(ペメックス)。一方で、最も下落したのは化学工業セクターのUPL。
- 金融機関の投資適格債では、最も上昇したのはサンタンデール・ホールディングスUSA債。一方、最も下落したのはJPモルガン・チェース・アンド・カンパニー債。
(4) まとめ
- FOMCで「利下げ」が確定した中、これまで期待が先行していた長期・超長期債はスティープ化(長短金利差が増す)する一方で、利回り水準は低下しにくい状況。
- 長期・超長期の利回りにフォーカスした長期保有投資による利回りベースでの投資が引き続き有効であることが確認された。一方で、短期の価格変動にベットしたストリップス債投資等の有効性は低下。
投資戦略動画
富裕層の運用戦略
本動画では、現在の市場環境でファンド・ラップのような資産分散型の投資が有効なのか、それとも資産クラスは集中投資にして個別証券の分散だけを行う方が効率的なのか、について考え方を整理する。
パンデミック対応で実施された巨額の量的緩和と金融正常化により、日米の株式・債券市場共に連動性が増しており、分散投資によるリスク抑制効果が得られにくい市場環境が続いている。
既に金融資産の蓄積がある富裕層の場合には、こうした特殊な市場特性が継続している中で金融正常化が最終段階を迎えている現段階で分散投資を行うと相場が悪化した場合に機会損失が発生しやすい。このため、富裕層の中でも安定志向が高い投資家の場合には特に、外国株式から外国債券への運用シフトによる集中投資が有効である可能性がある(債券ポートの中での分散投資は必須)。
一方、資産形成層の場合には、積み立て投資等において投資タイミングの分散化が自然に図られ、また運用期間も長期にわたることから、引き続き分散投資がきわめて重要な投資戦略となる。
投資家にとって、比較的短い期間に生ずる資金の引き出し(金融資産の現金化)可能性は、投資家のライフスタイルとも密接に関連しており、こうした観点で最適な投資方針を決める上でも最も重要な要素となる。
個別発行体評価
ペトロブラス(Petrobras)の概要と社債投資の評価ポイント
ペトロブラスは、世界でも有数の生産規模を誇る、ブラジルの総合エネルギー企業で、エネルギーの探査・採掘から石油製品の製造・流通までを一貫して行う。同社のクレジット評価上重要となるポイントは以下の通り。
◎ブラジルの年間原油生産量は世界で第8位、1日当たりの原油生産量は9位であるが、そのブラジルにおける石油・天然ガス生産量の約89%をペトロブラスが占める。当初は、ブラジル政府が独占的な国営石油企業として独自の根拠法に基づき設立したペトロブラスであるが、現在、法的には事業の独占規定は除外されている。それでも、実質的には国内の原油・NGL生産の約9割を独占し、かつブラジル政府が発行済み株式の50%超を保有するため、国策企業として同国政府との関係は非常に強固である。
◎同社の事業セグメント上、売上高構成では競争事業であるRT&M(精製・輸送・マーケティング)の構成比が高いが、税引前利益では実質的な独占事業ともいえるE&P(探鉱・生産)が8割以上を占める。採掘コストの低いプレソルトの生産が伸長したことで、ペトロブラスの石油産業は国際的にも輸出競争力を有する。 短期の業績は、国際エネルギー相場の影響を受けるが、信用力は必ずしも相場に左右されない。
◎逆に、信用力評価に寄り強い影響を与えるのが政治リスク。現在の左派政権(ルラ大統領)の下では、ブラジル国との一体性が増し、経営的な自主独立性は後退しやすい。この結果、社債にはサポート要因となり価格が上昇しやすい反面、株式にはマイナス要因となりやすい。逆に過去の右派政権のような自由経済を志向する政権下では、株式にはプラスだが債券にはマイナスの評価となりやすい。ペトロブラスの外貨資金調達ビークルは、ペトロプラス・グローバル・ファイナンスで、信用リスクは実質的にペトロブラスと一体。
◎米州でカナダを上回る経済規模を有するブラジル国との政治的一体性に加え、日本とブラジルとの間に存在するみなし外国税額控除の関係で、実行的な投資リターンは高く、効率的な投資対象となりやすい。
個別発行体評価
ボーダフォンの概要と社債投資の評価ポイント
本動画では、欧州最大手の総合通信会社であるボーダフォンの事業概要と特性を確認し、同社社債への投資評価を行う。
◎ボーダフォンの信用格付け(発行体格付け)はBBB格中位。S&Pでは6/30に格付見通しをポジティブから安定的に引き下げ。当面、信用格付けが上方修正される余地は限定されやすい状況。
◎社債投資評価の3つのポイントは、(1)同社の利益水準は当面の事業再編を経る中でも一定の水準を保持し継続可能、(2)財務レバレッジを目標ガイダンスの下限を以上に維持することへの経営陣のコミット、(3)事業価値の保全可能性の高さ
◎事業モデルの持続性に不安があり、株式投資の観点での評価は高くない。シニア債については、米ドル建ての20年超の超長期債に投資妙味。ハイブリッド劣後債については、初回コール日までの期間が長い債券を売却し、同期間が短い債券に入れ替えるような投資戦略が有効。
債券市場アップデート
米ドル建て債券市場動向 2024年9月-第3週
2024年9月6日から9月13日までの週次の米国債券市場動向を確認し、起債市場、流通市場の取引金額、流通市場の価格変化について報告する。
(1)起債市場の傾向
- 起債額の特に大きかった案件は、9月10日に発行した総合銀行セクターの「バークレイズ」の45億ドルの起債。債券の本数は3本、年限は4~11年、優先債調達。
- 2番目は、9月9日に発行したインターネットメディアセクターの「ウーバー・テクノロジーズ」の40億ドルの起債。債券の本数は3本、年限は5~30年、優先債調達。 同社は、クルーズ社との自動運転車のプラットフォーム構築で業務提携に至っており、今後の投資資金需要もあって巨額起債を実施した。
- 3番目は、9月10日に発行した石油:総合セクターの「トタルエネルジー・キャピタル」の30億ドルの起債。債券の本数は3本、年限は10~40年、優先債調達。
(2)流通市場における取引金額
- 2024年8月31から9月6日までに取引額が多かった社債を、金融機関債と、事業会社(投資適格、投機級)に分け、それぞれ示した。
- 最も債券の取引額が多かった金融機関債は、シティグループ債。今週は同社や他の地銀で、クレジット・カード債権等無担保消費者信用の取り扱いが多い企業の社債が積極的に取引された。
- 投資適格債券ではストライキ問題も生じたボーイング債が商われ、これに加え8月にBBB+格ゾーンに格下げされたインテル債も積極的に取引された。投機級債券では、カリフォルニアで電力・ガス供給を行うPG&Eの社債が取引額を増やしていた。
(3)流通市場における価格動向
- ここでは、前週の利回り・スプレッドの時系列推移、セグメント別に比較した個別社債相場の動向を確認する。
- FOMCを控え-50bpsの利下げとの思惑も広がり、米国債金利はさらに低下、特に3~5年ゾーンの金利低下が著しく進展した。この結果、5年~20年にかけての順イールド化も更に進展した。
- 米国市場の社債利回りは、ほぼ米国債の利回り変動に連動し、スプレッドの変動はわずかに留まった。より低格付けのB格だけは、スプレッドが拡大した。
- 米国籍事業法人の投資適格債で、最も上昇したのは娯楽コンテンツセクターのワーナー・ディスカバリー・コミュニケーションズ債。これまで時価が低下してきた同社債は、チャーター・コミュニケーションズとの配給契約を増額して更新し安定収益が期待されることを受け反転上昇した。投機級債で、最も上昇したのは小売(一般消費財)セクターのリバティ・インタラクティブ。
- 投資適格債で最も下落したのが、コーチなどのブランドを有するハンドバッグメーカーのタペストリーは、ライバル企業のカプリを買収合併を目指すが、米国連邦取引委員会(FTC)が差し止め訴訟を起こし、混乱を嫌気した市場で社債価格も下落した。また、投機級では、自動車生産に不安が高まる中、部品メーカーのアメリカン・アクスル&マニュファクチャリングや自動車パーツ小売りのアドバンス・オート・パーツなどの社債価格が下落した。
- 外国籍事業法人の投資適格債で、最も上昇したのはパイプラインセクターのトランスカナダ・パイプラインズ。投機級債で、最も上昇したのは林産物・紙製品製造セクターのマーサー・インターナショナル。
9月に入り65.69$/bblまで低下したWTI価格が反転し71$/bblを回復したことを受け、投資適格・投機級ともにパイプラインや油井を有する総合石油企業の社債価格が上昇した。
- 外国籍の投資適格債で最も下落したのが、金属・鉱業セクターのKRAKATAU POSCO(クラカタウ・ポスコ,インドネシア)。投機級債で、最も下落したのは化学工業セクターのメタネックス。
中国経済の減速の中、アジアの鉄鋼企業であるKrakatau Posco社債は鋼材相場の低迷懸念から下落。また、原油価格が上昇する中、価格転嫁が難しい石油化学系企業の社債も下落した。
- 金融機関の投資適格債で、米銀シチズンズ・ファイナンシャル・グループでは、CFOが非中核債権ポートフォリオの縮小に、損失計上を要する取引はしない考えを表明したことを受け、債券価格が上昇した。
- 一方、最も下落したのが、スペインのサンタンデール・ホールディングスUSA債。
(4) まとめ
- 先週は、FOMC前ということもあり、景気に敏感なセクターの社債がテーマ的に商われた。FOMC後には再度、マクロ的なテーマに沿った取引が進みやすくなるものと思われる。
ストラテジー
米国債全般
米ドル建て債券市場動向 週次:9月13日まで
本レポートでは、2024年9月6日から9月13日までの米国債券市場動向の状況を示すことを目的とする。
〇 米ドル建て債券起債動向 p.1
- ここでは、2024年9月6日から9月13日までの起債市場動向を確認する。起債額の特に大きかった案件は、9月10日に発行した総合銀行セクターの「バークレイズ」の45億ドルの起債。債券の本数は3本、年限は4~11年、優先債調達。
〇 米ドル建て社債取引動向 p.2
- 最も債券の取引額が多かった金融機関債は、シティグループ債。今週は同社や他の地銀で、クレジット・カード債権等無担保消費者信用の取り扱いが多い企業の社債が積極的に取引された。
- 事業会社のうち、投資適格債券ではストライキ問題も生じたボーイング債が商われ、これに加え8月にBBB+格ゾーンに格下げされたインテル債も積極的に取引された。投機級債券では、カリフォルニアで電力・ガス供給を行うPG&Eの社債が取引額を増やしていた。
〇 米ドル建て債券価格動向 p.4
- ここでは、前週の利回り・スプレッドの時系列推移、セグメント別に比較した個別社債相場の動向を確認する。FOMCを控え50bpsの利下げとの思惑も広がり、米国債金利はさらに低下、特に3~5年ゾーンの金利低下が著しく進展した。
投資戦略動画
日米株式相場の特性の違い
本動画では、日米株式市場のスタイル別の変動特性について、過去5年間の時系列データに基づき、期間を区切ってその特性を比較する。
米国株のうち、割高に見える益回りの水準をファンダメンタル的に正当化できるのは情報テクノロジー(特にAI関連など)に属する一部の高成長銘柄に限られる。しかし、米国株式相場は全体として押し上げられており、金融政策の緩和的な転換を前提としない限り、理論的には正当化できない銘柄も多い。一方、国内株式はそもそも割安なバリュエーションが続いており、さらに利益率の改善を伴った増収増益傾向を勘案すると、米株に連動して調整局面に入っても株価調整は米株に比べ相対的抑制されやすい。国内株では、TOPIX Core30型のETFと、個別のバリュー株の投資などが、調整局面においても効率の高い投資手法となり得る。
本動画では、最近の市場傾向と特性を鑑み、効率よく長期保有に耐えインフレによる実質下落から金融資産価値の下落を回避しうる株式の投資戦略に関する弊社の考え方を紹介する。
投資戦略動画
ECBの金融政策決定と欧州債券・為替相場の見通し
本動画では、9月12日のECB声明とラガルド総裁の記者会見内容などを元に、今後のユーロ圏の金融政策の動向と相場予想に関する弊社の考え方を示す。
[ECBの声明文(2024/9/12)概要とその意味]
- ECBは3つの主要政策金利の利下げを実施。
預金ファシリティ金利 ; -0.25%ポイントの引き下げ(3.75%→3.50%)、
借換えオペ金利 ;-0.60%ポイントの引き下げ(4.25%→3.65%)、
限界貸付ファシリティ金利;-0.60%ポイントの引き下げ(4.50%→3.90%)
- 金融政策は、今後もデータ次第、会合ごとのアプローチで決定。9月以降の政策金利についても何も決めていない。
- 2024年の経済成長は鈍化しており、変動リスクは下向きに傾いている。
[ECB声明の背景にあるマクロ状況]
- 2024年Q2の実質GDP成長率は+0.2%に鈍化。ECBによる9月時点の2024通年予想も+0.8%に下方修正。純輸出と国内民間総投資の鈍化が影響。
- 8月の総合消費者物価指数(HICP)は2.6%→2.2%に低下。コア物価指数(除くエネルギー・食品、前年比)は、8月に+2.8%と、前月比で横ばい。
- コア指数に含まれる物品価格のインフレ率は低下、サービス価格のインフレ率は上昇と、逆の動き(米国でも類似の傾向)。
- 賃金指標の労働コスト指数は前年比で+5.1%とコンスタントに伸長。失業率は6.6%と、ここ数年で最低水準。個人の実質購買力は拡大。これは、インフレ要因ではあるが、経済の下支え要因にも。
ストラテジー
欧州債全般
ECBによる金融政策決定会合結果(2024/9)と今後の欧州債券相場の見通し
本レポートでは、9月12日のECB声明とラガルド総裁の記者会見内容などを元に、今後のユーロ圏の金融政策の動向と相場予想に関する弊社の考え方を示す。
◎ ECBの声明文(2024/9/12)概要とその意味 p.1
- 政策金利については、ECBは3つの主要政策金利の利下げを実施。
i. 預金ファシリティ金利 ; -0.25%ポイントの引き下げ(3.75%→3.50%)、ii. 借換えオペ金利 ;-0.60%ポイントの引き下げ(4.25%→3.65%)、iii. 限界貸付ファシリティ金利;-0.60%ポイントの引き下げ(4.50%→3.90%)
◎ ECB声明の背景にあるマクロ状況 p.6
- 2024年Q2の実質GDP成長率は+0.2%に鈍化。ECBによる9月時点の2024通年予想も+0.8%に下方修正。純輸出と国内民間総投資の鈍化が影響。
- 8月の総合消費者物価指数(HICP)は2.6%→2.2%に低下。コア物価指数(除くエネルギー・食品、前年比)は、8月に+2.8%と、前月比で横ばい。
◎ 弊社による相場想定 p.9
アナリスト
通信
ボーダフォン(Vodafone Group Plc)の事業概要と同社クレジットの評価アップデート
本レポートでは、欧州最大手の総合通信会社であるボーダフォンの事業概要と特性を確認し、同社社債への投資評価を行う。
ボーダフォンは、事業規模の観点では、欧州の一部同業他社をはるかに凌駕する事業規模を有していたが、多くの市場では他のトップ・モバイル事業者に対し、競争力の面で充分な優位性を保持できていない。結果としてイタリア・スペインからの撤退を含む大規模な事業再編を実施中。
〇 無線通信会社のクレジット評価上の特性 p.2
〇 ボーダフォンの事業概要 p.5
〇 ボーダフォンの地域別の事業状況 p.9
〇 ボーダフォンの業績(P/L)状況 p.14
〇 ボーダフォンの財務(B/S)の状況と返済余力の見方 p.16
〇 ボーダフォンの事業再編状況 p.19
〇 ボーダフォンの信用格付、及び社債の投資評価 p.22
〇 Appendix 主要市場4か国におけるボーダフォンの事業状況 p.29
ストラテジー
米国債全般
米ドル建て債券市場動向 週次:9月6日まで
本レポートでは、2024年8月30日から9月6日までの米国債券市場動向の状況を示すことを目的とする。
なお、弊社の金利・為替の予想値を本レポートのp.11に示した。
〇 米ドル建て債券起債動向 p.1
- ここでは、2024年8月30日から9月6日までの起債市場動向を確認する。起債額の特に大きかった案件は、9月5日に発行した消費者金融セクターの「マスターカード」の30億ドルの起債。債券の本数は3本、優先債調達。
〇 米ドル建て社債取引動向 p.2
- 最も債券の取引額が多かった金融機関債は、新発債の起債に伴う入れ替えニーズがあった「バンク・オブ・アメリカ」、「モルガンスタンレー」、「シティグループ」等。
- 事業会社のうち、投資適格債券では「ウーバー・テクノロジーズ」が最も多く、「インテル」、「メタプラットフォームズ」がそれに続く形となった。一方、投機級債券では「フロンティアコミュニケーションズペアレント」の取引額が多かった。
〇 米ドル建て債券価格動向 p.4
- ここでは、前週の利回り・スプレッドの時系列推移、セグメント別に比較した個別社債相場の動向を確認する。米国市場の社債利回りは、国債利回りの低下に合わせ全般に低下したが、一方でスプレッドは全般に拡大。
ストラテジー
米国債全般
米ドル建てシニア債のセグメント別市場レート -評価基準日2024年9月6日-
2024年8月6日から9月6日にかけての米国社債の市場動向を、2年、5年、10年、20年、30年と利回り水準別に分けて確認。
◎ 米国社債市場の状況:
-米国国債金利の低下に連動し7月末から9月初頭にかけ、米国社債利回りは短期から長期のいずれの年限でも低下した。米国長期債(10年)では、7月31日の4.05%から9月6日には3.69%まで一気に低下。
-投資適格社債(2-5年)の利回りは3.8%~4.8%(前月比約-0.30ポイント)と低下した、スプレッドはタイト化した。10年の利回りは4.3%~5.3%と低下(前月比約-0.25ポイント)、スプレッドはタイト化した。
-長期ゾーン(20年-30年)の利回りは4.7%~5.7%と低下(前月比約-0.26ポイント)、スプレッドは若干タイト化した。
-投機級(ハイイールド)では、平均利回り(2-5年)は5.5%程度、20-30年は6.8%程度。前月に比べて、利回りはわずかに低下、スプレッドはタイト化した。
◎ 米ドル建て社債サブ・ポートフォリオの分類条件 p.1
◎ 米ドル建て社債サブ・ポートフォリオの全体傾向 p.2
◎ 各米ドル建て投資適格社債(IG)サブ・ポートフォリオの個別構成 p.5
◎ 各米ドル建て投機級社債(ハイイールド)サブ・ポートフォリオの個別構成 p.18
債券市場アップデート
米ドル建て債券市場動向 2024年9月-第2週
2024年8月30日から9月6日までの週次の米国債券市場動向を確認し、起債市場、流通市場の取引金額、流通市場の価格変化について報告する。
(1)起債市場の傾向
- 5日の木曜日前後には、歴史的にみても巨額の起債案件が集中した。通常であれば、大型起債は需給面からスプレッドの拡大要因になりやすいが、今回は逆にタイト化に影響した。FRBの利下げ期待が高まってはいるものの、発行体は今の金利・スプレッド水準で起債した方が有利だと考えた結果を反映。つまり起債市場は、既に市場レートが利下げ後を織り込んだ水準に近いとみなしている、と考えらえる。
- 起債額の特に大きかった案件は、9月5日に発行した消費者金融セクターの「マスターカード」の30億ドルの起債。債券の本数は3本、年限は3~10年、優先債調達。
- 2番目は、9月3日に発行した廃棄物・環境サービス・機器セクターの「ベラルト」の21億ドルの起債。債券の本数は3本、年限は2~9年、優先債調達。
- 3番目は、9月5日に発行した自動車セクターの「アメリカンホンダファイナンス」の18.5億ドルの起債。債券の本数は3本、年限は2~5年、優先債調達。
(2)流通市場における取引金額
- 2024年8月31から9月6日までに取引額が多かった社債を、金融機関債と、事業会社(投資適格、投機級)に分け、それぞれ示した。
- 最も債券の取引額が多かった金融機関債は、新発債の起債に伴う入れ替えニーズがあった「バンクオブアメリカ」で、「モルガンスタンレー」、「シティグループ」等の債券が続いた。
- 米国G-SIBs以外で取引の多かったのは、HSBC債、UBS債であった。
- 投資適格の事業会社社債では、「ウーバー・テクノロジーズ」が最も多く取引され、「インテル」、「メタプラットフォームズ」がそれに続く形に。投資適格債でより積極的に取引されたウーバーは、8月に公表されたFY2024Q2決算が好調、さらに22日にはCruise社と自動運転車導入に向けた戦略的パートナーシップを発表、これらが好感された。
- 投機級債では、フロンティアコミュニケーションズ、CSCホールディングスが取引対象に。特にCSC債は取引が急増(通常の2倍以上を継続)、乱高下していた。
(3).流通市場における価格動向
- ここでは、前週の利回り・スプレッドの時系列推移、セグメント別に比較した個別社債相場の動向を確認する。
- 米国市場の社債利回りは、国債利回りの低下に合わせ全般に低下したが、一方でスプレッドは全般に拡大。米国債に比べ米ドル建て社債の利回りが維持されていることを示している。
- 米国籍事業法人の投資適格債で、最も上昇したのはヘルスケア施設・サービスセクターのサターヘルス。大統領選で個人医療費の価格抑制が話題となり利用増大期待から上昇。次いでカリフォルニア州で電力・ガスを独占的に供給するPG&Eが続く形。電力会社のPG&Eは定期発行体でスプレッドが維持されやすく、国債連動で債券価格が上昇。
- 投機級債で最も上昇したのはケーブルテレビ・衛星放送セクターのディッシュDBS。新たな動きでは娯楽コンテンツのパラマウント債が上昇。- 投資適格債で、最も下落したのはパイプラインセクターのEQMミッドストリーム・パートナーズ。エネルギー相場の下落を受け、パイプラインのEQM、ターガ・リソーシズや探査・生産のデボン・エナジー等のエネルギー企業債が下落。
(4) まとめ
- 先週は、株価が下落し米国国債の長期金利に加え2年までの短期金利も引き続き低下。イールドカーブのスティープ化(急角度化)も進む。国債・社債共に居所を探る展開が継続。
- 当面、ドル円レートは140円台のボックス圏、米10年国債利回りは3%台後半で推移すると想定。
個別発行体評価
明治安田生命の概要と投資評価ポイント
[明治安田生命グループの概要]
- 明治安田生命は2024年3月期における連結年間保険料収入が3.3兆円、連結総資産が52.9兆円の巨大企業。
- 年換算保険料(2023年度)の大きさでは4大民間生命の第3位に位置する。
- 2024年9月に新発でドル建てのハイブリッド劣後債を起債したため、当面は流動性が高まりやすい。
[明治安田生命の連結ベースの経営状況と、国内外の事業状況]
- 2023年度の連結保険料(再保険を除く)は3.33兆円、前年比-9.0%の減収、海外事業の保険料は15%を占め前年比+10.6%の増収
- 2023年度における連結基礎利益は5,610億円となり前年比+39.6%の大幅増益
- 明治安田生命連結での当期純余剰(利益)は1,535億円(前年比+78.8%)の大幅な増益
[明治安田生命(相互会社単体)の経営状況]
①. 明治安田生命の保険事業の状況
- FY2023における単体保険料は2兆8,172億円、前年同期比で-11.8%減収。
- 単体基礎利益は4,989 億円となり、前年比で+34.3%の増益。
②. 明治安田生命の資産運用の状況
- 一般勘定運用資産残高は約46.8兆円とFY2022Q2以降増加継続。
- 2023年度の有価証券運用利回りは3.56%と極めて好調。資産別の運用利回りは、外国株式と不動産を除き上昇。ただし外国株式も依然として高水準。
③. 明治安田生命の経常利益の状況
- 明治安田生命の経常利益は2,310億円、前年比で-18.4%の減益。
- 臨時費用の拡大とキャピタル損益の赤字が寄与。
[明治安田生命の連結/単体のソルベンシー・マージン比率、ESRの状況]
- 金融監督指標である国内ソルベンシー・マージン比率は、グループ連結ベースで1033% 、明治安田生命単体ベースで996% と極めて安定した水準を維持(4社中1位)
- 2025年4月以降に適用される新たな監督指標であるESRでは、2024年3月末時点で220%との数値を開示。いずれの指標からも、明治安田生命はきわめて健全な財務体質を有する保険会社と評価。
個別発行体評価
日本生命の概要と投資評価ポイント
日本生命への債券投資を検討するにあたって、企業の概要から投資評価ポイントについて簡潔に解説する。
[日本生命の概要]
- 日本生命は、国内の民間4大生命(日本、第一、明治安田、住友)の1社であり、長年にわたり業界首位の保有契約高を誇る相互会社。
- グループ連結での年間保険料収入は約8.6兆円と、大手4社のうちの同業他社比で突出した高い水準。
[日本生命(連結)の経営状況と国内外の事業状況]
- 日本生命の連結保険料等収入は増収傾向。増分の多くは銀行販売チャネル(前年比+64.7%)と、営業職員チャネル(前年比+21%)に起因。
2023年度における連結基礎利益は7,640億円と前年比+59.4%と大幅な増益。 日本生命連結での当期純余剰(利益)も4,124億円(前年比+190.2%)と大幅増益。
[日本生命(相互会社単体)の経営状況]
①. 日本生命の保険事業の状況
- 2023年度における日本生命単体の保険料等収入は52,974億円(前年比+14%)と増収。基礎利益は7,087億円(前年比+42.1%)と増益。危険差益(死差益)が2,808億円(前年比+19.8%)、利差益が3,733億円(前年比+70.4%)の増益が寄与。他の国内四大生保より、国内事業が相対的に好調。
②. 日本生命の資産運用の状況
- 2023年度末における日本生命の一般勘定運用資産残高は約82兆円とFY2022Q2以降増加継続。
- 日本生命の運用資産は様々なセクターに分散しているが、四大民間生命の中では、国内外の株式への投資比率が相対的に高いことが特徴の一つ。
- 2023年度末の運用利回りは2.00%まで低下(前年は2.08%)。資産別の運用利回りは、国内株の運用利回りが最も高い。
③. 日本生命の経常利益の状況
- 2023年度の日本生命の経常利益は5,813億円、前年同期比+308.5%の増益。
- 内訳に基礎利益の増益、臨時費用の縮小が寄与。
[日本生命の連結/単体のソルベンシー・マージン比率、ESRの状況]
- 金融監督指標である国内ソルベンシー・マージン比率は、連結で1023%、単体で980%と極めて安定した水準を維持。民間大手生保4社の中で最も高い水準。
- 2025年4月以降に適用される新たな監督指標であるESRでは、2023年度の決算時に初めて224% (2023年3月末時点)。この数値も同業他社の中でも最も高い水準。
- 長らく安定性についても業界首位であったが、近年では明治安田生命に逆転されている。
投資戦略動画
国内生保劣後債へのクレジット投資の考え方
[国内生保発行の劣後債投資における制度上の理解の重要性]
- 金融機関は社会への影響力が強い為、特別な法的支援の枠組み(セーフティ・ネットワーク)が設けられている。
- 保険会社は2025年度からICSへと監督制度が変更される。
[ 保険会社特有の会計・法人形態の理解]
- 生命保険会社には相互会社と株式会社の二種類が存在。 - 債券投資家から見た会社形態別の最も大きな違いは適時開示義務の有無。
[金融システムへの影響からみた保険会社への公的支援可能性]
- 保険事業は経営上金融システムに影響を及ぼすような事業形態ではないため、日本の大手生命保険会社は国際基準行に相当。
- ただし「グローバルにシステム上重要な保険会社(G-SII)」に指定された欧米大手金融機関は、非保険事業が多いことが指定要因。
国内保険会社はむしろ安定した事業を行っているためにG-SIIに非該当と言える。
- 2013年の預金保険法改正により、保険会社にも預金保険法第126条に基づく公的支援が制度的に可能に。
ただし、同制度は流動性供給と資産買取りが主体。
- 金融システムへの悪影響が強くない限り、公的資金による資本注入などの支援は実施されにくい。
対象となりやすいD-SIBs(国内の金融システム上、重要な金融機関)には、国内保険会社は指定されていない。
- 生命保険会社の破綻の際は、契約のみ譲渡しその後解散するケース、もしくは更生特例法を適応させ経営破綻に
至るケースがほとんどとなっていた。
[国内生保が発行する劣後債投資と、公的支援への考え方]
- 保険ハイブリッド劣後債は、銀行のB3T2債に近い、負債と資本の性格を併せ持つ債券となっている。
- 銀行劣後債との違い;
国内基準に基づくソルベンシー・マージン比率と、
2025年以降に適用される経済価値ベースのソルベンシー比率(ESR、公表済み)
- 「大きすぎてつぶせない(TBTF)」という議論は、保険会社には適用されない。
- 保険会社の劣後債投資では、信用格付けと監督指標のモニタリングが重要。
加えて、2024年度中は以下の2指標のモニタリングが重要。
国内基準に基づくソルベンシー・マージン比率と、
2025年以降に適用される経済価値ベースのソルベンシー比率(ESR、公表済み)
[まとめ]
- 国内の大手生命保険会社は、高い信用格付けを有する社債の発行体
- 経営危機時の公的支援可能性は銀行に劣る一方で、銀行のように短期間で資金が流出して経営危機になる可能性が低いため、D-SIBsの指定は受けていない点は、投資評価上のプラス材料として考慮すべき。
- 新規制対応は、日本生命、明治安田生命などでは、順調に進んでいる。
- 日本の生保が発行しているハイブリッド劣後債は、銀行のTier2債に相当。破綻認定なしにベイルインが生ずるリスクはない制度設計。
銀行のAT1債(永久劣後債)より商品設計上、低リスクの可能性。
- 以上の観点から、日本生命、明治安田生命の米ドル建てハイブリッド劣後債には、安定保有を前提とした投資価値があると評価。
ストラテジー
米国債全般
米ドル建て債券市場動向と着目点 -2024年7月末から9月初旬まで-
本レポートでは、2024年7月末から9月初旬までの相場動向と、8月末までの米国債券市場の新発債・流通市場の取引額等の傾向を確認した。なお、弊社の金利・為替の予想値を本レポートのp.21-22に示した。
〇 債券指数レベルで見た相場動向と着目点 p.1
- 利下げ期待から3-5年の利回りが最も大きく下落、3~20年のイールド・カーブは、全体として順イールドの傾きが強まり、長短金利差が拡大。
- 投資適格社債のスプレッドは、特に5年ゾーンでタイト化。一方、2年や10年では若干のワイド化を観測。
〇 個別債券レベルで見た相場動向 p.6
- 米国籍の投資適格では、電気機器製造、化学工業、医療機器・装置製造、などの社債単価が上昇。投機級では、相対的に単価上昇が大きかったのは、ケーブルテレビ・衛星放送、娯楽コンテンツ、容器・梱包など。
〇 米国社債の流通市場における取引動向(TRACE) p.13
- 投資適格の事業法人債で、多額の取引を観測したのは、メタ・プラットフォームズ等大型起債銘柄の即時売却取引。
〇 米ドル建て債券の起債市場の動向 p.17
〇 弊社の米国債券市場相場想定(予想、2024/9/3時点)p.21
個別発行体評価
アッヴィ(MDY:A3、S&P:A-)事業概要と同社のクレジット投資評価
[アッヴィの事業概要]
- アッヴィ(AbbVie Inc.)は免疫疾患、神経科学などの疾患領域に強みをもつ米国の医薬品メーカー
- FY2023年の総売上は543億米ドルで、製薬会社別売上高は4位
- 免疫系医薬品が総売上の約半分(48%)を占める一方で、がん腫瘍、美容系、神経科学系医薬品がそれぞれ各1割前後を占める構成
[アッヴィ製品の特許期限と創薬パイプライン]
- 最大のブロックバスターであったHumiraの特許はFY2023初頭に切れており、今後、2024年の終わりまでにRinvoqも特許切れを迎える予定。
2製品の売上占有率(FY2023)は34%。ただし、同社の創薬パイプラインのフェーズⅢにはRinvoqに関する特許が5件含まれており、Rinvoqの特許期間は実効的に延長される可能性も。
- アッヴィの総保有件数は他企業と比較して多くはないものの、各フェーズに対して20件以上と均等に配分。
- イミュノジェン社(がん腫瘍領域)、セレベル社(精神疾患や神経疾患)の買収により疾患領域を拡大。ただし、M&Aは財務を圧迫。
[決算動向]
- FQ2 2024 における全社ベースの売上高は前年度同期より+597(百万米ドル)伸長し14, 462(百万米ドル)に。
- 特許失効によるHumiraの減収を、Skyrizi、Rinvoqなどの製品の販売増で相殺。
- 結果、営業利益水準も安定維持。
[アッヴィ社債の投資評価]
債券市場アップデート
米ドル建て債券市場動向 2024年9月-第1週
2024年8月23日から8月30日までの週次の米国債券市場動向を確認し、起債市場、流通市場の取引金額、流通市場の価格変化について報告する。
[起債市場の傾向]
-起債額の特に大きかった案件は、8月27日に発行したスーパーマーケット&薬局セクターの「クローガー」の105億ドルの起債。債券の本数は7本、年限は2~40年、優先債調達。
クローガーの巨額起債は、大規模スーパーマーケットチェーンのアルバートソンズとの合併交渉を踏まえたもの。同問題はオレゴン州に8つの州とコロンビア特別区が連邦取引委員会(FTC)に加わるなど政治問題化。
-2番目は、8月27日に発行した国際機関セクターの「欧州投資銀行」の50億ドルの起債。債券の本数は1本、年限は5年、優先債調達。通常の投資業務の資金を調達する普通債を8/27に50億ドル発行、その前後に環境対応資金を調達するための気温意識向上債(CAB)も起債。
[流通市場における取引金額]
- 2024年8月23から8月30日までに取引額が多かった社債を、金融機関債と、事業会社(投資適格、投機級)に分け、それぞれ示した。
- 最も債券の取引額が多かった金融機関債は「バンク・オブ・アメリカ」で、「JPモルガンチェース」がそれに続く形。ただし、前週より取引金額規模は縮小。
- 事業会社のうち、投資適格債券では「クローガー」が最も多く取引された。
- 投機級債では、オクシデンタルペトロリアムが2024年8月末までに償却される債務23億米ドルに対し資産の売却と調達を進め、短期的なバランスシートの改善を達成、買い材料に。
[流通市場における価格動向]
- ここでは、前週の利回り・スプレッドの時系列推移、セグメント別に比較した個別社債相場の動向を確認する。
- 8月初頭の米国債金利の急落後は、修正後の水準をおおむね維持しながら推移していたが、5年~20年にかけての順イールド化が進展。
- 米国市場の社債利回りは、前週には国債利回りの低下に合わせ全般に低下したが、本期間ではほぼ横ばいで推移。
- 米国籍事業法人の投資適格債で、最も上昇したのは米国籍事業法人の投資適格債で、最も上昇したのは旅客航空輸送業セクターのアメリカン航空。
次いで上昇したジョン・ディア・キャピタル債の市場価格の背景には、これまで世界の建築や農業が減速する中で、特に売られ過ぎていた同社債に、売り圧力と買い戻しが発生したことにある。
- 債券価格が下落で目立ったのは米ディスカウントチェーン、ダラー・ゼネラルの社債。主要顧客の低所得者層が支出を控え、通期の売上高見通しを下方修正したことが影響。
- 投機級債で、最も下落したのは娯楽コンテンツセクターのAMCネットワークスだった。
-外国籍事業法人の投資適格債で、最も価格が上昇したのは再生可能エネルギーへの投資を重視する総合電力事業者のエネル・チリ債。同社は、国内最大規模のハイブリッド再生可能エネルギー発電センターとなるPFVラスサリナスの商業運転を7月末に無事に開始させ、CFの改善が期待されることも材料視された。
外国籍事業法人の投機級債で、最も上昇したのは化学工業セクターのUPLだった。
-外国籍事業法人の社債で最も価格が下がったのは、前週に引き続きメキシコ石油公社(PEMEX)。メキシコ・ペソ安が継続し2022年並みの20ペソ/米ドルに近づいたこともあり、ドル負債資金の調達懸念から続落。
また外国籍事業法人の投機級債で、最も下落したのは林産物・紙製品製造セクターのマーサー・インターナショナル。
個別発行体評価
ソフトバンクグループ:2024年度第1四半期決算とクレジット評価上の着目点
[2024年度第1四半期決算について]
- ソフトバンクGのFY2024 Q1の売上高は1.7兆円と前年同期比で+9.3%の増収、純利益が105億円の黒字、株主帰属純利益は▲1,743億円だが赤字幅は縮小。
ただし、会計上の赤字は、必ずしもソフトバンクGの社債の元利金支払いの安定性に影響しない。
[クレジット投資上の注目指標について]
- 債務の返済余力の多寡の評価尺度として、LTV、NAV、現預金、有利子負債残高、キャッシュの創出能力、自己資本比率などを確認することが必要。
- 同社の保有株式価値はアーム株の上場と円安の進行により、2024/6末時点には38.3兆円まで増加。
NAVも2022/12末時点の13.9兆円をボトムとして反転上昇し、2024/6末には35.3兆円まで急拡大。
LTVは7.8%まで低下(返済余力が拡大)
- 2024/6末の単体ベースの手元流動性(コミットメントライン未使用枠を含む)は4.6兆円と高水準を維持
- 単体ベースの有利子負債は14.3兆円と横ばい。調整後の単体純有利子負債も2.98兆円と若干増加
- 自己資本比率は5四半期連続で上昇。一方、中長期の返済能力については、今後の市場環境に大きく依存
[経営方針の転換によるクレジット投資への影響可能性について]
- 負債と手元流動性を両建てで持ちつつ純有利子負債を圧縮している会社の財務指標や格付けは、企業の財務戦略の転換により容易に劣化。
- ソフトバンクGの社債投資家にとっての一番の潜在リスクファクターは、同社の財務方針の転換。
[社債流通市場の状況と投資機会]
- 2026年に償還を迎える米ドル建てシニア債で5.5%以上の利回りが確保可能。
一方、初回コール日まで2.8年の米ドル建てハイブリッド劣後債の慣例利回りは7.46%
(いずれも仲値ベースの気配値であり、実際に取引可能な価格とは異なる点に注意)。
- ソフトバンクGでは、社債の余裕を持った借り換えを実施。
- 同社のハイブリッド債のリプレイスメント(初回コールによる借換)可能性は安定的。
- ここから新規に投資を開始する社債投資家の場合には、米ドル建てハイブリッド債に
対する投資の効用はシニア債よりも、リスクあたりリターンの観点からより相対的に高い。
投資戦略動画
グローバル事業債投資の考え方
本セミナーでは、グローバル事業債の投資にあたっての考え方を紹介します。
実際に個別債券への投資を開始するにあたり、例えば「米ドル建て債券の選び方」については、さまざまな角度からの検討が必要です。
本セミナーでは、以下の3段階の材料から、銘柄の絞り込みに向けた考え方を整理します。
投資家自身の効用、資金規模
短期的な市場環境、変動要因、為替を考慮した円ベース投資戦略
長期的な安定性、格付け/ビジネス・モデル分析の違いと信用リスク評価
アナリスト
通信
ソフトバンクグループの2024年度第1四半期決算とクレジット評価上の着目点
本レポートでは、ソフトバンクグループ(以下、ソフトバンクG)の2024年度第1四半期決算状況と、同社社債投資にあたってのクレジット評価上の着目点について確認する。
〇 2024年度第1四半期決算について p.1
- ソフトバンクGのFY2024 Q1の売上高は1.7兆円と前年同期比で+9.3%の増収、純利益が105億円の黒字、株主帰属純利益は▲1,743億円だが赤字幅は縮小。ただし、会計上の赤字は、必ずしもソフトバンクGの社債の元利金支払いの安定性に影響しない。
〇 クレジット投資上の注目指標について p.3
- 債務の返済余力の多寡の評価尺度として、LTV、NAV、現預金、有利子負債残高、キャッシュの創出能力、自己資本比率などを確認することが必要。
〇 経営方針の転換によるクレジット投資への影響可能性について p.7
- 負債と手元流動性を両建てで持ちつつ純有利子負債を圧縮している会社の財務指標や格付けは、企業の財務戦略の転換により容易に劣化。
〇 社債流通市場の状況と投資機会 p.9
アナリスト
製薬
アムジェン(MDY:Baa1、S&P:BBB+、Fitch:BBB)の事業概要と同社のクレジット投資評価
本レポートでは、アムジェン(Amgen Inc.)の、FY2024 Q2までの決算を元に、経営状況や主要商品市場の現状を確認し、同社に対するクレジット評価を行う。
〇 アムジェンの事業概要 p. 2
①アムジェンの事業概要
②製薬業界におけるアムジェンのビジネスモデルの特性
③アムジェンの主要疾患領域別の事業状況
〇 アムジェンの業績状況 p. 16
- 四半期決算の売上は前年度同期比で大幅な増収。Tepezza、Krystexxa(M&Aで取得した医薬品、希少疾患)などによる収益力改善が主な要因。
〇 アムジェンの財務状況 p. 18
- 自己資本比率はFY2023 Q3以降、M&A費用の計上に伴い、FY2024 Q1には5.4%まで落ち込んだものの、FY2024 Q2には負債の圧縮が進み6.5%となった。
〇 アムジェンの信用格付、及び社債の投資評価 p. 21
個別発行体評価
ドイツ銀行 訴訟リスクをどう見るか?
本動画では、ドイツ銀行のY2024 Q2までの決算と、今回の決算で注目された訴訟リスクや規制強化に伴う信用コスト増大リスクに関するアップデートも行います。
[ドイツ銀行債の投資評価方針]
- 個社要因(財務指標等)は事業構造改革により改善を継続。投資評価のプラス要因
-外部要因(訴訟、経済減速、規制強化)は、投資評価のマイナス要因。
[ドイツ銀行の個社要因(FY2024 Q2決算概要と、財務面からの評価)]
-2019年以降、事業構造改革を継続により、純収益は安定成長。
-主要3セグメントのうち、投資銀行事業は大幅な増収。コーポレートバンク事業とプライベートバンク事業は横ばいと減収。
-FY2024 Q2には税前利益が1/4程度に急減。訴訟引当金の計上による影響を除けば、おおむね近年の水準を維持。税前利益率もFY2024 Q2に5.4%に急落したが、同一時影響を除くと、23.0%と従前なみの利益率を維持。
-利益率は欧州主要行に比べ低いが改善を継続。ソシエテジェネラルよりは上位に逆転。
[ドイツ銀行に影響する外部要因]
- ドイツ銀行の信用力に影響しうる3つの外部リスク要因について考察。
- ポストバンク訴訟による賠償金積み増しリスクは、Q1決算の公表直後に顕在化。過去の買収取引に関連しているため、賠償債務の上限は収まりやすい。ただし、裁判費用(弁護士費用)は今後も継続して必要。
- 監督当局が実施するストレステストにおいて、マクロ経済へのストレスが生じてもAT1債のベイルイン可能性は充分に抑制。ただし、ストレス時におけるドイツ銀行のコール・スキップや一時的な配当停止可能性などは、他の欧州主要行よりも高い。
- ECB(欧州中央銀行)では、主にレバレッジド・ファイナンスの質的劣化に備えて、検査を厳格化し、銀行に大幅な引当金の積み増しを求めることを検討。企業向け与信を得意とするドイツ銀行では、同監督強化による悪影響をより強く受けやすい可能性も。
[ドイツ銀行債の投資評価]
-ドイツ銀行の発行体格付けはそれぞれ2度の格上げを受け、2024年までにA/A1/A-格まで回復。現在の発行体格付けは、主要米銀と遜色ない水準。
(i). Tier2債(期限付劣後債)、TLAC債(非優先シニア債)の投資評価;投資の効用が高い
(ii). AT1債(永久劣後債)の投資評価;外部要因による時価下落リスクが存在。投資を開始するには不適切なタイミング。既存の保有ポジションは売却・乗り換えを推奨。
ストラテジー
米国債全般
米ドル建て債券市場動向 週次:8月23日まで
本レポートでは、2024年8月19日から8月23日までの米国債券市場動向の状況を示すことを目的とする。
〇 米ドル建て債券起債動向 p.1
- ここでは、2024年8月19日から8月23日までの起債市場動向を確認する。起債額の特に大きかった銘柄はソフトウエア&サービスセクターの「ローパー・テクノロジーズ」。資金使途は、既存債務の借り換えを含む一般的な資金繰り。
〇 米ドル建て社債取引動向 p.2
- 最も債券の取引額が多かった金融機関債は「バンク・オブ・アメリカ」で、「JPモルガン チェース」がそれに続く形。ただし、前週より取引金額規模は縮小。
- 事業会社のうち、投資適格債券では「クローガー」が最も多く取引された。大規模スーパーマーケットチェーンの、クローガーとアルバートソンズの合併案に対し、連邦取引委員会(FTC)の反トラスト規制当局が反対、仮差止命令の請求を認めるかどうかが週明けに判断されることが、材料視された。
〇 米ドル建て債券価格動向 p.5
- ここでは、前週の利回り・スプレッドの時系列推移、セグメント別に比較した個別社債相場の動向を確認する。前週の米国債金利は急落後の水準をおおむね維持しながら推移。米国市場の社債利回りは、国債が微増(10Yは微減)に転じたのに対し、全体的には先週に続き下落傾向。
個別発行体評価
インテル(Intel)概要と社債投資の評価ポイント
インテルへの米ドル建て債券投資を検討するにあたって、企業の概要から投資評価上のポイントまで簡潔に解説します。
[インテルの事業概要]
- インテル(Intel Corporation)は、コンピューター部品及び関連製品を設計、製造、そして販売する半導体メーカーである。売上高の半分をClient Computing (CCG)事業、そして3割前後をData Center & AI(DCAI)が占める。
[世界のCPU市場とインテルの市場シェアの状況]
- 顧客向けx86 CPUのシェアで見れば、インテルのシェアは79.4%と首位であるものの、AMDの追随により減少傾向が続いている。
- サーバー向けCPU市場では、アクセラレーションコンピューティングの台頭によりx86 CPUのシェアが弱体化し、インテルのシェアも縮小傾向にある。
- CHIPSプラス法による政策支援を受け期待が高まるファウンドリー事業への本格的な参入を図っているものの、競合となるTSMCやサムスンとの差は依然大きい。
[インテルの業績・財務状況]
- FY2023における連結売上高は、PCやサーバー等の需要が減退したことで、前年比-14.0%の2桁減収であった。営業利益はトップラインの減少に伴い、-98.8%と大幅な減益となった。
- 売上高を地域別でみると、中国が最も大きい売上構成比を占めており、米国で導入されたCHIPS法によって、設備投資が加速される一方で中国への厳格な輸出規制が行われることから、売上に影響を受ける可能性がある。
[インテルの財務状況]
- EBITDAの減少とネット有利子負債の増加により、ネット有利子負債/EBITDA倍率は9.82倍にまで高まっているが、潤沢な手元流動性により支払能力を担保。
- フリーキャッシュフローは、設備投資がかさんでいることでマイナスが続いており、今後もファウンドリー事業の成長の追求により改善が見込みにくい。
[インテルの信用格付、及び社債の投資評価]
債券市場アップデート
米ドル建て債券市場動向 週次:8月26日版
2024年8月19日から8月23日までの週次の米国債券市場動向を確認し、起債市場、流通市場の取引金額、流通市場の価格変化について報告する。
(1)起債市場の傾向
-起債額の特に大きかった銘柄はソフトウエア&サービスセクターの「ローパー・テクノロジーズ」。資金使途は、既存債務の借り換えを含む一般的な資金繰り。
-この他、8月22日に発行したハードウェアセクターの「CDW/CDWファイナンス」の12億ドルの起債も同時起債の大型案件。債券の本数は2本、年限は5~10年、優先債調達が行われた。
(2)流通市場における取引金額
-2024年8月19日から8月23日までに取引額が多かった社債を、金融機関債と、事業会社(投資適格、投機級)に分け、それぞれ示した。
-最も債券の取引額が多かった金融機関債は「バンク・オブ・アメリカ」で、「JPモルガンチェース」がそれに続く形。ただし、前週より取引金額規模は縮小。
-事業会社のうち、投資適格債券では「クローガー」が最も多く取引された。大規模スーパーマーケットチェーンの、クローガーとアルバートソンズの合併案に対し、連邦取引委員会(FTC)の反トラスト規制当局が反対、仮差止命令の請求を認めるかどうかが週明けに判断されることが、材料視された。
-一方、投機級債券では「ベクターグループ」の取引額が多かった。日本のJTグループに約24億ドルで買収されることに合意、同社の発行体格付けはB格相当、JTはA格相当であることから実質的な信用力の改善を評価、ベクターグループ社債に買い需要が集まった。
(3).流通市場における価格動向
-ここでは、前週の利回り・スプレッドの時系列推移、セグメント別に比較した個別社債相場の動向を確認する。
-前週の米国債金利は急落後の水準をおおむね維持しながら推移。米国市場の社債利回りは、国債が微増(10Yは微減)に転じたのに対し、全体的には先週に続き下落傾向。
-米国籍事業法人の投資適格債で、最も上昇したのは公益事業セクターのコンシューマーズ・エナジー。一方で、最も下落したのは、探査・生産セクターのデボン・エナジー。
-外国籍事業法人の投資適格債で、金属・鉱業セクターのABJAインベストメント。一方で、最も下落したのは石油:総合セクターのメキシコ石油公社(PEMEX)。
(4)まとめ
-先週は、米国国債金利が低下した後の、イールド・ハンティングより年限の長い社債、低格付けのHY社債が買われる展開となった。
-ジャクソンホールでの9月利下げへの言及もあり、当面、9月のFOMCまでは利下げ方向の圧力がかかりやすい相場環境と考える。
投資戦略動画
製薬会社の事業モデルを理解する
この動画では、各製薬会社における主要疾患領域別売り上げ構成比、それぞれの疾患領域別の各社の商品別占有率を確認し、各企業の相対優位性に関する弊社の考え方を示す。
[製薬業界を疾患領域別市場で理解することの重要性]
‐ 製薬会社別市場:製薬業界で一定のプレゼンスを保つ製薬会社の近年の動向を確認することで、市場全体の動きや外部環境からの影響を確認することができる。
‐ 疾患領域別市場:医薬品はそれぞれ適応する疾患領域が異なるため、同水準の売上高が競合関係を示すとは限らない。疾患領域別に捉えることで、実際の競合関係の把握や正確なセグメント内における優位性の可視化が可能となる。
[製薬業界の制度面からの課題]
- 特許権:保護期間を保証する特許権が切れると、競合品が市場に台頭し従来の売上高がリスクに晒される。
- 薬価交渉制度:「メディケア」において支出額の大きい新薬から対象薬を選定し、公定薬価を設ける制度。特許権の保護期間に強制的に薬価を引き下げる制度。
- 製薬会社毎のブロックバスターの売上高の推移、将来性と安定性を確認。
[疾患領域別市場で見る製薬会社のプレゼンス]
- 疾患領域別市場の市場規模の推移や将来性と安定性について確認
- また、各市場で優位性を保っている企業についても確認。
[企業別の創薬モデルの分析例]
ファイザー、アッヴィ、ジョンソンエンドジョンソン、イーライリリー、ブリストルマーヤーズスクイブの5社を取り上げた。
アナリスト
銀行
ドイツ銀行の訴訟リスクと外部リスクをどう見るか -FY2024 Q2概要と投資評価ポイント-
本レポートでは、ドイツ銀行のFY2024 Q2までの決算と、今回の決算で注目された訴訟リスクや規制強化に伴う信用コスト増大リスクに関するアップデートも行う。信用力評価の全体像については、5月に発行した弊社の過去レポートも合わせてご参照いただきたい。
〇 ドイツ銀行債の投資評価方針 p. 2
- 個社要因(財務指標等)は事業構造改革により改善を継続。投資評価のプラス要因
- 外部要因(訴訟、経済減速、規制強化)は、投資評価のマイナス要因。
〇 ドイツ銀行の個社要因(FY2024 Q2決算概要と、財務面からの評価)p. 3
- 2019年以降、事業構造改革の継続により、純収益は安定成長。
- 主要3セグメントのうち、投資銀行事業は大幅な増収。コーポレートバンク事業とプライベートバンク事業は横ばいと減収。
〇 ドイツ銀行に影響する外部要因 p. 8
- ドイツ銀行の信用力に影響しうる3つの外部リスク要因について考察。
〇 ドイツ銀行債の投資評価 p. 12
ストラテジー
米国債全般
米ドル建て債券市場動向 週次:8月16日まで
本レポートでは、2024年8月12日から8月16日までの米国債券市場動向の状況を示すことを目的とする。
〇 米ドル建て債券起債動向 p.1
- ここでは、2024年8月12日から8月16日までの起債市場動向を確認する。
- 新規起債案件のうち発行額が大きかった銘柄は総合銀行セクターの「ドイツ銀行」、債券の本数は1本、年限は20年、優先債調達。
〇 米ドル建て社債取引動向 p.2
- 前週の取引額が多かった社債を、金融機関債と、事業会社(投資適格、投機級)に分け、それぞれ示した。
- 最も債券の取引額が多かった金融機関は「バンク オブ アメリカ」。
- 事業会社のうち、投資適格債券では「イーライリリー」が最も多い。一方、投機級債券では「オクシデンタル ペトロリアム」の取引額が多かった。
〇 米ドル建て債券価格動向 p.4
- ここでは、前週の利回り・スプレッドの時系列推移、セグメント別に比較した個別社債相場の動向を確認する。前週には国債利回りの低下に合わせ全般に低下していたが、本期間ではほぼ横ばいで推移した。
債券市場アップデート
米ドル建て債券市場動向 週次:8月19日版
2024年8月12日から8月16日までの週次の米国債券市場動向を確認し、起債市場、流通市場の取引金額、流通市場の価格変化について報告する。
(1)起債市場の傾向
起債額の特に大きかった案件は、8月16日に発行した総合銀行セクターの「ドイツ銀行」(Deutsche Bank)の151.96億ドルの起債。債券の本数は1本、年限は20年、優先債調達。TLAC拡充を目的とした大型起債案件。
2番目は、8月14日に発行した医薬品セクターの「イーライリリー」(Eli Lilly and Co)の50億ドルの起債。債券の本数は5本、年限は3~40年、優先債調達。開発コストやM&Aが拡大している製薬業界の大型起債案件。
(2)流通市場における取引金額
最も債券の取引額が多かった金融機関債は「バンク オブ アメリカ」債、次点で「JPモルガン チェース」債。
事業法人債の投資適格(IG)債では、投資適格債券では「イーライ リリィ」が最も多く、「メタ プラットフォームズ」、「メキシコ石油公社(ぺメックス)」がそれに続く形。
投機級(HY)債では、短期債務削減目標の達成がほぼ確実となった「オクシデンタル ペトロリアム」の取引額が多かった。
(3)流通市場における価格動向
- 前週の米国債金利の急落後は、修正後の水準をおおむね維持しながら推移し、5年近辺及び、流動性の乏しい11-12年近辺の金利が最も低下。
- 5年~20年にかけての順イールド化が進展。
- 低格付け債ほど利回りが縮小、縮小要因はほぼスプレッドのタイト化。利回り低下の中で、イールド・ハンティングが進んだことが原因。
- 米国籍の投資適格債で、最も価格が上昇したのはウエスタンデジタル、下落したのはディスカバリー・コミュニケーションズ。
- 外国籍の投資適格債で、最も価格が上昇したのはメキシコ石油公社(PEMEX)、下落したのはエクイノール。
債券市場アップデート
米国債券市場動向(2024年8月2日まで)
2024年6月末から8月2日までの相場動向と、7月末までの米国債券市場の新発債・流通市場の取引額等の傾向を確認した。
[債券指数レベルで見た相場動向と着目点]
- 2024年7月30日~31日のFOMC声明文等とパウエル議長の記者会見内容について確認。政策金利の目標レンジを5.25-5.50%に維持(8回連続)。
- 利下げ期待から3-5年の利回りが最も大きく下落した結果、3~20年のイールド・カーブは、全体として順イールドの傾きが強まり、長短金利差が拡大。
- 国債の利回りが低下する中、米国社債利回りも全面的に低下。ただし、社債のスプレッドは全般にワイド化。特に、短中期債と低格付け債でワイド化傾向が顕著。
[個別債券レベルで見た相場動向]
- 7月には米ドル建て個別社債(事業法人債など)の市場価格は上昇。社債の7月末の利回りは、全面的に低下。
- 米ドル建て社債の投資適格債のスプレッドは全般にワイド化が進む。投機級でもB/CC格を中心にさらにワイド化。
- 米国籍の投資適格では、公益事業、ソフトウェア&サービス、衣料、繊維製品、食品・飲料などの社債単価が上昇。投機級では、相対的に単価上昇が大きかったのは、小売(一般消費財)、ケーブルテレビ、娯楽コンテンツ、有線通信サービスなど。
- 金融債の時価上昇銘柄をみると、Zurich Holding、キーコープ、フェアファックスなど値を上げた形。相対的に値を下げたのはナショナルオーストラリア銀行など。
[米国社債の流通市場における取引動向(TRACE)]
- 投資適格の事業法人債で、多額の取引を観測したのは、ユナイテッドヘルス・グループ、ブロードコム、キンダー・モルガン等大型起債銘柄の即時売却取引。
- 価格上昇を伴う頻繁な商い対象となったのはボーイング、ボーダフォン・グループ。
- 金融機関の社債で取引量が多かったのは、米国G-SIBsのTLAC債。新発債の即時売却に伴う商いが多かった。
[米ドル建て債券の起債市場の動向]
- 2024年7月の米ドル建て社債等の起債額は、前年比+26.1%の277(10億ドル)と増加。米国籍発行体は前年比+55.7%の増加、海外発行体も前年比+13.6%の増加。
投資戦略動画
「日銀とFRB(2024年7月)」各国中銀の政策決定会合を受けた、為替見通しと外貨建て債券投資の考え方
1. 株式相場について
- 日米の株式の下落は、意味が異なる。
- 米国株は、一部のAI関連株の利益成長期待を全業種に適用した価格形成。明らかに割高感が加速していた。株式投資家が期待する早期に複数回の利下げは、オーバー・バリュエーションの正当化を金融政策に求める内容。経済減速の深刻化、といった懸念は裏付けが不十分。
- 日本株は、新規市場参加者の増加などに起因する狼狽売りはあるもののファンダメンタル面での割高感は少ない。今後も、米株の調整が生ずると連動して下げやすいものの、最大下落余地は米株よりも限定されている。
- パンデミック前のイールド・スプレッド水準を目安として、株価指数の最大下落余地を評価すると、TOPIXは1999程度、S&P500は3346程度と、米株の乖離ははるかに大きい。当面はリスク資産を現金性の高い資産に退避を推奨も、調整後は日本のバリュー株から再エントリーが効率的か。
2. 中央銀行の金融政策について
- 米連邦準備理事会(FRB)の最大責務は、雇用最大化と物価安定の2つであり、経済の安定化はこれらのミッションとも深く連動。
- 一方で、FRBは金融相場に対し何の責務も負わない。
3. 米国のマクロ経済環境
- 物価・雇用・個人消費のいずれも、深刻な経済鈍化のシグナルとまでの指標は観測されていない。
- 物価;インフレ高止まりの主因は住居費と輸送サービス費の高止まり。2024年末までの鎮静化確信は困難なペース。
- 雇用;失業者の大幅増は移民増などに起因。労働者の解雇により生じているわけではなく、景気の深刻化材料にはならない。
- 個人消費;2極化を観測。低所得者層は厳しいが、消費金額の大きい高所得者層の買い控えは、足元で車などの高額な耐久消費財のみ。生活必需品やサービス消費は減速しにくい。→ GDPの全面下落にはならない
- 金融システム;金融システムは頑健。クレジットカードや商業用不動産が極端に大きい影響を及ぼす銀行は、特定のネームに限定。
4. 投資戦略の考え方
- 当面の投資環境と相場を見る上で最も重要な点は、行き過ぎた株価のバリュエーションに対するサポート要因として期待されていた利下げタイミングが後ずれして株式相場の調整が生ずることと、経済や企業活動のファンダメンタルが悪化することは、全く異なる事象と認識すること。
- 過去のクレジットサイクルでは、株式相場の大幅下落時に社債のデフォルトも増加する傾向。ただし、金融機関の破綻は限定される事例も、(2000年のハイテクバブル、2020年のコロナ危機など)今回の調整は2000年に類似。
- 米ドル建て債券で、インカムゲインと金利低下に伴うキャピタルゲインを狙う投資戦略を推奨。
ストラテジー
米国債全般
米ドル建て債券市場動向 -2024年6月末から8月初旬まで-
本レポートでは、2024年6月末から8月初旬までの相場動向と、7月末までの米国債券市場の新発債・流通市場の取引額等の傾向を確認した。
〇 債券指数レベルで見た相場動向と着目点 p.1
- 国債の利回りが低下する中、米国社債利回りも全面的に低下。ただし、社債のスプレッドは全般にワイド化。特に、短中期債と低格付け債でワイド化傾向が顕著。
〇 個別債券レベルで見た相場動向 p.6
- 7月には米ドル建て個別社債(事業法人債など)の市場価格は上昇。社債の7月末の利回りは、全面的に低下。
- 米ドル建て社債の投資適格債のスプレッドは全般にワイド化が進む。投機級でもB/CC格を中心にさらにワイド化。
〇 米国社債の流通市場における取引動向(TRACE) p.13
〇 米ドル建て債券の起債市場の動向 p.17
〇 弊社の米国債券市場相場想定(予想、2024/8/5時点)p.21
ストラテジー
米国債全般
2024年7月FOMC声明を受けた米金融政策の今後と米ドル建て債券投資戦略
本レポートでは、2024年7月のFOMCを受け実際の経済指標を参照しつつ2024年末及びそれ以降にかけての米国債券相場と為替相場についての弊社の見方を紹介する。
◎ 2024年7月のFOMC声明、議長記者会見で示されたメッセージ (p.2)
- 政策金利の目標レンジを5.25-5.50%に維持(8回連続)。
- インフレ目標に向けた現状認識を変更、「さらに」緩やかに進展。
◎ 米国のインフレ状況と金融政策への影響 (p.4)
- (1) GDPと経済成長、(2) インフレ状況、(3)勤労者の雇用と所得、消費の状況について詳細データを確認。
- 経済指標・物価動向・労働市場のいずれの面から見ても、利下げを急ぐ段階にはない。
◎ 弊社の金利想定と着目点 (p.14)
- 弊社の米国相場想定
- 円から見た米ドル建て債券への投資スタンス
ストラテジー
米国債全般
米ドル建てシニア債のセグメント別市場レート -評価基準日2024年8月6日-
2024年7月5日から8月6日にかけての米国社債の市場動向を、2年、5年、10年と利回り水準別に分けて確認。
◎ 米国社債市場の状況:
- 米国長期債(10年)の利回りは、7月末のFOMCと雇用統計における失業者数増などを材料視した急激な株式相場の下落に連動し、7月24日の4.28%から8月2日には3.78%まで一気に低下。同時に、米国社債のスプレッドもワイド化。
- 投資適格社債(2-5年)の利回りは4.3%~5.1%(前月比約-0.35ポイント)と低下した、スプレッドは約+15.0bpsワイド化した。長期ゾーン(10年)の利回りは4.7%~5.8%と低下(前月比約-0.20ポイント)、スプレッドは約+20.0bpsワイド化した。
- 投機級(ハイイールド)では、平均利回り(2-5年)は6.0%程度。前月に比べて、利回りはわずかに低下、スプレッドは約+43.0bpsワイド化した。
◎ 米ドル建て社債サブ・ポートフォリオの分類条件 p.1
◎ 米ドル建て社債サブ・ポートフォリオの全体傾向 p.2
◎ 各米ドル建て投資適格社債(IG)サブ・ポートフォリオの個別構成 p.5
◎ 各米ドル建て投機級社債(ハイイールド)サブ・ポートフォリオの個別構成 p.13
アナリスト
テクノロジー
インテル(MDY:A3、S&P:A-、Fitch:BBB+)の事業概要と同社のクレジット投資評価
本レポートでは、Intel. Corp (インテル)の、FY2024 Q2(2024年6月期)までの四半期決算(インテルは12月末決算)を元に、インテルの経営状況や主要商品市場の現状を確認し、同社に対するクレジット評価を行う。
◎ インテルの事業概要 p.2
- インテルは、コンピューター部品及び関連製品を設計、製造、そして販売する半導体メーカーである。
- 総売上高の約半分(54%)をPC/モバイル向けCPU(CCG)事業、約30%をクラウドサービス事業者向け(DCAI)事業が占めている。
- Intel Foundry(ファウンドリー事業)以外のセグメントは、それぞれ世界的なPCやタブレット端末、データセンター、サーバー等の最終製品の需要に業績が連動している。
◎ 世界のCPU市場とインテルの市場シェアの状況 p.5
◎ インテルの業績・財務状況 p.9
◎ インテルの財務状況 p.13
◎ インテルの信用格付、及び社債の投資評価 p.16
アナリスト
一般消費財
アンハイザー・ブッシュ・インベブ(MDY:A3、S&P:A-)の事業概要と同社のクレジット投資評価
本レポートでは、Anheuser-Busch InBev N.V. (ABインベブ)の、FY2023の通期決算(ABインベブは12月末決算)を元に、ABインベブの経営状況や主要商品市場の現状を確認し、同社に対するクレジット評価を行う。
◎ ABインベブの事業概要
◎ 世界のビール市場とABインベブの市場シェアの状況
◎ ABインベブの業績状況
◎ ABインベブの財務状況
◎ ABインベブの信用格付、及び社債の投資評価
アナリスト
製薬
バイオジェン(MDY:Baa2、S&P:BBB+)の事業概要と同社のクレジット投資評価
本レポートでは、バイオジェン(Biogen Inc.)の、FY2024 Q1までの決算を元に、経営状況や主要商品市場の現状を確認し、同社に対するクレジット評価を行う。
◎ バイオジェンの事業概要 p. 2
i. バイオジェンの事業概要
- FY2023におけるセグメント別売上はおよそ半分を「多発性硬化症」、2割を「希少疾患」、「抗CD20治療」、1割を「バイオシミラー」が占める構成。
- FY2023は多発性硬化治療薬の売上が著しく落ち込んだ。主要治療薬であるTecfideraはバイオシミラー医薬品との競争により売上高は対前年度比で▲29.9%の大幅減収となった。
ii. 製薬業界におけるバイオジェンのビジネスモデルの特性
- バイオジェンは中核神経領域内でも、さらに細胞制御や脊髄性萎縮症という限られた領域で優位性を獲得。
iii. バイオジェンの主要疾患領域別の事業状況
◎ バイオジェンの業績状況 p. 14
- 四半期決算の売上は前年度同期比で減収。その他の項目における大幅な減収に加えて、多発性硬化症とバイオシミラーにおける減収が重なった結果によるもの。
- FY2023の営業損益は前年度から▲53.7%減益の1,612(百万米ドル)。新薬や独自の疾患領域を展開する医薬品の売上が好調であった一方で、多発性硬化症医薬品の減収とM&Aによる買収の影響が目立つ。
◎ バイオジェンの財務状況 p. 16
- 自己資本比率はFY2023 Q2まで順調な右肩上がり。FY2023 Q3 にM&Aの実施に伴い、一時的に落ち込んだもののFY2024 Q1には元の水準の57%台(FY2023 Q2)まで回復。
- 2024年7月に完了した買収の影響により、再び財政状況の悪化が進むと予測。前回のM&Aですでに多くの「現金・現金同等物及びSTI」を切り崩してしまった点を考慮すると、短期的には起債の可能性。中期的には安定した財務運営を優先か。
◎ バイオジェンの信用格付、及び社債の投資評価 p. 19
ストラテジー
欧州債全般
ECBによる金融政策決定会合結果(2024/7)と今後の欧州債券相場の見通し
本レポートでは、7月18日のECB声明とラガルド総裁の記者会見内容などを元に、今後のユーロ圏の金融政策の動向と相場予想に関する弊社の考え方を示す。
◎ ECBの声明文(2024/7/18)概要とその意味 p.1
- 政策金利については、
i. 政策金利は現状維持(借換えオペ金利4.25%、限界貸付ファシリティ金利4.50%、預金ファシリティ金利3.75%)、
ii. インフレ抑制目標(2%)の達成を引き続き重視。
- 金融政策は、今後もデータ次第、会合ごとのアプローチで決定。9月以降の政策金利についても何も決めていない。
◎ ECB声明の背景にあるマクロ状況 p.5
- 2024年Q1の実質GDP成長率(速報値)は+0.3%に増加。ECB予想は通年で+0.9%。個人消費支出の持ち直しと純輸出の黒字が経済回復のドライバー。
- 6月の総合消費者物価指数(HICP)は2.6%→2.5%に低下。コア物価指数(除くエネルギー・食品、前年比)は、5月から6月には2.9%→2.8%までわずかに低下。サービス価格は横ばい、一方、輸送サービスは上昇。
- 賃金指標の労働コスト指数は前年比で+5.1%とコンスタントに伸長。失業率も6.6%と、ここ数年で最低水準。
- 個人の実質購買力の拡大はインフレ要因ではあるが、経済の下支え要因にも。
◎ 弊社による相場想定 p.8
Appendix 1 資産保有額の減少に関する内容 p.12
投資戦略動画
グローバル銀行劣後債投資の考え方
日米欧の主要銀行における劣後債投資のリスク要因等の考え方について解説していきます。
1.銀行劣後社債投資の前提
2.主要銀行の劣後社債投資評価に重要な財務指標
3.地域別に見た主要銀行の収益力とそのトレンド (評価軸#1)
4.地域別に見た経営環境変化への耐性 - 非金利費用、信用コストなど – (評価軸#2)
5.地域別に見たリスク資産と資金流動性からみた安定性 (評価軸#3)
6.規制資本から見た健全性 (評価軸 #4)
7.劣後債の市場価格と投資評価
発行体:JPモルガン(JPM)、ゴールドマンサックス(GS)、シティ(CITI)、バンクオブアメリカ(BAC)、モルガンスタンレー(MS)、ウェルスファーゴ(WFC)、BNPパリバ、クレディアグリコル、ソシエテジェネラル、ING、ドイツ銀行、UBS、バークレイズ、HSBC、三菱 UFJ フィナンシャルグループ(MUFG)、三井住友フィナンシャルグループ(SMFG)、みずほフィナンシャルグループ(みずほFG)。
アナリスト
保険
第一生命のクレジット評価と社債投資の考え方
本レポートでは、2024年3月期本決算を受けた第一生命HD及びグループ傘下の第一生命等の業績の傾向とクレジット投資における投資評価の考え方を示す。
◎第一生命グループの概要、評価の方針 p. 1
- 第一生命HDは、国内の純民間四大生保(日本、第一、明治安田、住友)の1社であり、唯一の株式公開企業。
- 4社の中で第一生命は最も海外事業に積極的に取り組んでいる。
◎第一生命HDの経営状況と、国内外の事業状況 p. 5
- グループ全体での連結年換算保険料は4.8兆円となり、増収傾向。海外事業が3割程度を占める事業構成を維持。
- 第一生命グループのクレジット面での評価には連結経常利益、連結純利益の多くを占める第一生命相互会社の評価が必要。
◎第一生命(相互会社単体)の経営状況 p. 7
①. 第一生命相互会社の保険事業の状況
②. 第一生命相互会社の資産運用の状況
③. 第一生命相互会社の経常利益の状況
◎第一生命の連結/単体のソルベンシー・マージン比率、ESRの状況 p. 13
◎第一生命の信用格付けとスプレッドに債券の利回りと投資機会の考え方 p.16
投資戦略動画
2024年下半期のグローバル市況見通しと投資戦略
今後変動性の高い相場における変動要因とこれを加味した投資戦略についてご紹介します。
0. 短期と中期の違いを前提としたグローバルな変動要因
1. 主な変動要因 米大統領選、不動産・金融リスク
2. アメリカの金融政策の考え方
3. 日本の経済状況と金融政策のポイント
ストラテジー
米国債全般
米ドル建て債券市場動向 -2024年5月末から7月初旬まで-
本レポートでは、2024年5月末から7月初旬までの相場動向と、6月末までの米国債券市場の新発債・流通市場の取引額等の傾向を確認した。
〇 債券指数レベルで見た相場動向と着目点 p.1
- 2024年6月11日~12日のFOMC声明文等とパウエル議長の記者会見内容について確認。政策金利の目標レンジを5.25-5.50%に維持(7回連続)。
- FRBのドットチャートでは、政策金利の利下げ方向の予想に関するバラツキは、前回(3月)予想に比べ低下。
- 米国債の長期金利水準は、利下げ期待を反映し下落トレンドを継続していたが、月末にトランプ元大統領の再選可能性が高まると、長期金利が反転上昇。
〇 個別債券レベルで見た相場動向 p.6
- 米国籍の投資適格では衣料、繊維製品、住宅建設、ソフトウェア&サービス、公益事業などの社債単価が上昇。投機級で相対的に単価上昇が大きかったのは、航空宇宙・防衛、精製・販売、カジノ、ゲーミングなど。
〇 米国社債の流通市場における取引動向(TRACE) p.13
- 投資適格の事業法人債で、多額の取引を観測したのは、ホーム・デポ、ネクストエラエナジー・キャピタルホールディングス等大型起債銘柄の即時売却取引。
〇 米ドル建て債券の起債市場の動向 p.17
- 全体的な傾向として、信用リスクに対する懸念は後退。利回りの出る相対的に短期で低格付けの債券(劣後債を含む)の起債が大きく伸長した一方、スプレッドの低下していた長期の高格付け債の起債は落ち込んだ。
〇 弊社の米国債券市場相場想定(予想、2024/7/2時点)p.21
ストラテジー
米国債全般
米ドル建てシニア債のセグメント別市場レート -評価基準日2024年7月2日-
2024年6月4日から7月2日にかけての米国社債の市場動向を、2年、5年、10年と利回り水準別に分けて確認。
◎ 米国社債市場の状況:
- 6月には、米国長期債の利回りが一旦低下した後、トランプ元大統領の再選可能性が高まる中で再度元の水準に戻した。この間、米国社債のスプレッドもワイド化した後に反転タイト化したが、トータルで見るとワイド化した。
- 7月初旬までの投資適格社債(2-5年)の利回りは4.9%~5.6%(前月比約+0.10ポイント)と上昇した。長期ゾーン(10年)の利回りは5.1%~6.3%と、こちらも+0.15ポイント程度上昇した。
- 投機級(ハイイールド)では、平均利回り(2-5年)は6.2%程度。前月に比べて2年から10年ゾーンの利回りはわずかに上昇、スプレッドはワイド化した。
◎ 米ドル建て社債サブ・ポートフォリオの分類条件 p.1
◎ 米ドル建て社債サブ・ポートフォリオの全体傾向 p.2
◎ 各米ドル建て投資適格社債(IG)サブ・ポートフォリオの個別構成 p.5
◎ 各米ドル建て投機級社債(ハイイールド)サブ・ポートフォリオの個別構成 p.13
アナリスト
銀行
みずほフィナンシャルグループの概要と投資評価
本レポートでは、株式会社みずほフィナンシャルグループ(以下みずほFG)の発行する社債に対する投資について、FY2023の決算を元に、みずほFGの経営状況を確認し、同社に対するクレジット評価を行う。
◎みずほFGの事業概要 p.1
- みずほFGはリテール・事業法人カンパニー、コーポレート&インベストメントバンキングカンパニー、グローバルコーポレート&インベストメントバンキングカンパニー、グローバルマーケッツカンパニー、アセットマネジメントカンパニーの5セグメントで事業を展開。
- 日本の3メガ銀グループ内では事業・収益の規模は最も小さいものの伝統的にホールセール事業に強みを持つ。
◎みずほFGの事業セグメント別の経営状況 p.5
- GMCの減収・減益、AMCの減益を除き、すべての事業セグメントにおいて、増収・増益。
◎銀行の信用リスク評価の方針 p.7
i. みずほFGの収益力評価 –評価軸 #1– p.8
ii. みずほFGの環境変化への耐性 –評価軸 #2– p.13
iii. みずほFGの資金流動性とRWAあたりの収益性 – 評価軸 #3– p.17
iv. みずほFGの規制資本から見た安定性 –評価軸 #4 – p.21
◎みずほFGの資本性証券の投資評価 p.24
アナリスト
保険
住友生命のクレジット評価と社債投資の考え方
本レポートでは、2024年3月期本決算を受けた住友生命の業績の傾向とクレジット投資における投資評価の考え方を示す。
◎住友生命グループの概要・評価の方針 p. 1
-住友生命は総資産が48.2兆円(連結、単体では38.2兆円)の巨大企業である。
- 年換算保険料(2023年度)では四大生命の第2位に位置する。
◎住友生命の経営状況と、国内外の事業状況 p. 5
- グループ全体での保険料は2.6兆円となり、前年比で増加傾向。海外事業が+23.2%増。
- 住友生命単体の保険料収入は横ばい傾向であった。
◎住友生命(相互会社単体)の経営状況 p. 7
①. 住友生命の保険事業の状況
②. 住友生命の資産運用の状況
③. 住友生命の経常利益の状況
◎住友生命の連結/単体のソルベンシー・マージン比率、ESRの状況 p. 13
◎住友生命の信用格付けと、スプレッドに債券の利回りと投資機会の考え方 p.16
アナリスト
保険
明治安田生命のクレジット評価と社債投資の考え方
本レポートでは、2024年3月期本決算を受けた明治安田生命の連結・単体の業績の傾向とクレジット投資における投資評価の考え方を示す。
◎ 明治安田生命グループの概要、評価の方針 p. 1
- 明治安田生命は2024年3月期における連結年間保険料収入が3.3兆円、連結総資産が52.9兆円の巨大企業。
- 年換算保険料(2023年度)の大きさでは4大民間生命の第3位に位置する。
- 連結基礎利益は5,610億円と前年比+39.6%の大幅増益。
- 保険金支払い能力の指標であるソルベンシー・マージン比率は、連結ベースで1048.9%、明治安田生命単体ベースで994.5%と、極めて安定した水準を維持。
- 発行体格付けは、国内格付機関でAA格相当、海外格付機関でA+格相当と高い信用力評価。
◎ 明治安田生命の連結ベースの経営状況と、国内外の事業状況 p. 5
- 連結保険料(再保険を除く)は3.33兆円、前年比-9.0%の減収。
- 海外事業の保険料は15%を占め前年比+10.6%の増収。
◎ 明治安田生命(相互会社単体)の経営状況 p. 7
i. 明治安田生命の保険事業の状況
ii. 明治安田生命の資産運用の状況
iii. 明治安田生命の経常利益の状況
◎ 明治安田生命の連結/単体のソルベンシー・マージン比率、ESRの状況 p.13
◎ 明治安田生命の信用格付け、債券の投資機会の考え方 p.15
アナリスト
銀行
三井住友フィナンシャルグループの概要と投資評価ポイント
本レポートでは、株式会社三井住友フィナンシャルグループ(SMFG)の発行する社債に対する投資について、FY2023の決算を元に、SMFGの経営状況を確認し、同社に対するクレジット評価を行う。
◎SMFGの事業概要 p.1
- SMFGはホールセール事業部門、リテール事業部門、グローバル事業部門、市場事業部門の4セグメントで主な事業を展開し、その他の事業分野は本社管理に計上されている。
- 日本の3メガ銀グループでは事業・収益の規模は、MUFGに次ぐ2番手。
◎SMFGの事業セグメント別の経営状況 p.5
- リテール事業部門の減益を除いて、すべての事業セグメントにおいて、増収・増益。
◎銀行の信用リスク評価の方針 p.7
i. SMFGの収益力評価 – 評価軸 #1 – p.8
ii. SMFGの環境変化への耐性 – 評価軸 #2 – p.13
iii. SMFGの資金流動性とRWAあたりの収益性 – 評価軸 #3 – p.17
iv. SMFGの規制資本から見た安定性 – 評価軸 #4 – p.21
◎SMFGの資本性証券の投資評価 p.24
アナリスト
銀行
三菱UFJフィナンシャル・グループの概要と投資評価ポイント
本レポートでは、株式会社三菱UFJフィナンシャル・グループ(MUFG)の発行する社債に対する投資について、FY2023の決算を元に、MUFGの経営状況を確認し、同社に対するクレジット評価を行う。
◎MUFGの事業概要 p.1
-MUFGはデジタルサービス事業本部、法人・リテール事業本部、コーポレートバンキング事業本部、グローバルコマーシャルバンキング事業本部、グローバルCIB事業本部、受託財産事業本部、市場事業本部の7セグメントで事業を展開する。
-日本のメガ銀グループで最大の事業規模の金融グループであり、国内のみならず海外で積極的に事業展開し、金融システム上の重要性が高く評価されている。
◎MUFGの事業セグメント別の経営状況 p.5
-グローバルコマーシャルバンキング事業本部と市場事業本部とを除いた5セグメントすべてで増収・増益。市場事業本部以外すべて増益。
◎銀行の信用リスク評価の方針 p.8
i. MUFGの収益力評価 – 評価軸 #1 – p.9
ii. MUFGの環境変化への耐性 – 評価軸 #2 – p.13
iii. MUFGの資金流動性とRWAあたりの収益性 – 評価軸 #3 – p.17
iv. MUFGの規制資本から見た安定性 – 評価軸 #4 – p.21
◎MUFGの資本性証券の投資評価 p.24
投資戦略動画
各国中銀の政策決定会合を受けた、為替見通しと外貨建て債券投資の考え方
今回の動画は主に、アメリカと日本の経済状況・金融政策の考え方、金融相場への影響についてご説明しています。
1. アメリカの経済状況と金融政策のポイント
2. 日本の経済状況と金融政策のポイント
アナリスト
製薬
ブリストル・マイヤーズ・スクイブ(MDY:A2、S&P:A)の事業概要と同社のクレジット投資評価
本レポートでは、ブリストル・マイヤーズ・スクイブ(Bristol-Myers Squibb Co.)(以下「BMS」と表記)の、FY2024Q1までの決算を元に、BMSの経営状況や主要商品市場の現状を確認し、同社に対するクレジット評価を行う。
◎BMSの事業概要 p. 2
i. BMSの事業概要
- FY2023の売上は3割前後をがん腫瘍、免疫疾患、心臓病がそれぞれ占める構成。精神神経疾患(中核神経)領域における収益力強化に注力。
ii. 製薬業界とBMSの状況
- ブロックバスター5つの売上高合計が総売上高の75%以上を占めており、売上上位製品への依存度が高い構造となっている。
iii. BMSの主要疾患領域別の事業状況
- 疾病領域別にBMSの位置づけを確認。
◎ BMSの業績状況 p. 13
- 直近四半期の営業損益は大幅な赤字。主な要因は3件の大型買収に伴う関連費用の発生である。ただし、大型M&Aの影響を取り除いた場合、税前利益の予測に減少傾向がみられる点に注意。
◎ BMSの財務状況 p. 16
- 自己資本比率はFY2023Q4まで30%前半で安定的であった。しかし、大型M&Aの実施により直近四半期(FY2024Q1)では16.7%まで落ち込んだ。
◎ BMSの信用格付、及び社債の投資評価 p. 19
アナリスト
保険
日本生命のクレジット評価と社債投資の考え方
本レポートでは、2024年3月期本決算を受けた日本生命の連結・単体の業績の傾向とクレジット投資における投資評価の考え方を示す。
◎ 日本生命グループの概要、評価の方針 p. 1
◎ 日本生命(連結)の経営状況と国内外の事業状況 p. 5
- 日本生命の連結保険料等収入は8.6兆円となり増収傾向。ただし、増分の多くは銀行販売チャネル(前年比+64.7%)と、営業職員チャネル(前年比+21%)に起因。
◎ 日本生命(相互会社単体)の経営状況 p. 8
i. 日本生命の保険事業の状況
ii. 日本生命の資産運用の状況
iii. 日本生命の経常利益の状況
◎ 日本生命の連結/単体のソルベンシー・マージン比率、ESRの状況 p. 13
- 金融監督指標である国内ソルベンシー・マージン比率は、連結で1023%、単体で980%と極めて安定した水準を維持。民間大手生保4社の中で最も高い水準。
◎ 日本生命の信用格付け、債券の投資機会の考え方 p.16
ストラテジー
米国債全般
2024年6月FOMC声明を受けた米金融政策の今後と米ドル建て債券投資戦略
本レポートでは、2024年6月のFOMCを受け実際の経済指標を参照しつつ2024年末及びそれ以降にかけての米国債券相場と為替相場についての弊社の見方を紹介する。
◎ 2024年6月のFOMC声明、議長記者会見で示されたメッセージ (p.2)
- 政策金利の目標レンジを5.25-5.50%に維持(7回連続)。
- インフレ目標に向け緩やかに進展するも、未だ高すぎる水準と認識。
◎ FOMCにおける経済想定、金利想定についての考え方 (p.4)
- 6月のFOMCで示されたFF金利予想のポイント;
(i) 2024年内の利下げ予想が1回に減り、2025年中の利下げは4回に増加の予想、
(ii) 2024年末・2025年末のFF金利の到達点は、3月予想から+0.25%ずつ上方修正、
(iii) 2024年・2025年共に、3月時点よりも狭い範囲に。
- 6月FOMCで想定された経済状況;
(i) 2024、2025年共に3月想定よりさらにインフレ率の低下ペースに遅れが生じる、
(ii) 経済の足腰は強く、GDP修正なし、
(iii) インフレ長期化による影響で2025年以降の失業率がわずかに上方修正。
◎ 米国のインフレ状況と金融政策への影響 (p.7)
(1)GDPと経済成長;Q1のGDP大幅な減速には、個人消費の落ち込みと純輸出の低迷が影響。ただし民間国内最終需要で見ると、安定した成長を継続。
(2)インフレ状況; 5月のCPI総合、コアCPI共に、4月より若干低下。コア物価の中で構成比の大きい住居費、輸送サービス費用のいずれも高止まり。2024年末にかけてのコアCPIは+2.7%程度の水準に留まると予想。
(3)勤労者の雇用と所得、消費の状況; 低所得者と中位以上の所得者との購買力に格差、中位以上の実質所得は成長維持。雇用状況も2極化。コア労働人口(25~54歳)では人手不足が継続。失業率の増加は高齢者や若年層などに起因。
◎ 弊社の金利想定と着目点 (p.14)
アナリスト
銀行
国内主要 3 メガ銀グループの財務傾向とビジネスモデルの比較
本レポートでは、3メガ銀グループ(三菱UFJフィナンシャルグループ、三井住友フィナンシャルグループ、みずほフィナンシャルグループ)の財務傾向を比較し、AT1債他の資本性証券・社債の投資リスク特性を概観する。
〇 3メガ銀グループの特徴の概観 p.1
3メガ銀グループの特徴; SMFG(三井住友フィナンシャルグループ);伝統的銀行業に強いが規制対応に課題、みずほFG(みずほフィナンシャルグループ);非銀行業務に強いが銀行業務に課題、MUFG(三菱UFJフィナンシャルグループ);全方位で強く、他の2グループに対する相対的な優位性がより明確に顕在化。
i. 収益力評価 – 評価軸 #1 – p.2
- SMFG;伝統的に高い利益率を安定して維持。
ii. 環境変化への耐性 – 評価軸 #2 – p.8
- みずほFG;銀行業のリスク耐性は最も脆弱。市場環境の変化にも課題。
iii. バランスシート指標からみた評価 – 評価軸 #3 – p.12
- 日本はコア預金の構成比が高く、預金比率が高くても流動性危機にはなりにくい。
iv. 規制資本から見た健全性 – 評価軸 4 – p.16
- MUFGがバーゼル規制最終化を前に急速な体質改善・強化を実施。
〇 銀行証券の投資評価 p.18
Appendix. AT1債のコールスキップ動向 p.23
投資戦略動画
個人投資家の資産運用の方法:金融資産(株式・債券)、投資信託の選別法
この動画では、直近の相場環境・市場環境・経済環境を踏まえた最適な投資戦略の考え方をご紹介します。
・相場特性と個人資産運用の基本戦略方針
・今後の相場を考えるマクロ前提
・日本株式/米国株式の上昇は今後も続くのか?
・金融政策の転換可能性を考慮した投資戦略
ストラテジー
欧州債全般
ECBによる金融政策決定会合結果(2024/6)と今後の欧州債券相場の見通し
本レポートでは、6月6日のECB声明とラガルド総裁の記者会見内容などを元に、今後のユーロ圏の金融政策の動向と相場予想に関する弊社の考え方を示す。
◎ECBの声明文(2024/6/6)概要とその意味 p.1
- 政策金利については、
i. 政策金利は現状0.25%ポイント引き下げ(借換えオペ金利4.25%、限界貸付ファシリティ金利4.50%、預金ファシリティ金利3.75%)、
ii. インフレ率を適時に2%の中期目標に確実に戻すことを決意。
- 2024年3月から6月、2024年分の予想見通し修正
i. ユーロ圏消費者物価指数は上方修正(2.3%→2.5%)、
ii. コアインフレも上方修正(2.6%→2.8%)、
iii. GDP成長率も上方修正(0.6%→0.9%)。
◎ECB声明の背景にあるマクロ状況 p.5
- 2024年Q1の実質GDP成長率(速報値)は+0.3%に増加。ECB予想は通年で+0.9%。個人消費支出の持ち直しと、純輸出の赤字解消が経済回復のドライバー。
- 5月の総合消費者物価指数(速報値)は2.4%→2.6%に反転上昇。コア物価指数(除くエネルギー・食品、前年比)は、4月から5月には2.8%→2.9%までわずかに上昇。
◎弊社による相場想定 p.8
Appendix 1 資産保有額の減少に関する内容 p.12
ストラテジー
米国債全般
米ドル建て債券市場動向 -2024年4月末から6月初旬まで –
本レポートでは、2024年4月末から6月初旬までの相場動向と、5月末までの米国債券市場の新発債・流通市場の取引額等の傾向を確認した。
〇 債券指数レベルで見た相場動向と着目点 p.1
- 2024年4月30日~5月1日のFOMC声明文等とパウエル議長の記者会見内容について確認。政策金利の目標レンジを5.25-5.50%に維持(6回連続)
- 5月上旬の市場では米国債の長期金利(10年)が上昇しオーバーシュート。ただし、5月下旬には景気後退指標を受け、急速に低下方向に修正が進んだ。
- 米国債のイールド・カーブは、年限で異なる形状を示しており、5年以下は逆イールド、5~10年はフラット(同様の水準)、10~20年は順イールドに近い形状に。
〇 個別債券レベルで見た相場動向 p.6
- 米国籍の投資適格・投機級の事業債について、全般的な利回りの低下(価格上昇)の中、投資適格では
探査・生産、ハードウェア、パイプライン、公益事業などが、投機級では娯楽コンテンツ、有線通信サービスなどの社債単価が上昇。
- 金融債相場;金融債の時価上昇銘柄をみると、一部の米国地方銀行の社債が選別され値を上げた形。相対的に値を下げたのはAPACの銀行債など。
〇 米国社債の流通市場における取引動向(TRACE) p.13
- 投資適格の事業法人債で、多額の取引を観測したのは、コカ・コーラ、UPS、CVSヘルス等大型起債銘柄の即時売却取引。
〇 米ドル建て債券の起債市場の動向 p.17
- 全体的な傾向として、信用リスクに対する懸念は後退。利回りの出る相対的に短期で低格付けの債券(劣後債を含む)の起債が大きく伸長した一方、スプレッドの低下していた長期の高格付け債の起債は落ち込んだ。
〇 弊社の米国債券市場相場想定(予想、2024/6/5時点)p.21
ストラテジー
米国債全般
米ドル建てシニア債のセグメント別市場レート -評価基準日 2024年6月4日-
2024年5月6日から年6月4日にかけての米国社債の市場動向を、2年、5年、10年と利回り水準別に分けて確認。
◎米国社債市場の状況:
- 米国債券市場では、Q1のGDPの落ち込み等全体として経済の減速を受け再度利下げへの期待が高まり金利水準が切り下がった(価格は上昇)。
- 米国債の利回りが高止まりしていた時には米国社債のスプレッドもタイト化していたが、国債金利の反転下落を受け、社債のスプレッドは若干ワイド化した。ベース金利の下落を受け、社債の利回りもわずかに低下(4.7%~5.6%まで-0.10%程度の低下)したが、国債に比べれば利回りが維持されやすい傾向にある。
- 投機級(ハイイールド)では、平均利回り(2-5年)は6.0%程度。前月に比べて短期ゾーン(2年)の利回りはわずかに上昇、スプレッドはワイド化した。一方、長期ゾーンでは(5-10年)利回りは低下、スプレッドはタイト化した。
個別発行体評価
ソシエテ・ジェネラルの概要と投資評価ポイント
本動画では、ソシエテ・ジェネラルの概要と同社社債への投資を行う上での評価ポイントを解説します。
- ソシエテ・ジェネラルの利益率は欧州銀の中で相対的に低く、また減収減益傾向が続いている。これは主にフランス国内の個人向け銀行事業に起因。
- 営業費用の増加により経費率は上昇傾向。ただし信用コストは適正に管理。他行に比べ経営環境の変化に対し相対的に脆弱。特に消費者向け事業の動向に注視が必要。
- 資金流動性管理については、他行と同様の相対的に安定した調達構造を保持と評価。
- バランス・シートの積極的な拡大にもかかわらず、RWA当たりの税前利益率は低下傾向。深刻なリスクが顕在化した場合の耐性は相対的に弱い。
- 同行のAT1債にベイルインが生じる可能性は非常に限定的。しかし、欧州経済の悪化時のスプレッド再拡大と時価下落等の潜在リスクは、他の欧州G-SIBsに比べ大きい。
- フランス政府による暗黙の政府サポートの限界可能性についての、マクロン大統領の見解も参考に。
- 個人投資家などに最も効用が高いのは、シニア債とデフォルトのトリガー条件(実質破綻認定)が一致する、Tier2債(期限付劣後債)。長期のTLAC債にも投資の効用が存在。
AT1債を既に保有している投資家には、他銘柄への乗り換えの機会か。
個別発行体評価
ドイツ銀行の概要と投資評価ポイント
本動画では、ドイツ銀行の概要と同社社債への投資を行う上での評価ポイントを解説します。
- ドイツ銀行は欧州主要行の中でも収益性はかなり低いが、事業構造改革の成果が出て継続的に改善傾向。
- 同行は非金利事業が銀行事業の劣化を補完するなど、環境変化への耐性が高い。
- 同行では過度なリスク資産の積み増しは行わないままで、利益率の改善傾向を継続している。
- CET1比率は高いが、ストレス時の下方リスクも大きいのがドイツ銀行の弱さ。
- 2019~2020年頃に非常に厳しい経営状況に合ったドイツ銀行だが、その後の事業改革を経て信用格付機関も格上げを継続。当時とは全く異なる。
- ドイツ銀行のクレジット評価は、短期の利益に左右されやすい株式投資評価とは全く異なる。
- ユーロ圏最大のドイツ経済を支えるドイツ銀行に対し、ドイツ国には経済政策を通じた暗黙の政府支援余地もある。
- 一般の個人投資家に、最も投資の効用が高いのは、シニア債とデフォルトのトリガー条件(実質破綻認定)が一致する、Tier2債(期限付劣後債)。
アナリスト
製薬
ギリアド・サイエンシズ(MDY A3/S&P BBB+)の事業概要と投資評価
本レポートでは、Gilead Sciences.Inc (以下、ギリアド・サイエンシズ)の、FY2024 Q1までの決算を元に、ギリアド・サイエシズの経営状況や主要商品市場の現状を確認し、同社に対する投資評価を行う。
◎ ギリアド・サイエンシズの事業概要 p. 2
- 総売上の7割弱をHIV対処薬、各1割前後をがん腫瘍や肝臓病、Vekluryがそれぞれ占めている。
◎ ギリアド・サイエンシズの業績状況 p. 13
- 四半期決算の売上は対直前期比でやや減少。HIV項目における季節性の減収と、COVID-19蔓延の終息によるVekluryの構造的な減収が主な要因。ただし収益構造に大きな変化は見られない。
◎ ギリアド・サイエンシズの財務状況 p. 15
- 自己資本比率はFY2023Q4の36.6%まで上昇傾向を継続していたが、FY2024Q1には大型M&A実施の影響により31.0%まで▲5.6ポイントの低下。
◎ ギリアド・サイエンシズの信用格付、及び社債の投資評価 p. 18
アナリスト
銀行
ソシエテ・ジェネラルの概要と投資評価ポイント
本レポートでは、ソシエテ・ジェネラルのFY2024 Q1までの決算を元に、ソシエテ・ジェネラルの経営状況を確認し、同社に対するクレジット評価を行う。
◎ ソシエテ・ジェネラルの事業概要・セグメント情報 p. 2
- ソシエテ・ジェネラル(Societe Generale)は、フランスのパリに本社を構える銀行グループ。欧州大陸国並びにフランスの銀行では二番目の規模。主な事業は
i. 法人・機関投資家銀行事業(CIB)、
ii. 商業・個人向け銀行事業(CPBS)、
iii. 投資管理サービス(IPS)など
◎ 銀行の信用リスク評価の着目点 p.7
i. 収益力評価 - 評価軸 #1 p.8
ii. 環境変化への耐性- 評価軸 #2 p.11
iii. 資金流動性とRWA当たりの収益性 - 評価軸 #3 p.14
iv. 規制資本から見た安定性 - 評価軸 #4 p.18
◎ 資本性証券への投資評価の考え方 p.21
アナリスト
エネルギー
PEMEX(メキシコ石油公社;MDY B3/S&P BBB)のクレジット評価アップデート2024/3末
本レポートでは、メキシコ石油公社(以下、PEMEX)の財務状況に関するストレス状況や政府支援状況、同社の経営環境についてのアップデートを行うことを目的とする。
◎ PEMEXの連結決算と財務動向 p. 2
1. PEMEXの損益動向
- 昨年(FY2023)に好調だったPEMEXの業績は、直近3四半期に継続して悪化、売上高は前同期比-28%の減収、純利益も大幅な下落。
2. PEMEXの財務動向とCFの状況
- PEMEXではFY2019から現在まで巨額の債務超過が継続。FY2024 Q1の債務超過額は-15,770 億ペソ(約-14.4 兆円)と前年同期より若干改善。
3. PEMEXの金融債務と、借換え可能性
- PEMEXの総金融債務残高は、FY2022からFY2023までに1,061→1,015億米ドルに減少。
4. PEMEXへの政策支援状況
- 2019年から2024年3月末までに、政府の累計公的支援額は合計約983億米ドル(約16,401 億ペソ・日本円で約15.0兆円)。
◎ PEMEX社債の投資評価 p. 12
i. PEMEXの信用格付け状況
ii. PEMEX社債の相場状況
iii. PEMEXクレジットの見方
Appendix 1. 2024年6月のメキシコ選挙前の政治状況確認 p. 18
Appendix 2.PEMEXの生産状況 p. 20
Appendix 3.PEMEXの四半期売上高・営業利益と原油価格の関係 p. 23
投資戦略動画
各国中銀の政策決定会合を受けた、為替見通しと外貨建て債券投資の考え方
今回の動画は、基本的に米国の政策金利や経済の状況に基づく、今後の金利・為替相場の予想をご案内しています。
1. 金融政策の影響を強く受ける「資金需給相場」の終焉のタイミングは?
2. 2024年4-5月のFOMC、日銀政策決定会合の結果と経済状況
3. 米国経済の状況と米ドル建て相場への影響
4. 日本経済の状況と円建て相場への影響
5. 2024年5月以降の相場と投資戦略
アナリスト
銀行
ドイツ銀行の概要と投資評価ポイント
本レポートでは、ドイツ銀行(Deutsche Bank)の、FY2024第1四半期 (2024年1–3月)までの決算を元に、ドイツ銀行の経営状況の現状を確認し、同社に対するクレジット評価を行う。
◎ ドイツ銀行の事業概要 p.2
- ドイツ銀行は、ドイツ国内で最大の資産規模を持つ銀行であり、ドイツ唯一のG-SIBs(グローバルなシステム上重要な金融機関)。
◎ 事業セグメント別の動向 p.4
- ドイツ銀行の事業セグメントは、コーポレートバンク(CB)、投資銀行(IB)、プライベートバンク(PB)、アセットマネジメント(AM)の4つに大別。直近決算では、伝統的銀行事業を営むCB事業の落ち込みを、IB事業などの非金利事業が補完。
◎ 銀行の信用リスク評価の着目点 p.8
i. 収益力評価 - 評価軸 #1 p.9
ii. 環境変化への耐性- 評価軸 #2 p.12
iii. 資金流動性とRWA当たりの収益性 - 評価軸 #3 p.16
iv. 規制資本から見た安定性 - 評価軸 #4 p.21
◎ 資本性証券への投資評価の考え方 p.25
アナリスト
銀行
主要米銀6行のFY2024 Q1決算まとめ
主要米銀行6行(ゴールドマン・サックス (GS)、JPモルガン・チェース・アンド・カンパニー (JPM)、ウェルズ・ファーゴ (WF)、バンク・オブ・アメリカ (BAC)、シティグループ (CITI)、モルガン・スタンレー (MS))を参照し、FY2024 Q1において各行が発表した決算をもとにその財務傾向とビジネスの業況について確認する。
◎ 主要米銀6行のFY2024 Q1における業績・財務状況まとめ p.1
- 純収益は前期(FY2023 Q4)比では全6行が増収となった。
- 税引前利益は、前期比では全6行が増益となったものの、前年同期(FY2023 Q1)比では商業銀行が減益となった。
◎ 主要米銀6行の直近四半期(FY2024 Q1)におけるバランスシート傾向 p.6
- 個別行で、積極的にリスクを取りRWAを積み増していたのはBAC、JPM、MS。特にBACの積極姿勢は突出。
◎ 主要米銀6行のFY2024 Q1におけるビジネスセグメント別の業況 p.7
- マーケッツ関連業務の収益は前期比では増収となったものの、前年比では減収基調。
- ホールセール業務の収益は、企業のM&A案件や債券による資金調達の回復により、全体的に増収となった
◎ 主要米銀6行の規制資本証券の市場価格の傾向 p.9
- 米銀のAT1証券のスプレッドは100bps~200bps程度まで大幅なタイト化(除くGS)。
- 米銀のTLAC債券のスプレッドは概ね68~80bps程度、過去1ヶ月でタイト化が進む。
ストラテジー
米国債全般
米ドル建てシニア債のセグメント別市場レート -評価基準日2024年5月6日-
2024年4月5日から年5月6日にかけての米国社債の市場動向を、2年、5年、10年と利回り水準別に分けて確認。
◎米国社債市場の状況:
- 政策金利の目標レンジを5.25-5.50%に維持(6回連続)。
- 証券保有額の継続的な削減(QT)は継続するもペースダウン(6月以降、米国債の毎月の償還上限を600億ドルから250億ドルへ引き下げ)。現在の政策金利水準をより長期間に渡り維持することで、インフレ対策を重視。「どれだけ長く制約的な政策を続けるか」が主たる論点。
ストラテジー
米国債全般
米ドル建て債券市場動向 -2024年3月末から5月初旬まで-
本レポートでは、2024年3月末から5月初旬までの相場動向と、4月末までの米国債券市場の新発債・流通市場の取引額等の傾向を確認した。
◎ 債券指数レベルで見た相場動向と着目点 p.1
- 2024年4月30日から5月1日のFOMC声明文等とパウエル議長の記者会見内容について確認。政策金利の目標レンジを5.25-5.50%に維持(6回連続)。
- 米国債利回りは1月~5月初頭にかけ反転・上昇傾向を継続。短期は動きにくく、中長期が差を埋める形。全体としてフラット化。
- 米国社債利回りは、国債の利回り上昇に伴い全面的に上昇。ただし、スプレッドのタイト化がより強く影響した相場となり、国債よりもマイルドな利回り上昇ペース。
◎ 個別債券レベルで見た相場動向 p.6
- 米国籍の投資適格・投機級の事業債相場;全般的に利回りは上昇、スプレッドはタイト化。投資適格で相対的に単価上昇が大きかったのは探査・生産、パイプライン、公益事業、旅客航空輸送業などの社債。投機級では、探査・生産、自動車部品などで社債単価の上昇を観測。
◎ 米国社債の流通市場における取引動向(TRACE) p.13
- 投資適格の事業法人債で、多額の取引を観測したのは、ボーイング、ダイヤモンドバック・エナジー等大型起債銘柄の即時売却。投機級の事業法人債で、時価上昇を伴いつつ商いの対象となったのは、クラウド・ソフトウエア・グループ、テネコ。
◎ 米ドル建て債券の起債市場の動向 p.17
- 2024年4月の米ドル建て社債等の起債額は、前年比+5.5%の281(10億ドル)と増加。年初来4カ月連続で高水準な起債額が継続。
◎ 弊社の米国債券市場相場想定(予想、2024/5/2時点)p.21
ストラテジー
米国債全般
2024年5月FOMC声明を受けた米金融政策の今後と米ドル建て債券投資戦略
本レポートでは、2024年5月のFOMCを受け実際の経済指標を参照しつつ、2024年末及びそれ以降にかけての米国債券相場についての弊社の見方を紹介する。
◎ 2024年5月のFOMC声明、議長記者会見で示されたメッセージ (p.2)
- 政策金利の目標レンジを5.25-5.50%に維持(6回連続)。
- バランスシートと量的緩和政策からの正常化(QT)をペースダウン。
- 政策金利の引き下げタイミングはデータ次第。
◎ 米国のインフレ状況と金融政策への影響 (p.7)
- 3月のCPI総合は2月より若干上昇。コアCPIは、2月から横ばい。
- コア物価の中で構成比の大きい住居費は上振れ、供給者側の賃料単価の傾向とは異なる傾向。CPIの変動要因も複雑化、安定化の確信を得にくい環境。
◎ 弊社の金利想定と着目点 (p.14)
投資戦略動画
保険ハイブリッド劣後債の投資機会の考え方
この動画では国内生命保険ハイブリッド劣後債投資の論点について「監督規制」「ファンダメンタルの傾向と差」「ハイブリッド劣後債投資」の3つの論点から解説いたします。
投資戦略動画
主要邦銀のAT1債投資の観点
本セミナーでは、邦銀(3メガバンク)が2023年後半起債を開始した、米ドル建ての永久劣後債(AT1債)を念頭に、邦銀債特有の信用評価指標について解説する。
主なポイントは下記の通り。
[資本性証券の商品性の論点]
- 米ドル建てと円建ての邦銀AT1債の契約条項の比較。
国内外の債券格付け格差の考え方。
[銀行規制面からの論点]
- 国内メガバンクに対する日本国内の銀行監督制度とセイフティネットワークの規定
なぜ邦銀のAT1債(永久劣後債)には、クレディスイスのようなベイルインが生じにくいのか?
[ファンダメンタル面からの論点]
- 邦銀特有の安定性を示すファンダメンタル指標
- なぜ開示CET1比率と、MUFG vs SFMGのAT1債スプレッドは逆転しているのか?
アナリスト
銀行
BNPパリバの概要と投資評価ポイント
本レポートでは、BNP パリバ(BNP PARIBAS)の、FY2023 第4四半期 (2023年10月 – 12月)決算を元に、BNPパリバの経営状況現状を確認し、同社に対するクレジット評価を行う。
◎ BNPパリバの事業概要・セグメント情報 p. 2
- BNPパリバは、フランスのパリに本社を構える銀行グループ。欧州大陸国並びにフランスの銀行では最大。
- 同社の事業セグメント別情報は、大きく (i) 法人・機関投資家銀行事業(Corporate & Institutional Banking、CIB)、(ii) 商業・個人向け銀行事業(Commercial, Personal Banking & Services、CPBS)、(iii) 投資管理サービス(Investment & Protection Services、IPS)の3つに分けられる。
◎ 銀行の信用リスク評価の着目点 p. 8
i. 収益力評価 - 評価軸 #1 - p. 9
ii. 環境変化への耐性 - 評価軸 #2 - p. 12
iii. 資金流動性とRWA当たりの収益性 - 評価軸 #3 - p. 16
iv. 規制資本から見た安定性 - 評価軸 #4 – p. 20
◎ 資本性証券への投資評価の考え方 p. 23
アナリスト
製薬
アッヴィ(MDY:A3、S&P:A-)の事業概要と同社のクレジット投資評価
本レポートでは、AbbVie. Corp (以下、アッヴィ)の、FY2023 Q4までの四半期決算を元に、アッヴィの経営状況や主要商品市場の現状を確認し、同社に対するクレジット評価を行う。
◎ アッヴィの事業概要 p. 2
- アッヴィは、免疫疾患、神経科学、がん腫瘍、美容系、アイケアなどの疾患領域に強みがある医薬品メーカー。
- 主要製薬会社中で売上高4位(FY2023)。
- 総売上のおよそ半分を免疫系医薬品、30%強を神経科学系、がん腫瘍、美容系医薬品が占めている。
◎ アッヴィの業績状況 p.12
- アッヴィのFY2023 Q3-Q4決算:売上高、営業利益は共にFY2023Q3から増収となったものの、対前年比では減収、減益。
◎ アッヴィの財務状況 p.15
- 自己資本比率は前年度同期比で5%ほど減少し7.7%に低下。
- 有利子負債返済の余力指標である「ネット有利子負債/EBTDA倍率」も過去3年間に改善傾向。
◎ アッヴィの信用格付、及び社債の投資評価 p.18
ストラテジー
欧州債全般
ECBによる金融政策決定会合結果(2024/4)と今後の欧州債券相場の見通し
本レポートでは、4月11日のECB声明とラガルド総裁の記者会見内容などを元に、今後のユーロ圏の金融政策の動向と相場予想に関する弊社の考え方を示す。
◎ECBの声明文(2024/4/11)概要とその意味 p.1
- 政策金利については、i) 政策金利は現状維持(借換えオペ金利4.50%、限界貸付ファシリティ金利4.75%、預金ファシリティ金利4.00%)、ii) 利上げの打ち止めと現水準を長期維持に関する表現(ensure)を継続。データ次第で利下げに踏み切る可能性を明示。
- 証券保有残高については、前回までの方針を維持。i) APP保有分は、7月以降に月あたり約150億ユーロの減額。ii) PEPP保有分は、2024年6月末までは100%再投資、7月から12月末までは50%再投資、2025年1月以降再投資なし。
- データ次第で利下げに踏み切る可能性を明示的に示した。
◎ECB声明の背景にあるマクロ状況 p.7
- 2023年Q4のGDP成長率はちょうど±0%。前四半期比で+0.1%の増加。2024年の実質GDP成長率の見通しは2024年3月に+0.6%まで下方修正。
- 3月の総合物価指数インフレ率(HICP、速報値)は2.6%→2.4%まで引き続き低下。
◎弊社による相場想定 p.10
投資戦略動画
グローバル銀行劣後債投資の考え方
- この動画では、銀行の財務動向や市場動向などを加味した、個別銀行毎の投資機会に関する解説を行います。
- 米銀・欧州銀について、FY2023 Q4までの財務データや2023/4初旬までの市場データに基づく投資評価を行います。
アナリスト
銀行
ウェルズ・ファーゴグループの概要と投資評価ポイント
本レポートでは、ウェルズ・ファーゴ(Wells Fargo & Company、WFC)の発行する社債に対する投資について、FY2023の決算を元に、同社の経営状況を確認し、同社に対するクレジット評価を行う。
◎ ウェルズ・ファーゴの事業概要 p.1
- ウェルズ・ファーゴは、消費者向け銀行(CBL)、商業銀行(CB)、法人向け&投資銀行(CIB)、富裕層・投資顧問(WIM)の4セグメントで事業を展開。
◎ ウェルズ・ファーゴの事業セグメント別の経営状況 p.5
- 消費者向け銀行(CBL;コンシューマー・バンキング&レンディング)事業は、利上げによる純金利収入の増収がセグメントの増収を牽引し、純収益は前年(FY2022)比+5.9%の増収。
- 商業銀行(CB;コマーシャル・バンキング)事業は、金利上昇やローン残高の増加による純金利収入の増収がセグメント全体の増収を牽引し、純収益は前年(FY2022)比+23.2%の増収。
◎ 銀行の信用リスク評価の方針 p.7
i. ウェルズ・ファーゴの収益力評価 – 評価軸 #1 – p.8
ii. ウェルズ・ファーゴの環境変化への耐性 – 評価軸 #2 – p.12
iii.ウェルズ・ファーゴの資金流動性とRWA当たり収益性 – 評価軸 #3 – p.15
iv. ウェルズ・ファーゴの規制資本から見た健全性 – 評価軸 #4 – p.19
◎ ウェルズ・ファーゴの資本性証券の投資評価 p.23
アナリスト
銀行
モルガン・スタンレーの概要と投資評価ポイント
本レポートでは、モルガン・スタンレー(Morgan Stanley)の発行する社債に対する投資について、FY2023の決算を元に、モルガン・スタンレーの経営状況を確認し、同社に対するクレジット評価を行う。
◎ モルガン・スタンレーの事業概要 p.1
- 法人・機関投資家向け証券業務、ウェルス・マネジメント業務、資産運用業務の3つのセグメントで事業を展開する。
- 法人・機関投資家向け証券業務が収益の約半分を占める投資銀行であるが、近年は資産管理型の事業を急速に拡大している。
◎ モルガン・スタンレーの事業セグメント別の経営状況 p.5
- モルガン・スタンレーは、法人・機関投資家向け証券業務(Institutional Securities、IS)、ウェルス・マネジメント業務(Wealth Management、WM)、資産運用業務(Investment Management、IM)3つセグメントで事業を展開。
◎ 銀行の信用リスク評価の方針 p.7
i. モルガン・スタンレーの収益力評価 – 評価軸 #1 – p.9
ii. モルガン・スタンレーの環境変化への耐性 – 評価軸 #2 – p.12
iii.モルガン・スタンレーの資金流動性とRWA当たり収益性 – 評価軸 #3 – p.15
iv. モルガン・スタンレーの規制資本から見た健全性 – 評価軸 #4 – p.19
◎ モルガン・スタンレーの資本性証券の投資評価 p.23
アナリスト
銀行
JPモルガンの概要と投資評価ポイント
本レポートでは、JPモルガン・チェース・アンド・カンパニー(JPMorgan Chase & Co.、JPM)の発行する社債に対する投資について、FY2023の決算を元に、JPモルガンの経営状況を確認し、同社に対するクレジット評価を行う。
◎ JPモルガンの事業概要 p.1
- コンシューマー&コミュニティ・バンキング、コーポレート&インベストメント・バンキング、コマーシャル・バンキング、アセット&ウェルスマネジメントの4セグメントで事業を展開。
- 商業銀行のみならず投資銀行業務、資産管理型業務も展開し、投資銀行手数料はFY2023のグローバルシェア1位となっている。
◎ JPモルガンの事業セグメント別の経営状況 p.5
- コンシューマー&コミュニティ・バンキング(CCB)はFY2023通期の純収益は、預金マージンの拡大やクレジットカードのリボ残高の増加により前年(FY2022)比で+27.5%の増収。
- コーポレート&インベストメント・バンキング(CIB)はFY2023通期の純収益は、前年(FY2022)比で+1.9%の増収。
◎ 銀行の信用リスク評価の方針 p.8
i. JPモルガンの収益力評価 – 評価軸 #1 – p.9
ii. JPモルガンの環境変化への耐性 – 評価軸 #2 – p.13
iii.JPモルガンの資金流動性とRWA当たり収益性 – 評価軸 #3 – p.16
iv. JPモルガンの規制資本から見た健全性 – 評価軸 #4 – p.20
◎ JPモルガンの資本性証券の投資評価 p.24
アナリスト
銀行
シティグループの概要と投資評価ポイント
本レポートでは、シティグループ(Citigroup Inc.,、CITI)の発行する社債に対する投資について、FY2023の決算を元に、シティの経営状況を確認し、同社に対するクレジット評価を行う。
◎ シティグループの事業概要 p.1
- シティは、サービス部門、マーケッツ部門、バンキング部門、USパーソナル・バンキング部門、ウェルズ部門の5セグメントで事業を展開。
- シティは2015年以降事業の再編を続けており、主に米国外のリテール・バンキング事業の撤退・縮小を進め、FY2023 Q4以降は組織再編に伴いセグメントが変更された。
◎ シティグループの事業概要とセグメント分類 p.5
- サービス部門は、利上げにより純金利収入は増収だったものの、アルゼチンペソ切り下げの影響で非金利収入は減収し、合わせて純収益は前年(FY2022)比+15.6%の増収。
◎ 銀行の信用リスク評価の方針 p.8
i. 収益力の評価 – 評価軸 #1 – p.9
ii. 環境変化への耐性 – 評価軸 #2 – p.13
iii.資金流動性とRWA当たり収益性 – 評価軸 #3 – p.16
iv. 規制資本から見た健全性 – 評価軸 #4 – p.20
◎ シティグループの資本性証券の投資評価 p.24
アナリスト
銀行
バンク・オブ・アメリカの概要と投資評価ポイント
本レポートでは、バンク・オブ・アメリカ・コーポレーション(Bank of America Corporation, BAC)の発行する社債に対する投資について、FY2023の決算を元に、バンク・オブ・アメリカの経営状況を確認し、同社に対するクレジット評価を行う。
◎ バンク・オブ・アメリカの事業概要 p.1
- バンク・オブ・アメリカは、コンシューマー・バンキング、グローバル・バンキング、グローバル・ウェルス&インベストメント・マネジメント、グローバル・マーケッツの4セグメントで事業を展開。
◎ バンク・オブ・アメリカの事業セグメント別の経営状況 p.5
- コンシューマー・バンキング(CB)は、利上げの影響で純金利収入は増収した一方、各種手数料の引き下げ・廃止により非金利収入は減収し、併せてFY2023通期の純収益は前年(FY2022)比で+8.8%の増収。
- グローバル・バンキング(GB)は、純金利収入は増収、非金利収入は投資銀行業務の不調で減収し、併せてFY2023通期の純収益は前年比でほぼ横ばい。
◎ 銀行の信用リスク評価の方針 p.7
i. 収益力評価 – 評価軸 #1– p.8
ii. 環境変化への耐性 – 評価軸 #2 – p.12
iii.資金流動性とRWA当たり収益性 – 評価軸 #3 – p.15
iv. 規制資本から見た健全性 – 評価軸 #4 – p.19
◎ バンク・オブ・アメリカの資本性証券の投資評価 p.23
ストラテジー
米国債全般
米ドル建て債券市場動向 -2024年2月末から4月初旬まで –
本レポートでは、2024年2月末から4月初旬までの相場動向と、2月末までの米国債券市場の新発債・流通市場の取引額等の傾向を確認した。
◎ 債券指数レベルで見た相場動向と着目点 p.1
- 2024年3月のFOMC声明文等とパウエル議長の記者会見内容について確認。政策金利の目標レンジを5.25-5.50%に維持(5回連続)。
- 米国社債利回りは、国債の利回りが上昇する中、米国社債利回りは、短期債では上昇したが、長期債では逆に低下した。スプレッドのタイト化がより強く影響した相場となった。
◎ 個別債券レベルで見た相場動向 p.7
- 米国籍の投資適格・投機級の事業債相場;全般的にスプレッドがタイト化。投資適格では、ハードウェア、旅行&宿泊施設、石油・ガスサービス・設備等で社債単価が上昇。投機級では、娯楽コンテンツ、航空宇宙・防衛、自動車部品等の消費者関連業種で幅広い社債単価の上昇を観測。
◎ 米国社債の流通市場における取引動向(TRACE) p.14
- 投資適格の事業法人債で、多額の取引を観測したのは、ブリストル マイヤーズ スクイブ、アッヴィ、シスコシステムズ等大型起債銘柄の即時売却。
- 金融機関の社債で、取引量が多かったのは、米国G-SIBsのTLAC債、この他、JPモルガンのAT1証券も。
◎ 米ドル建て債券の起債市場の動向 p.18
- 2024年3月の米ドル建て社債等の起債額は、前年比+10.7%の326(10億ドル)と増加。2024年1月から3カ月連続で高水準な起債額が継続。
- 米国籍発行体の起債額は前年比+2.2%の増加、米国籍以外の海外発行体が前年比+19.1%の増加と、新規起債額全体の増加を牽引。
◎ 弊社の米国債券市場相場想定(予想、2024/4/2時点)p.22
アナリスト
銀行
ゴールドマン・サックスの概要と投資評価ポイント
本レポートでは、ゴールドマン・サックス・グループ(The Goldman Sachs Group Inc、GS)の発行する社債に対する投資について、FY2023の決算を元に、ゴールドマン・サックスの経営状況を確認し、同社に対するクレジット評価を行う。
◎ ゴールドマン・サックスの事業概要 p.1
- 法人・機関投資家向け業務を行うグローバルバンキング・マーケッツ、投資顧問・ウェルス・マネジメントを提供するアセット・ウェルス・マネジメント、クレジットカード・無担保ローンなどを提供するプラットフォーム・ソリューションズの3セグメントで事業を展開。
- グローバルバンキング・マーケッツが収益の65%以上を占める投資銀行であるが、近年は資産管理型の事業を拡大している。
◎ ゴールドマン・サックスの事業セグメント別の経営状況 p.5
- ゴールドマン・サックスの純収益のうち、法人・機関投資家向けのグローバルバンキング・マーケッツが全体の65%、個人・ミドルマーケット法人向けのアセット・ウェルス・マネジメントが全体の30%、プラットフォーム・ソリューションズが全体の5%を占めていた。
◎ 銀行の信用リスク評価の方針 p.7
i. 収益力評価 – 評価軸 #1– p.8
ii. 環境変化への耐性 – 評価軸 #2– p.12
iii.資金流動性とRWA当たり収益性 – 評価軸 #3– p.15
iv. 規制資本から見た健全性 – 評価軸 #4– p.18
◎ ゴールドマン・サックスの資本性証券の投資評価 p.22
ストラテジー
米国債全般
米ドル建てシニア債のセグメント別市場レート -評価基準日2024年3月28日-
2024年3月1日から年3月28日にかけての米国社債の市場動向を、2年、5年、10年と利回り水準別に分けて確認。
◎米国社債市場の状況:
- 政策金利の目標レンジを5.25-5.50%に維持(5回連続)。
- バランスシートと量的緩和政策からの正常化(QT)のペースについて、パウエル議長の記者会見では早期のペースダウンに言及。利下げ時期の後ずれも示唆。
- 3月FOMCで想定された経済状況;
(i)2024年中は当初想定ほどインフレ率の低位安定化は進まない、
(ii)経済の足腰は強くすぐに利下げによる景気刺激を要しない、
(iii)念のため、QTのペースダウンにより一部金融機関に起因した想定外のシステミックリスクを生まないよう事前対応。
- 米国社債市場のスプレッドは割高感が感じられた投資適格のスプレッドがわずかにタイト化した。
- 投機級(ハイイールド)など低格付けの社債では利回りを求める動きもわずかにタイト化していた。
◎ 米ドル建て社債サブ・ポートフォリオの分類条件 p.1
◎ 米ドル建て社債サブ・ポートフォリオの全体傾向 p.2
◎ 各米ドル建て投資適格社債(IG)サブ・ポートフォリオの個別構成 p.5
◎ 各米ドル建て投機級社債(ハイイールド)サブ・ポートフォリオの個別構成 p.13
ストラテジー
製薬
製薬会社別・疾患領域別に捉える製薬市場の動向
本レポートでは、各製薬会社の主要疾患領域とそれぞれの疾患領域別の占有率を確認し、企業の優位性に関する弊社の考え方を示す。
◎ 前提
- 製薬会社別市場:製薬業界で一定のプレゼンスを保つ製薬会社の近年の動向を確認することで、市場全体の動きや外部環境からの影響を確認することができる。
- 疾患領域別市場:医薬品はそれぞれ適応する疾患領域が異なるため、同水準の売上高を保っていることが競合関係に直結すると限らない。疾患領域別市場で捉えることで、実際の競合関係の把握や正確なセグメント内における優位性の可視化につながる。
- 特許権:保護期間を保証する特許権が切れると、競合品が市場に台頭し従来の売上高がリスクに晒される。
- 薬価交渉制度:「メディケア」において支出額の大きい新薬から対象薬を選定し、公定薬価を設ける制度。特許権の保護期間に強制的に薬価を引き下げる制度。
- 製薬会社ごとのブロックバスターの売上高の推移や、それぞれの将来性と安定性について確認する。
- 疾患領域別市場の市場規模の推移や将来性と安定性について確認する。また、各市場で優位性を保っている企業についても確認。
◎ 製薬業界を疾患領域別市場で理解することの重要性 p.1
◎ 製薬業界の制度面からの課題 p.2
◎ 製薬会社別で捉える製品別収益動向 p.5
◎ 疾患領域別市場で見る製薬会社のプレゼンス p.11
◎ まとめ p.19
投資戦略動画
各国中銀の政策決定会合を受けた、為替見通しと外貨建て債券投資の考え方
今回の動画は、基本的に米国の政策金利や経済の状況に基づく、今後の金利・為替相場の予想をご案内しています。
1.金融政策の影響を強く受ける「資金需給相場」の終焉のタイミングは?
2.2024年3月のFOMC、日銀政策決定会合の結果と経済状況
3.米国経済の状況と米ドル建て相場への影響
4.日本経済の状況と円建て相場への影響
5.2024年4月以降の相場の見方
個別発行体評価
ブラジル国債投資
本動画では米ドル建てブラジル国債投資の効用について解説します。
◎ブラジルは、米州で2番目(カナダより大きい)のGDP規模を有し、サービス産業も成熟した準先進国。インフレ抑制に成功、先進国に先がけ2023年下半期から利下げサイクルに入る。グローバル・サウスの盟主の一国として全方位外交を実施。国際政治上の存在感も高まっている。
◎格付はBB格だが、GDP規模が一定以上大きい国が戦争以外の原因でデフォルトを起こすことは少ない。レアルと米ドルの利回り格差が縮まる中、為替レートに起因する変動リスクが大きいレアル建て債よりも米ドル建て債での安定利回り確保を推奨。
◎みなし外国税額控除により利金に関する源泉分離課税の還付が受けられる。表面利回り以上に相対的な投資の優位性は高い。
アナリスト
銀行
主要欧州5行の財務傾向と資本性証券投資の考え方
本レポートでは、欧州ユーロ圏の主要銀行5行(BNPパリバ、クレディアグリコル、ソシエテ・ジェネラル、ING、ドイツ銀行)を参照し、その財務傾向とビジネス・モデルの差異やその変化を比較・確認する。その上で、各行の発行した資本性証券・社債への投資におけるクレジットリスクの評価ポイントについて概観した。
◎投資評価上の観点
i. 収益力評価 – 評価軸 #1 – p.3
ii. 環境変化への耐性 – 評価軸 #2 – p.7
iii. 資金流動性とRWA当たり収益性 – 評価軸 #3 – p.10
iv. 規制資本から見た健全性 – 評価軸 4 – p.15
v. 銀行証券の投資評価 p.18
ストラテジー
米国債全般
2024年3月FOMC声明を受けた米金融政策の今後と米ドル建て債券投資戦略
本レポートでは、2024年3月のFOMCを受け実際の経済指標を参照しつつ、2024年末及びそれ以降にかけての米国債券相場についての弊社の見方を紹介する。
◎ 2024年3月のFOMC声明、議長記者会見で示されたメッセージ (p.2)
- 政策金利の目標レンジを5.25-5.50%に維持。
- パウエル議長の記者会見では早期のペースダウンに言及。利下げ時期の後ずれも示唆。
◎ FOMCにおける経済想定、金利想定についての考え方 (p.5)
- 3月FOMCで想定された経済状況;
i. 2024年中は当初想定ほどインフレ率の低位安定化は進まない、
ii. 経済の足腰は強くすぐに利下げによる景気刺激を要しない、
iii. 念のため、QTのペースダウンにより一部金融機関に起因した想定外のシステミックリスクを生まないよう事前対応。
- コアCPIが年内の利下げタイミングや水準の予想修正に最も影響しやすい。
◎ 米国のインフレ状況と金融政策への影響 (p.8)
- 米国経済は個人消費支出が牽引。
- 緊急経済対策の観点から金融緩和を早期に行う必然性はない。
- 2月の総合CPI指数、コアCPIは、いずれもわずかに反転上昇。インフレ解消への道筋は明らかだが、後ずれしやすい。
◎ 弊社の金利想定と着目点 (p.13)
ストラテジー
製薬
グローバル製薬業界の特性と評価のポイント
本レポートでは、主要製薬会社の財務情報やFDA開示情報などを元に、製薬業界の現状と開発コストを主とする負荷に関するポイントをまとめ、同業界への投資リスクを理解するためのポイントを確認する。製薬業界には、他業界では見られないような構造上の問題点や環境上の問題点が見られ、そうした業界の特性を踏まえて各企業の投資評価を行う必要がある。そのため、着目点の整理と理解が重要となる。
以下では、最初に投資機会の規模を確認した後、ビジネスモデルの理解に必要な下記の各項目について、順に確認する。
-製薬業界における新製品の開発(創薬)の現状(p.4)
-創薬コスト(研究開発費)の高騰 (p.7)
-特許権の期限から捉える製薬業界の変容 (p.10)
-インフレ抑制法(IRA)成立による収益機会への影響(p.13)
-製品化後の製薬市場の差別化要因と構造的リスク要因(p.16)
アナリスト
銀行
CoCo債の発行・償還動向(データ集)
本レポートでは、国内でCoCo債と呼ばれる銀行の規制資本であるAT1証券の発行・償還動向と、将来の発行動向を予想する材料として想定償還スケジュール(初回コール日ベース)についての情報提供を目的とする。
- 世界の金融システム上重要な銀行(G-SIBs)
- AT1の発行・償還・残高推移
- AT1の償還予定
- AT1債のコールスキップ事例とその傾向
投資戦略動画
直近の経済環境を加味した、金融資産(株式・債券)、投資信託の選別法と最適分散投資
【前提】最近の相場の特徴
・日本株/米国株式の上昇は今後も続くのか?
・金融政策が転換した場合の相場への影響は?
・分散投資と選択投資、どちらが有効なのか?
・なぜリターンが低く見える債券投資が有効なのか?
ストラテジー
欧州債全般
ECBによる金融政策決定会合結果(2024/3)と今後の欧州債券相場の見通し
本レポートでは、2024年3月7日のECB声明とラガルド総裁の記者会見内容などを元に、今後のユーロ圏の金融政策の動向と相場予想に関する弊社の考え方を示す。
◎ECBの声明文(2024/3/7)概要とその意味 p.1
- 政策金利については、
i. 政策金利は現状維持(借換えオペ金利4.50%、限界貸付ファシリティ金利4.75%、預金ファシリティ金利4.00%)、
ii. 利上げの打ち止めと現水準を長期維持に関する表現(ensure)を継続。
- 2023年12月から2024年3月、2024年分の予想見通し修正:
i. ユーロ圏消費者物価指数は下方修正(2.7%→2.3%)、
ii. コアインフレも下方修正(2.7%→2.6%)、
iii. GDP成長率も下方修正(0.8%→0.6%)。
- 証券保有残高については、特にPEPP分について重大な方針変更。
i. APP保有分は、7月以降に月あたり約150億ユーロの減額。
ii. PEPP保有分は、2024年6月末までは100%再投資、7月から12月末までは50%再投資、2025年1月以降再投資なし。
◎ECB声明の背景にあるマクロ状況 p.8
- 1月の総合物価指数インフレ率(HICP)は2.9%→2.8%まで若干の反転下落。コア物価(除くエネルギー・食品)は、2023年12月から2024年1月には
3.9%→3.6%まで若干低下。
- 生産者物価については、一時的には年率40%以上に転じた後のテクニカルな影響もあり、前年比上昇率が(2月)-8.6%まで急低下。
◎弊社による相場想定 p.10
ストラテジー
米国債全般
米ドル建て債券市場動向 -2024年1月末から3月初旬まで –
本レポートでは、2024年1月末から3月初旬までの相場動向と、2月末までの米国債券市場の新発債・流通市場の取引額等の傾向を確認した。
◎ 債券指数レベルで見た相場動向と着目点
- 米国債利回りは2023年末にかけて過度な低下傾向を示したが、1月~3月初頭にかけ反転・上昇傾向を継続。
- 米国社債利回りは、国債と同様に上昇したが、その変化はスプレッドがクッションとなり、国債よりも投資適格債で若干穏やか、投機級債ではさらに穏やかであった。
◎ 個別債券レベルで見た相場動向
- 米国籍の投資適格・投機級の事業債では、全般的なスプレッドのタイト化、旅客航空輸送業、探査・生産、パイプライン等、前年比でエネルギーコストの抑制などからFY2023決算が改善しやすかった関連した業種で単価上昇が見られた。
◎ 米国社債の流通市場における取引動向(TRACE)
- 投資適格の事業法人債で、多額の取引を観測したのは、ブリストル マイヤーズ スクイブ、アッヴィ、シスコシステムズ等大型起債銘柄の即時売却。価格下落を伴い頻繁な商いの対象になったのは、アムジェン、CVSヘルスの2社。
- 投機級の事業法人債で、時価上昇を伴いつつB格以下の一部銘柄(テネコなど)。
◎ 米ドル建て債券の起債市場の動向
- 2024年2月の米ドル建て社債等の起債額は、前年比+31.5%の374(10億ドル)と大きく増加。月次起債額としては、2022年3月以来の高水準に。
- 1年前(2023年)の2月の起債額が少なかった反動で、米国籍発行体の起債額は前年比+35.0%の増加、米国籍以外の海外発行体も前年比+27.9%の増加。
◎ 弊社の米国債券市場相場想定(予想、2024/3/6時点)
ストラテジー
米国債全般
米ドル建てシニア債のセグメント別市場レート -評価基準日2024年3月1日-
2024年2月2日から年3月1日にかけての米国社債の市場動向を、2年、5年、10年と利回り水準別に分けて確認。
◎米国社債市場の状況:
- 1月末のFOMCで少なくとも3月中の利下げはなく、市中での議論も年内の利下げが3回程度に収まるとのコンセンサスの下、タイミングを見計らっている状況。
- 2月初頭に懸念された商業用不動産(特にオフィス用物件)の下落に伴う米国内銀行へのストレス懸念も大手銀への波及がなくリスク材料として後退。
- 物価については住宅賃料が統計上の課題を指摘されつつも市場予想より下げておらず下げ止まり。インフレからの脱却早期化への期待も後退。
- 米景気については旺盛な個人消費などを背景にソフトランディング期待が浸透。
- 米国債長期金利は4%台前半に戻す一方、株式相場は最高値圏で推移するなど、一方的な利下げの必要性もタイミングの先送りが織り込まれた状況。
◎ 米ドル建て社債サブ・ポートフォリオの分類条件 p.1
◎ 米ドル建て社債サブ・ポートフォリオの全体傾向 p.2
◎ 各米ドル建て投資適格社債(IG)サブ・ポートフォリオの個別構成 p.5
◎ 各米ドル建て投機級社債(ハイイールド)サブ・ポートフォリオの個別構成 p.13
ストラテジー
ソブリン
米ドル建てエマージング・ソブリン債の投資評価 -ラテンアメリカの主要発行体 –
本レポートでは、ラテンアメリカのチリ、ペルー、メキシコ、ブラジルについての外貨建てソブリン債の投資評価に関する弊社の考え方を示す。
ラテンアメリカの4ヶ国への外貨建て(米ドル建て)ソブリン債への投資リスクを評価するために、5つの尺度(対外債務償還能力、経済情勢の安定化・不安定化要因、政治的安定性、海外投資家からの魅力度、格付機関による評価)から各国を比較する。
◎ 参照するソブリン債発行4国の概要 p.1
- 経済状況を見ると、
i. インフレが抑制に転じる中、2023年には、利上げを継続したメキシコ(11.3%)、ペルー(6.8%)の2国と、利下げに転じたチリ(8.3%)、ブラジル(11.8%)の2国で、全く逆の金融政策が実施。
ii. 失業率を比較すると、メキシコだけが2.6%と低い水準。他の3国では、チリ(8.5%)、ペルー(6.8%)、ブラジル(7.8%)と高い水準を継続。
iii. IMFによる2024年GDP成長率予想では、相対的に高いメキシコが2.7%、ペルーが2.7%。相対的に低いブラジルが1.7%、チリが1.6%に留まるとの想定。
- 政治的安定性を比較すると、チリ、ペルーの政治的な混乱は2024年以降も続く可能性が高い。一方、メキシコ、ブラジルでは相対的に安定。
- 外国からの直接投資総額が大きいことは、その国が国際企業により魅力的な投資対象と認識されている、ことを表象。2022年のFDIのシェアはブラジルで41.3%の1位、メキシコが16.9%の2位、チリが9.5%の3位、ペルーが5.6%の6位、といずれも重要な位置を占める。
◎ ラテンアメリソブリンの米ドル建て債投資機会の考え方 p.9
- 上記のほか、ソブリン債の信用格付けを考える上で必要となる、経過年数に応じた累積デフォルトの関係、及び外貨建てソブリン債のデフォルト事例とその傾向についても解説した。
Appendix 1. ソブリン債の信用格付けと、経過年数に応じた累積デフォルトの関係 p.12
Appendix 2. 外貨建てソブリン債のデフォルト事例と、その傾向 p.14
ストラテジー
ソブリン
米ドル建てエマージング・ソブリン債の投資評価 – 中東の主要発行体 –
本レポートでは、米ドル建てソブリン債のうち中東のUAE(アラブ首長国連邦)、カタール、サウジアラビアについての信用力評価の材料となる経済指標を概観する。
◎ 中東ソブリンの米ドル建て債投資機会 p.1
◎ 参照するソブリン債発行3国の概要 p.2
- 純債務/GDP比率が低い(安定している)国は、サウジアラビアの23%、カタールの30%、UAEの45%の順。同比率は各国共2022年に-6%~-13%の幅で急速に改善。
- 経済規模では、サウジアラビアが圧倒的に大きく、UAE、カタールが続く。
◎ カタール国 p.5
- 世界有数の液化天然ガス(LNG)輸出国。国内は政治的に安定。
- 外貨準備高/対外債務比率31.7%は他の湾岸諸国と比較すると高い水準、外貨準備高の対GDP比も21%と比較的高い。
◎ サウジアラビア王国 p.7
- サウジアラビアはOPECのリーダー国でもある。国内統治は頑健であり政治や財政も滞ることなく円滑に運営している状況にある。独自の外交力も示している。
- 外貨準備高/対外債務比率749.2%、2022年の外貨準備高の対GDP比も42%と比較的高い。
◎ UAEアラブ首長国連邦 p.9
- UAEは7つの首長国が連邦政府を構成。実体は、アブダビ首長国とドバイ首長国がGDPの大半を占める。ソブリン債の発行も、UAE債・アブダビ債・ドバイ債の3主体から行われている。
- 2022年の外貨準備金は、対外債務比率では33.1%と諸外国と比較しても平均的な水準だが、GDP比で見ると34%と比較的高い水準にある。
◎ 米ドル建てソブリン債投資機会の考え方 p.11
ストラテジー
保険
国内保険劣後債投資における公的支援の可能性と銀行劣後債との違い
本レポートでは、生命保険会社の劣後債投資の際、金融機関へのセーフティ・ネットワークの考え方や、規制上の銀行との取り扱いの差に関する論点整理を行う。
◎ 国内生保発行の劣後債投資における制度上の理解の重要性 (p.1)
- 金融機関は社会への影響力が強い為、特別な法的支援の枠組み(セーフティ・ネットワーク)が設けられている。
- 保険会社は2025年度からICSへと監督制度が変更される。
◎ 保険会社特有の会計・法人形態の理解 (p.3)
- 生命保険会社には相互会社と株式会社の二種類が存在。
- 債券投資家から見た会社形態別の最も大きな違いは適時開示義務の有無。
◎ 金融システムへの影響からみた保険会社への公的支援可能性 (p.6)
- 保険事業は経営上金融システムに影響を及ぼすような事業形態ではないため、日本の大手生命保険会社は国際基準行に相当。
- ただし「グローバルにシステム上重要な保険会社(G-SII)」に指定された欧米大手金融機関は、非保険事業が多いことが指定要因。国内保険会社はむしろ安定した事業を行っているためにG-SIIに非該当と言える。
◎ 国内生保が発行する劣後債投資と、公的支援への考え方 (p.13)
投資戦略動画
各国中銀の政策決定会合を受けた、為替見通しと外貨建て債券投資の考え方(米国商業用不動産リスクの見方)
今回の動画は、基本的に米国の政策金利や経済の状況に基づく、今後の金利・為替相場の予想をご案内しています。
特に、昨今話題になった、商業用不動産の中でもオフィス向け物件に関わる2024年中の資金繰り問題が、米国の国内銀行の金融システム全般に2度目の金融危機に広がるかどうかについての解説を含んでいます。
ストラテジー
米国債全般
米ドル建て債券市場動向 -2023年12月末から2024年1月末まで(一部は2月中旬) –
本レポートでは、2023年12月末から2024年2月13日までの相場動向と、1月末までの米国債券市場の新発債・流通市場の取引額等の傾向を確認した。
◎ 債券指数レベルで見た相場動向と着目点 (p.1)
- 背景には、インフレの安定化や米国経済の堅調さ等があり、現状の金融政策継続が引き続き効力を維持しやすいとの環境がある。
- 2023年末にかけて過度な金利低下を示した市場は、1月以降には落ち着きを取り戻し、金利水準も再度の上昇に転じている。
◎ 個別債券レベルで見た相場動向 (p.7)
- 米国籍の投資適格・投機級の事業債では、全体的に社債時価が下落する中、石油・ガスサービス・設備、ヘルスケア、輸送・流通、公益事業等、人件費やエネルギーコストの抑制に関連した業種で単価上昇が見られた。
◎ 米国社債の流通市場における取引動向(TRACE) (p.14)
- 投資適格の事業法人債で、価格下落を伴い頻繁な商いの対象になったのは、ボーイング、CVSヘルス、AT&T
- 投機級の事業法人債で、時価上昇を伴いつつ取引量が多かった社債BB~B格でカーニバルなど。
- 金融機関の社債で、取引量が多かったのは、米国G-SIBsのTLAC債。
◎ 米ドル建て債券の起債市場の動向 (p.18)
- 2024年1月の米ドル建て社債等の起債額は、前年比+33.8%の378(10億ドル)と大きく増加。月次起債額としては、2022年3月以来の高水準に。
- 1年前(2023年)の1月の起債額が少なかった反動で、米国籍発行体の起債額は前年比+67.0%の大幅増加、米国籍以外の海外発行体も前年比+18.2%の増加。
◎ 弊社の米国債券市場相場想定(予想、2024/1/31時点) (p.22)
アナリスト
銀行
主要米銀6行の財務傾向とビジネス・モデルの比較
本レポートでは、主要米銀行6行(ゴールドマン・サックス、JPモルガン・チェース・アンド・カンパニー、ウェルズ・ファーゴ、バンク・オブ・アメリカ、シティグループ、モルガン・スタンレー)を参照し、その財務傾向とビジネス・モデルの差異やその変化を比較・確認する、その上で、各行の発行した資本性証券・社債への投資におけるクレジットリスクの違いについて概観する。
◎ 銀行の信用リスク評価の方針 (p.1)
i. 収益力評価 – 評価軸 #1 – (p.3)
ii. 環境変化への耐性 – 評価軸 #2 – (p.8)
iii. 資金流動性とRWA当たり収益性 – 評価軸 #3 – (p.11)
iv. 規制資本から見た健全性 – 評価軸 4 – (p.16)
◎ 銀行証券の投資評価 (p.20)
アナリスト
エネルギー
PEMEX(メキシコ石油公社)へのムーディーズによる2ノッチ格下げの影響
本レポートでは、メキシコ石油公社(以下、PEMEX)の財務状況、信用力評価に影響を与える直近での経営環境とムーディーズによる格下げ等についてのアップデートを行うことを目的とする。
◎ 主なアップデート情報 (p.1)
i. ムーディーズによるPEMEXの2ノッチ格下げ (p.1)
- 2024年2月9日にPEMEXの信用格付けをウォッチ指定することもなく2段階引き下げ(B1格→B3格)にし、さらに格付見直しもネガティブのままとした。
ii. メキシコ政府予算の最終化と、PEMEXへの資本注入額の確定 (p.4)
- 2023年11月に2024年度のメキシコ連邦政府支出予算が成立。
- PEMEXへの資本拠出額は97億米ドルから85億米ドルに減額。
iii. ムーディーズによる格下げへの注意点 (p.5)
ストラテジー
米国債全般
米ドル建てシニア債のセグメント別市場レート -評価基準日 2024年2月2日-
2024年1月9日から年2月2日にかけての米国社債の市場動向を、2年、5年、10年と利回り水準別に分けて確認。
◎米国社債市場の状況:
- 12月末に強気一辺倒で下げた長期金利も1月にはある程度戻した展開だ。
- 1月末のFOMCで少なくとも3月中の利下げはないとのコンセンサスが広がる中、米経済も個人消費を中心に順調な指標が確認されており、2月に入ってからの長期金利水準も乱高下するなど居所を探る展開となっている。
- 米国社債市場のスプレッドは割高感が感じられた投資適格上位(AA、A格)のスプレッドがわずかにワイド化した一方、投機級(ハイイールド)など低格付けの社債では利回りを求める動きが強まりタイト化していた。
- 少なくとも年後半頃までには利下げが行われる可能性がある中、中長期で安定利回りを確保するタイミングを探す上で、2~3月の米国社債市場の利回り水準とその動きには注視が必要だ。
ストラテジー
米国債全般
2024年1月FOMC声明を受けた米金融政策の今後と米ドル建て債券投資戦略
本レポートでは、2024年1月のFOMCを受け実際の経済指標を参照しつつ、2024年末及びそれ以降にかけての米国債券相場についての弊社の見方を紹介する。
2024年1月のFOMC声明、議長記者会見で示されたメッセージ
-政策金利の目標レンジを5.25-5.50%に維持(4回連続)。
-インフレ目標(2%)が達成できなければ、今の高い政策金利を長期に渡って維持する可能性に言及。利下げを急いでいないことも示唆。3月の利下げはないとの見解。
-バランスシートとQTのペースについては、3月会合で踏み込んだ議論を開始。
アナリスト
入門
米ドル建社債投資の始め方・選び方(#2 銘柄選定例)
米ドル建社債投資の始め方・選び方(無線通信業界)
本レポートでは、今後米ドル建て社債投資を開始しようと考えている債券初心者の方を対象に、具体的な事例として無線通信業界の社債を題材に、社債の投資銘柄の選定における考え方について解説する。
-楽天の債券マルシェで取引可能な無線通信社債
-無線通信各社のビジネスモデルの違い:契約形態(後払いか先払いか)、解約率、競争をしている市場の構造の違い、米国における無線通信事業への高い参入障壁
-結論:どの社債を選ぶか
アナリスト
入門
米ドル建社債投資の始め方・選び方(#1 基本編)
米ドル建社債投資の始め方・選び方(#1 基本編)
本レポートは、今後米ドル建て社債投資を開始しようと考えている、主に債券初心者の方を対象に、債券をどのように選ぶのか、という方法について説明します。
-個人投資家向けの社債取引機会の例(楽天・債券マルシェ)
-社債発行企業の選別に重要な2つの要素
-信用格付けの重要性とその限界
-長期債投資に適する企業の条件
投資戦略動画
米ドル建て長期債の買い方(米国債・通信業界社債を例に)
- 市況を勘案しつつ具体的な米ドル建て社債の買い方・選び方について、特に、米国債やグローバル通信社債を例に、2~3年間だけではなく10年以上の間長期間安定して保有できる債券はどのような観点で選ぶのが良いのか、具体的な例を挙げてご説明いたします。
- 信用リスクのない米国債では、利下げが想定される中、中長期の市場の動きを勘案した 銘柄選択が重要です。短期の政策金利が下がっても、中長期のアメリカ景気に回復が想定され潜在成長率が高めに想定された場合には、短期ほどに長期の利回りは下がらない可能性もあります。同時に、今は高利回りの短期債だけを保有していますと、償還時に借換えるだけの良い利回りのある債券の投資機会がなくなっている可能性もあります。ここでは、中長期に安定した米国債の選び方を解説いたします。
- また、残存15年~30年の長期の社債への投資を行う場合には、株式のように1~2年の予想利益を見ても意味がありません。ここでは長期間の保有でもビジネスモデルに安定感のあるモバイル通信業界の社債を中心に、どの銘柄が相対的に長期投資に向いているのか、という投資評価の行い方、着眼点などを紹介し、実際に投資可能な社債の中で社債の選び方を解説いたします。
ストラテジー
欧州債全般
ECBによる金融政策決定会合結果(2024/1)と今後の欧州債券相場の見通し
本レポートでは、1/25のECB声明とラガルド総裁の記者会見内容などを元に、今後のユーロ圏の金融政策の動向と相場予想に関する弊社の考え方を示す。
- 政策金利については、i) 政策金利は現状維持(借換えオペ金利4.50%、限界貸付ファシリティ金利4.75%、預金ファシリティ金利4.00%)、ii) 利上げの打ち止めと現水準を長期維持に関する表現(ensure)を継続。
- 証券保有残高については、特にPEPP分について重大な方針変更。i) APP保有分は、7月以降に月あたり約150億ユーロの減額。ii) PEPP保有分は、2024年6月末までは100%再投資、7月から12月末までは50%再投資、2025年1月以降再投資なし。
- 12月の総合物価指数インフレ率(HICP)は2.9%まで11月からの水準は1/2ポイント上昇。コア物価(除くエネルギー・食品、前年比)は、11月から12月には若干低下。
投資戦略動画
主要米銀6行の財務傾向と債券投資評価
主要米銀6行の財務傾向と債券投資評価 (2023 Q3までの実績に基づく)
主要米銀6行は: JPモルガン(JPM)、バンク・オブ・アメリカ(BAC)、ウェルズ・ファーゴ(WF)、ゴールドマン・サックス(GS)、シティグループ(CITI)、モルガンスタンレー(MS)
投資戦略動画
イギリス、スイスの主要銀行の財務傾向と劣後債評価
1. 主要英国・スイス3行の財務傾向とビジネス・モデルの比較
2. 主要英国・スイス3行のAT1債の市場動向
投資戦略動画
ECB監督下の主要欧州銀行5行の財務傾向とビジネス・モデルの比較
(2023 Q3までの実績に基づく)
1. 主要欧州5行の財務傾向とビジネス・モデルの比較
(BNPパリバ、ソシエテ・ジェネラル、ドイツ銀行、クレディ・アグリコル、ING)
2. 欧州銀 規制資本証券の市場動向
ストラテジー
欧州債全般
欧州国内銀行の破綻処理制度が抱える課題/公的支援の対応格差のケース・スタディ
◎ 前提
- 金融政策は、「政策金利」だけに影響される訳ではなく、「量的緩和」と「銀行による信用創造機能」を加えた全体で政策効果を実現。このうち、エコノミスト的な観点では3番目の「銀行機能」の安定性への理解が不足しやすい。
- 米国では、「国内銀行による信用創造機能」が不全化したことは、結果としてインフレ抑制効果の早期の実現に影響した。ただし、米国では強力で公平な国内銀行への監督制度適用が可能であったために地域レベルの金融システミック・リスクを回避できた。
- 欧州でも2024年7月以降に量的引き締め(QT)を強化する。市場の資金量が減る中で、中小銀行からの預金流出や国・銀行の選別が生じると、地域レベルでの金融危機により金融政策の副作用が拡大しかねない。
◎ 本レポートで指摘する課題
- EUには銀行危機管理・預金保険(CMDI)という、中堅・中小を含む銀行の破綻処理を秩序持って正しく管理する機能がある。
- しかし、過去のイタリアの事例に示されたように同制度の原則は、現状で個別国家の判断により例外として曲げられ得る。
- 一部国家のモラルハザードは、結果として地域間・銀行間での預金流出や資金移動のトリガーとなりかねず結果としてユーロ圏域内全体の地域金融システミック・リスクの連鎖を生じさせかねない。(米国との差異)
アナリスト
通信
ベライゾン・コミュニケーションズの事業概要と同社債券・株式の長期保有目的投資上のポイント
本レポートでは、米国のモバイル回線数で最大シェアを有するベライゾンの事業概要と特性を確認し、同社社債・株式への長期保有の観点での投資評価を行う。
- ベライゾンは無線通信サービスの提供を主とする米国の通信事業会社。
- 事業セグメント別売上高を契約対象別で分類すると、個人消費者向けワイヤレス事業が75%を占める。
- FY2021Q4にトラックフォンの統合によりプリペイド契約を上積み。直近でプリペイド契約が全体の15%を占めるが、同契約のポストペイドへの移管も好調に進む。
- ベライゾンの四半期売上高は前年同期比で2.6%減少し、約333億ドルに。ただし、無制限プレミアムプランを選択する顧客の増加によって、ワイヤレスサービス収入は前年同期比で+2.9%の増加。
- 解約率は値上げにも関らず1%前後を推移、同社の強固な顧客基盤を反映。
ストラテジー
米国債全般
米ドル建てシニア債のセグメント別市場レート – 評価基準日 2024年1月9日 –
2023年12月1日から2024年1月9日にかけての米国社債の市場動向を、2年、5年、10年と利回り水準別に分けて確認。
◎米国社債市場の状況:
- 11月以降の長期金利の急速な低下を受け、安定利回りの確保を目的とした中長期の社債投資を行うタイミングは外れつつある可能性がある。
- 米国社債市場では、この1か月間に全体的に利回りが低下し(価格は上昇)、スプレッドもタイト化した。投資適格(IG)社債の平均利回り(10年)は、12月初頭で5.2%程度が平均水準だったが、1月9日にはぎりぎり5.0%程度まで-0.20%程度の低下。2~5年では短期銘柄以外で5%を確保できる銘柄は、相当に少なくなった。
- 投機級(ハイイールド)では、利回りを求めた債券投資家の需給要因により、投資適格よりさらに社債利回り及びスプレッドが低下した(価格は上昇)。
ストラテジー
米国債全般
米ドル建て債券市場動向と着目点 -2023年11月末から12月末まで-
本レポートでは、2023年11月末から12月末までの米国債券市場の動向を確認した。この期間に米国債券市場の動きで注目すべき点として、下記が挙げられる。
1) 2023年12月には、米国債券相場は 11月初頭からの全面的な金利低下トレンドを継続、10年金利は4.24%(12/1)から 12月末には3.88%まで大幅に下落した。ただし、年末の流動性低下に起因する行き過ぎた金利低下という側面もあり、2024年1月に入り新規資金による取引が活性化した後は、水準は限定されているもののイールド・カーブは反転上昇している。
2) 米ドル建て社債市場では 12月において信用スプレッドが格付・年限を問わずタイト化。ただし、こちらも2024年1月に入り若干反転しわずかにワイド化。
- 個別社債の単価は、12月には全体的に大幅な上昇傾向(1.94%~3.18%)。
- より顕著に上昇していたのは、米国企業の不動産企業社債と投機級の金融社債。全般的にスプレッドのタイト化が進む中、例外的にワイド化していたのは主に中国・アジア関連を中心とする海外の不動産企業社債。
3) 新発債市場では 2023年12月の米ドル建て社債等の起債額は、前年比-1.1%の153(10億ドル)と微減。格付別にみると、A格社債は前年比+55.9%と増加し、BBB格社債は+64.4%も大きく増加。金融機関債の起債額は 12月の起債額が前年比で+61.2%と大きく増加。金融機関ではJPモルガン・チェース・バンク、ウェルズ・ファーゴ・バンク、シティバンク銀行など、G-SIBsの子銀行(OPCO)の社債が大量起債。
ストラテジー
米国債全般
2023年12月FOMC声明を受けた米金融政策の今後と米ドル建て債券投資戦略
弊社による相場想定と債券投資戦略の考え方
- 弊社の金利想定は市場コンセンサス程、急な金利低下を前提としない。2024年末まで、長期金利は4%台を維持しやすく、ドル円レートも140円台が継続しやすい
- 円高に振れる展開が続きやすく、米ドル建て資産も短期から長期に移管する必要性がある。よって、目安として直利の高い(5-6%台を目安)のクレジット債などへの投資と、一定以上の年限での投資の効用が継続(おおむね10年以上の残存期間であれば、債券価格の上昇が円高による円ベース時価下落を打ち消しやすい)
投資戦略動画
2024年のグローバル市況見通しと投資戦略
米国と日本の経済状況・金融政策の違いに基づく国内からの金融投資に関する見方
1. 金融政策の影響を強く受ける「資金需給相場」はいつ終わるのか?
2. 資金需給相場」が終わり「ファンダメンタル相場」への移行期における金融市場への影響は?
3. 債券投資戦略の考え方
4. 株式投資戦略の考え方
入門用動画
【経済環境を加味した最適資産運用とは】なぜリターンが低く見える債券投資が有効なのか?
【前提】最近の相場の特徴
・日本株/米国株式の上昇は今後も続くのか?
・金融政策が転換した場合の相場への影響は?
・分散投資と選択投資、どちらが有効なのか?
・なぜリターンが低く見える債券投資が有効なのか?
アナリスト
エネルギー
PEMEX(メキシコ石油公社)の格付ネガティブ・ウォッチをフィッチが解消
本レポートでは、メキシコ石油公社(以下、PEMEX)の財務状況、信用力評価に影響を与える直近での経営環境に関する変化についてのアップデートを行うことを目的とする。
- 2024 年度のメキシコ連邦政府支出予算の最終化と、PEMEX への資本注入額の確定。
- 2023 年 12 月 20 日、フィッチは B+格は維持しつつも、2023 年 7 月に付与したネガティブ・ウォッチを取下げ、現在の格付けを再承認。
ストラテジー
欧州債全般
ECBによる金融政策決定会合結果と今後の欧州債券相場の見通し
本レポートでは、12月14日の ECB 声明とラガルド総裁の記者会見内容などを元に、今後のユーロ圏の金融政策の動向と相場予想に関する弊社の考え方を示す。
- 政策金利については、i) 政策金利は現状維持、ii) 利上げの打ち止めと現水準を長期維持に関する表現(ensure)を継続。
- 9 月から 12 月は 2023 年、2024 年分の予想見通し修正:i) ユーロ圏消費者物価指数は下方修正(3.2%→2.7%)、ii) コアインフレも下方修正(2.9%→2.7%)、iii) GDP 成長率も下方修正(1.0%→0.8%)
- 証券保有残高については、パンデミック対応プログラム(PEPP)の再投資期間の見直しが行われ、2024 年後半にかけて月平均 75 億ユーロ(償還額の半分相当)削減し、その後年末に計画通り完全に廃止(再投資の中止により、漸次、保有額が削減)。
- 11 月の総合物価指数インフレ率(HICP)は 2.4%に 8 月の水準から約 2 ポイント低下。コア物価(除くエネルギー・食品、前年比)は 9 月の 4.5%から 11 月には 3.6%に低下。
アナリスト
通信
AT&T(AT&T Inc)の事業概要と同社のクレジットの評価
本レポートでは、米国のモバイル回線数で 3 位、有線回線数では最大シェアを有する AT&Tの事業概要と特性を確認し、同社社債への投資評価を行う。
- 主力のポストペイド市場では、AT&T のシェアは大手 3 社の中で 3 位(26%)となっているが、高品質回線を志向し、ARPU は 3 社の中で最高水準。
- 売上高、営業利益はともに FY2023Q2 から横ばいとなっている。当期純利益は非継続事業の影響で、テクニカル要因から前年同期比‐42%と大きく落ち込んだ。
- 自己資本比率は 29.5%に上昇、事業売却資金の充当によりネット有利子負債も減少。
- AT&T の信用格付け(発行体格付け)を示した。AT&T は Moody‘sからは Baa2 格、そしてFitch からは BBB+格とそれぞれ評価されている。見通しは安定的。
アナリスト
通信
ボーダフォン(Vodafone Group Plc)の事業概要と同社のクレジットの評価
本レポートでは、欧州最大手の総合通信会社であるボーダフォンの事業概要と特性を確認し、同社社債への投資評価を行う。
- ボーダフォンは、事業規模の観点では、欧州の一部同業他社をはるかに凌駕する事業規模を有しているが、多くの市場では他のトップ・モバイル事業者に対し、競争力の面で充分な優位性を保持できておらず、大規模な事業再編の実施中。
- ボーダフォンのモバイル事業では、契約回線のうち32%が定期契約(後払い)型、68%がプリペイド契約型であり、より不安定なプリペイド契約型が、安定した定期契約型に比べはるかに大きい。スペイン事業は不採算を理由に2024年前半までに完全売却予定。
- ボーダフォンは解約率の高さから、日米の無線通信事業者に比べ相対的に不安定な事業特性を持つ。
- ボーダフォンの信用格付け(発行体格付け)はBBB格中位。S&Pでは6/30に格付見通しをポジティブから安定的に引き下げ。
- 無線通信事業では参入障壁も高く、10年程度では元利金の支払い能力への懸念は生じにくい。一方、超長期(20年超)でのビジネス・モデルの持続性には一定の懸念。
債券市場アップデート
米ドル建て社債市場の動向 (2023/11分)
今回の着目ポイント
1). 米ドル建て社債の利回り・スプレッドの動向
2). 流通市場における取引動向
3). 米ドル建て債券の起債市場の動向・銘柄
ストラテジー
米国債全般
米ドル建てシニア債のセグメント別市場レート -評価基準日 2023年12月1日-
11月3日から12月1日にかけての米国社債の市場動向を、2年、5年、10年と利回り水準別に分けて確認。(下記の格付けは、S&Pの債券格付けを参照している)
◎米国社債市場の状況:
- 足元の米国社債市場では、今、投資を行うタイミングを逃すと、安定利回りの確保ができないとの危機感が高まっている。
- 米国社債市場では、この1か月間に全体的に利回りが低下し(価格は上昇)、スプレッドもタイト化した。投資適格(IG)社債の平均利回り(2~5年)は、前月末で5.8%程度が平均水準だったが、12月1日には5.0%程度まで-0.80%程度も低下した。スプレッドも5年社債で約104bpsから約80bps程度まで-24bps程度タイト化した。
- 投機級(ハイイールド)では、利回りを求めた債券投資家の需給要因により、投資適格よりさらに社債利回り及びスプレッドが低下した(価格は上昇)。
入門用動画
個人投資家の資産運用の方法:債券、投資信託の買い方(国内債、外債及び債券投資信託の選び方・買い方についてご紹介します)
本動画では、個人投資家の資産運用の方法、中でも債券および債券などの金利商品を対象とした投資信託の選別方法についてご説明いたします。
ストラテジー
米国債全般
米ドル建て債券市場動向と着目点 -2023年10月末から11月末まで-
本レポートでは、2023年10月末から11月末までの米国債券市場の動向を確認した。また、弊社による米国金利・為替に関する市場予想を示した。
同期間に米国債券市場の動きで注目すべき点として、下記が挙げられる。
1)米国債イールド・カーブの水準切り下げ
- 11月1日のFOMCを受け、米国内でのインフレ抑制と利上げ終息とのコンセンサスが広がり、さらにCPIがこれまでよりも低い水準を示したことから、米国債券相場は10月末までの長期金利上昇局面から全面的に反転、イールド・カーブは全年限で大幅に低下。
- 短期金利の上昇は打ち止め、長期金利上昇と期間に応じたリスク・プレミアムの織り込みにより、イールド・カーブの順イールド化が進むなどの米国債相場の構造的な転換は維持したままでパラレル・シフト。
- 長期金利の低下の中で、より利回りが残るビジネスモデルが安定した業態の長期・超長期10~30年)社債に関する投資の魅力が向上。
2)社債のスプレッドでは、ファンダメンタルを意識せず全面的なタイト化が進む
- 市場が織り込む信用リスクを反映した社債の信用スプレッドは全般的にタイト化、ただし、B格などの低格付け債の信用スプレッドのタイト化(価格上昇)は、ファンダメンタルを反映したものとはいえず、今後2年以内には反転下落の可能性も。
3)新発債では投資適格、投機級のそれぞれの中で、カントリーリスクに応じた選別傾向。米国籍の発行体に対する相対的な信頼感が強い一方、外国籍の発行体に対しては、相対的にカントリーリスクを懸念、選別傾向を観測。
4)今後の相場見通し
- 2024年中は政策金利は高止まり、利下げの可能性は低い
- 急ピッチで低下した長期金利だが、2024年前半は4.5%付近で推移か
- ドル円レートは、過度な市場の動きを警戒するFEBの要人発言に左右されやすく、2023年末から2024年上半期にかけ145円~151円近辺の間で都度振れやすい。2024年後半には円高方向へのトレンドを形成しやすいが、140円台に留まりやすい。
個別発行体評価
メキシコ石油公社(PEMEX)の概要と社債投資の評価ポイント
◎弊社の PEMEX クレジットの見方;巨額の債務借換えが求められる中、債務の短期化により財務運営は厳しいがコントロール可能。弊社も S&P と同じく投資対象として保持可能とみる。
◎弊社が考える4つの変動要因と評価;(i)長期負債による借り換えを実施する手段は あるが実施されておらず債務短期化が継続。(ii)利益マージンは相場次第で経営体 質の抜本的な改善が行われず。(iii)生産量・埋蔵量が着実に伸びており、精製設備の 稼働率も改善可能性あり。(iv)次期大統領選挙後の政策支援は、当面(10 年以内)は 継続。長期的(10~30 年)には後退。
◎2024年の総選挙後も政府サポートは継続しやすいため社債保有におけるデフォルト懸念は限定。 ただし、スプレッド拡大に伴う超長期債の時価下落可能性は存在。
アナリスト
エネルギー
PEMEX(メキシコ石油公社;MDY B1/S&P BBB)のクレジット評価アップデート2023/9末
PEMEX 社債の投資評価
- S&P はメキシコ政府との政策一体性から投資適格(BBB レンジ)を維持。ムーディーズとフィッチは個別財務を重視し投機級の中でも B+格相当まで格付けを引き下げ。
- 7 年以下の社債相場は政策支援の安定を、10 年超は政策の不安定性を織り込む。
- 弊社の PEMEX クレジットの見方;巨額の債務借換が求められる中、財務運営は厳しいがコントロール可能。弊社も S&P と同じく投資対象として保持可能とみる。
- 弊社が考える 4 つの変動要因と評価;(i) 長期負債による借り換えを実施する手段はあるが実施されておらず債務短期化が継続、(ii) 利益マージンは相場次第で経営体質の抜本的な改善が行われず、iii).生産量・埋蔵量が着実に伸びており、精製設備の稼働率も改善可能性あ、iv). 次期大統領選挙後の政策支援は、当面(10 年以内)は継続。長期的(10~30 年)には後退。
投資戦略動画
各国中銀の政策決定会合を受けた、為替見通しと外貨建て(米ドル)債券投資の考え方
2023年10月末から11月初旬の各国中銀の政策決定会合を受けて、為替の見通しと、外貨建て(主に米ドル)債券投資の考え方をご説明します。
1.金融政策の影響を強く受ける「資金需給相場」はいつ終わるのか?
2.「資金需給相場」が終わり「ファンダメンタル相場」への移行期における金融市場への影響は?
3.債券投資戦略の考え方
入門用動画
【個人投資家の最適資産運用とは】資産運用における分散投資(ポートフォリオ運用)
本動画では、個人投資家の資産運用の方法、特にライフステージごとによる分散投資についてご説明します。
入門用動画
個人投資家向けのインデックス型投資信託の選別手法
◎ 本動画では、5つの国内外・株式/債券インデックスを模倣する国内籍の追加型投資信託について、それぞれ評価スコアに基づくランキングを行う。
主要なインデックスをベンチマークとするインデックス型(パッシブ)ファンドについて、追加型国内投信をユニバースとし投資家にとってより効率的なファンド選別の評価例を紹介する。
◎この動画のポイントは「インデックスファンドの優劣」「投資効率の違い」、「ファンドの選別方法」。
入門用動画
グローバル銀行劣後債投資の考え方:銀行劣後債(CoCo債)、銀行規制、格付、債券の市場価格への影響など
本動画では、銀行劣後債(CoCo債)の概要や、地域別に異なる銀行規制に起因した投資リスクの違い、足元での格付機関によるリスクの織り込み状況、債券の市場価格への影響などについて解説します。
ストラテジー
米国債全般
米ドル建てシニア債のセグメント別市場レート -評価日 2023年11月3日-
10月6日から11月3日にかけての米国社債の市場動向を、2年、5年、10年と利回り水準別に分けて確認。(下記の格付けは、S&Pの債券格付けを参照している)
◎投資適格(IG)社債の動き
- 投資適格の平均利回りは全年限で下落、社債価格は上昇。2~5年では-0.29%程度、10年は-0.30%以上。一方で、スプレッドは2年~5年社債で若干タイト化(-0.04%程度)したが、利回り変化に比べれば動きは小さい。さらに、10年社債(10L)のスプレッドは拡大(-0.09%程度)。
- 投資適格で絶対利回りが高かった銘柄は、短期(2年)と長期(10年)で分かれる。短期(2年)の主な高利回り銘柄は、デル(BBB、テクノロジー)5.71%、ボーイング(BBB-、航空機)5.77%、TモバイルUSA(BBB、無線通信)5.98%、フォード・モーター(BBB-、自動車)6.27%、AT&T(BBB、無線通信)6.46%など長期(10年)の主な高利回り銘柄は、AT&T(BBB、無線通信)5.94%、エンブリッジ(BBB+、パイプライン)5.95%、TモバイルUSA(BBB、無線通信)5.98%、オラクル(BBB、ITサービス)5.99%、デル(BBB、テクノロジー)6.10%など。
◎投機級(ハイイールド;HY)社債の動き
- 投機級(ハイイールド)では、短期(2年)の社債利回りはやや下落(価格は上昇)。中期(5年)の利回りも下落(価格は上昇)。ただし、短期(2年)のスプレッドはタイト化(-0.27%)、中期(5年)のスプレッドもタイト化(-0.26%)。主な短期(2年)の利回り下落(時価上昇)銘柄は、BB格ではユナテッド・レンタル北米(BB+、工業) 6.40%、テバファーマスーティカル(BB-、ヘルスケア )6.92%。主な中期(5年)の利回り下落(時価上昇)銘柄は、BB格では、ペトロブラス(BB-、石油)6.02%、テバファーマスーティカル(BB-、ヘルスケア )7.08%。
入門用動画
グローバル事業債投資の考え方:長期の社債投資を行う場合の、投資リスクを抑制するための考え方
本動画では、長期の社債投資を行う場合の、投資リスクを抑制するための考え方を解説します。
投資戦略動画
グローバル事業債投資の考え方
- アメリカや日本など基軸通貨国の国債等とは異なり、事業会社の発行する社債は一定の時間の経過後などに、経営環境や業績が悪化し、支払い不履行や法的破綻を起こす可能性がある。
- こうした一般の個人投資家などが予見しにくい「信用リスク」を、誰にでも分かり やすく伝えるのが「信用格付け」であり、これを行うのが第三者機関である「格付機関」である。
- しかし、格付機関が予想している信用格付けの想定期間は、2~3年(格付け見通しを含んで5年程度)までであり、10年~20年のような非常に長い期間の社債投資のリスクを織り込んでいるわけではない。
- よって、こうした長期の社債投資を行う場合の、投資リスクを抑制するための考え方を示すことが、本資料の目的である。
ストラテジー
欧州債全般
ECBによる金融政策決定会合結果と今後の欧州債券相場の見通し
本レポートでは、10月26日のECB声明とラガルド総裁の記者会見内容などを元に、今後のユーロ圏の金融政策の動向と相場予想に関する弊社の考え方を示す。
- 欧州債券相場は、2023年初から9月半ばまで方向感のない市場傾向を継続していたが、その後は長期金利が上昇に転じるなど、政策金利の長期の高止まりを織り込みつつある
- 市場コンセンサスは、2024年初頭から利下げが継続的に実施されることを想定。
- 弊社では、2023年は金利水準を維持し、PEPPの再投資が継続する2024年中に急速かつ大幅な利下げに転ずることはないと想定。
- ユーロ建て債については、変動性が高まりやすく、長期金利への相場観に基づく長期再投資よりも、短期債中心の投資が引き続き有効に寄与しやすい。
投資戦略動画
グローバル銀行劣後債投資の考え方
- 本動画では、銀行劣後債(CoCo債)の概要や、地域別に異なる銀行規制に起因した投資リスクの違い、足元での格付機関によるリスクの織り込み状況、債券の市場価格への影響などについて解説します。
- また、銀行劣後債を行った後のリスク・モニタリングを行うために最低限抑えておくべき指標やその現状についても解説いたします。
- 銀行グループののTier-2債(期限付劣後債)はシニア債(TLAC債)と同じく実質破綻認定を受けない限り、元利金の支払いが止まらない商品性を有しています。欧州G-SIBsの中でも相対的に下位の信用格付けを
受けている銀行のTier-2債は、相対的なリスクと利回り対比の観点において、投資の効用が相対的に高いと弊社では考えています。
ストラテジー
米国債全般
米ドル建て債券市場動向と着目点 -2023年8月末から9月29日まで-
1). 米国内での景気のソフトランディング期待が増加、高い水準での政策金利維持期間の長期化、さらなる長期・超長期金利の上昇を誘引
- 短期金利の上昇は打ち止め、長期金利上昇と期間に応じたリスク・プレミアムの織り込みにより、イールド・カーブの順イールド化が進むなど、米国債相場の構造的な転換が顕著に進む。
- ビジネスモデルが安定した業態の長期・超長期(10~30年)社債に関する投資の魅力が向上
2). 米国経済の減速懸念は後退したが、社債のスプレッドでは選別が広がる
- 市場が織り込む信用リスクを反映した社債の信用スプレッドは全般的に拡大、ただし、投資適格のワイド化はわずかに留まる一方で、B格などの低格付け債の信用スプレッドが相対的に拡大(8月のタイト化の反動という側面もあり)。
3). 新発債では投資適格、投機級のそれぞれの中で、信用力に応じた選別傾向
- 投資適格の新規起債額は、A格社債は前年比+95.0%と大幅増加の一方、BBB格社債は-22.4%と大きく減少。
- 投機級社債ではBB格の起債額が前年比+189.7%と大幅に改善した一方、CCC格では半減。
- 2025年以降を勘案した場合、ハイイールド・ファンド投資において、BB格以上を多く保有するファンドと、B格・CCC格を多く保有するファンドで、パフォーマンス格差が生じやすい可能性がある。
ストラテジー
米国債全般
米ドル建てシニア債のセグメント別市場レート -評価日 2023年10月3日-
9月1日から10月3日にかけての米国社債の市場動向を、2年、5年、10年と利回り水準別に分けて確認。(下記の格付けは、S&Pの債券格付けを参照している)
◎投資適格(IG)社債の動き
- 投資適格の平均利回りは全年限で上昇、社債価格は下落。2~5年では+0.5%以上、10年は+0.7%程度。一方で、スプレッドは2年~5年社債で若干ワイド化(+0.09%程度)したが、利回り変化に比べれば動きは小さい。さらに、10年社債のスプレッドは拡大(+0.08%程度)。
- 投資適格で絶対利回りが高かった銘柄は、短期(2年)と長期(10年)で分かれる。短期(2年)の主な高利回り銘柄は、オラクル(BBB、ITサービス)5.94%、ボーイング(BBB-、航空機)6.02%、デル(BBB、テクノロジー)6.03%、TモバイルUSA(BBB、無線通信)6.37%など長期(10年)の主な高利回り銘柄は、TモバイルUSA(BBB、無線通信)6.29%、エンブリッジ(BBB+、パイプライン)6.30%、AT&T(BBB、無線通信)6.36%、オラクル(BBB、ITサービス)6.37%など。
◎投機級(ハイイールド;HY)社債の動き
- 投機級(ハイイールド)では、短期(2年)の社債利回りはおおむね上昇(価格は下落)。中期(5年)の利回りも上昇(価格は下落)。ただし、短期(2年)のスプレッドはワイド化(+0.25%)、中期(5年)のスプレッドはほぼ横ばい。主な短期(2年)の利回り上昇(時価下落)銘柄は、BB格ではフォード・モーター(BB+、自動車)6.11%、エコペトロル(BB+、石油) 7.17%。主な中期(5年)の利回り下落(時価上昇)銘柄は、BB格では、ペトロブラス(BB-、石油)6.32%、フォード・モーター・クレジット(BB+、自動車)7.14%。
入門用動画
【個人投資家の最適資産運用とは】日本人の平均的な金融資産と生活設計から見る資産運用
本動画では、個人投資家の資産運用の方法、特にライフステージを考えた分散投資の考え方についてご紹介します。
アナリスト
テクノロジー
オラクル(MDY:Baa2、S&P:BBB、Fitch:BBB)の事業概要と同社のクレジット投資評価
◎ 本レポートの目的
本レポートでは、Oracle.corp(以下、オラクル)のFY2024Q1までの四半期決算をもとに、オラクルの経営状況や主要商品市場の現状を確認し、同社に対するクレジット評価を行う。本レポートでは、2023年9月11日公表の、2024年度第1四半期までの決算を参照している。
◎ 結論 : オラクルの社債、株式の投資評価
- オラクルは、Moody’sからBaa2格、S&PからBBB格、FitchからBBB格に評価されている。
- 現在のクラウドサービス市場(特にSaaP市場)の拡大が米国で継続する限り、オラクル独自のビジネスモデルの優位性は揺るがない。
- 利回りとスプレッドの期間構造から、2040年頃の満期(残存13~17年)のオラクル社債が、相対的に良好な投資機会を提供していると考える。
- 一方、オラクル株式の今のバリュエーションと財務状況、及び米国以外での業務の伸び悩みなどを勘案すると、同社株式は長期安定保有に適した銘柄とは考えない。
投資戦略動画
9月の日銀の政策決定会合を受けた、円金利・為替見通しと円建て債券投資の考え方
2023年9月22日、日銀の政策決定会合が開催され金融政策方針の維持が全会一致で決定。
国内市場と為替見通しのポイントは、下記になります。
[前提]
- Q1(4-6月)の需給ギャップは黒転、
- 自動車価格の引き上げにけん引された輸出物価の上昇、
- 輸出入物価のギャップの縮小、
- 大手企業(輸出業種)の営業利益マージン拡大、
- 中小企業(国内業種)ではデフォルト件数が大幅増
↓
[見通し]
- マイナス金利解消が12月前か3月前かの差異はあるがマイナス金利はおおむね半年以内で解消、ゼロ金利は継続。
- 国内金利(10年国債)は0.7-0.8%が継続
- ドル円金利差は縮小せず、ドル円レートは2年程度、140円台を維持
ストラテジー
米国債全般
2023年9月FOMC声明を受けた米金融政策の今後と米ドル建て債券投資戦略
FOMCと米ドル金利見通しのポイント
- 9月のFOMCでは金融政策は現状維持、金融政策関連のコメントもほぼ変更なし
年末までにもう一度の利上げを想定。その後は金利水準を1年超に渡り維持しやすい可能性。
- 物価上昇率は反転上昇 → 原油高を受け総合指数は9月にさらなる上昇見込み(石油製品価格は原油価格に1~2か月遅行)
- S&P500構成銘柄のマージンに下げ止まり傾向(ただし人件費増の価格転嫁圧力は継続)
- 米景気のソフトランディングを示す指標の増加(コンセンサス修正には遅れ)
- 政策金利の高止まりを想定するのであれば、10年金利は4%以上の水準を2025年央まで維持か
- 長期(10年超)と短期(3年未満)の安定業種社債投資が引き続き有効か
ストラテジー
欧州債全般
ECBによる金融正常化(引き締め)政策に関する声明と今後の欧州債券相場の考え方
本レポートでは、2023年9月14日のECB声明とラガルド総裁の記者会見内容などを元に、今後のユーロ圏の金融政策の動向と相場予想に関する弊社の考え方を示す。
ECB政策決定会合とユーロ金利見通しのポイント
- 9月のECB政策決定会合では政策金利をこれ以上上げないとの明確な完了宣言
- 物価上昇率は目標を上回ったままだが、景気への配慮を示す(アメリカとは異なるスタンス)
- 欧州景気は脆弱、特に中国の景気減速影響への連動への懸念もあり、低迷との想定
- 人件費増の価格転嫁圧力は継続、マージンは圧迫されやすい
- 政策金利の高止まりを想定するのであれば、10年金利は4%以上の水準を2025年央まで維持か
- 長期金利の上昇余地は限定、対ユーロでの円安は米ドルに比べ限定
- ユーロ建て債の効用は、米ドル建て債に比べると限定的
投資戦略動画
9月FOMC、ECB政策決定会合を受けた海外金利の読み方と債券投資戦略
- 9月のFOMCでは金融政策は現状維持、金融政策関連のコメントもほぼ変更なし
年末までにもう一度の利上げを想定。その後は金利水準を1年超に渡り維持しやすい可能性。
- 物価上昇率は反転上昇 → 原油高を受け総合指数は9月にさらなる上昇見込み(石油製品価格は原油価格に1~2か月遅行)
- S&P500構成銘柄のマージンに下げ止まり傾向(ただし人件費増の価格転嫁圧力は継続)
- 米景気のソフトランディングを示す指標の増加(コンセンサス修正には遅れ)
- 政策金利の高止まりを想定するのであれば、10年金利は4%以上の水準を2025年央まで維持か
- 長期(10年超)と短期(3年未満)の安定業種社債投資が引き続き有効か
個別発行体評価
インテル(Intel)の概要と社債投資の評価ポイント
- インテルの信用格付は、Moody’sからA2格、S&PからはA格、FitchからはA-格と高い信用能力は評価されているものの、全格付会社から2023年2月に1-2ノッチの格下げが実施されていた。全格付機関とも格付け見通しもネガティブとしている。
- 弊社では、今後1-2年以内にインテルの信用格付けがさらに1ノッチ程度格下げされる可能性があるがAレンジには留まりやすいと考える。
- 投資対象としては、2年以下もしくは15~20年の社債を推奨するが、利回り水準が格下げを織り込んでいることが前提。
- 一方、株式投資の対象として考えられるのはファウンドリー事業の外部売上比率が大きく成長すると想定する場合のみ。弊社では、自社生産分による生産額は短期に成長するが、他社生産分のシェアを上位6社から奪うことには困難があり、株式投資の前提となる利益成長シナリオには懐疑的。株式投資は必ずしも推奨しない。
個別発行体評価
アップル(Apple)の概要と社債投資の評価ポイント
- アップルの社債は、米国の事業社債の中でも流動性が高く、一般投資家にとっても投資機会となりやすい。株式より社債での投資が効率的。
- アップルの信用格付は、Moody’sから最高格のAaa格、S&Pからは上位から2番目のAA+格と、極めて信用力の高い発行体。
- 米国債投資の代替として考えれば、特に5年超のアップル社債の利回りには相対的な投資価値がある。
- 一方、アップルの中長期にわたる継続的な利益成長シナリオは描きにくい。足元で観測されている株価推移は、中国政府の 政府部門におけるiPhone使用禁止を受けた株価の調整を受けても、ファンダメンタルズからの説明は困難。
個別発行体評価
フランス電力(EDF)の概要とクレジット評価ポイント
◎フランス電力は、通常の電力会社と、原子力発電所製造企業としての2つの側面を持つ。
◎フランス電力のシニア債と永久劣後債の信用リスク要因は根本的に異なる。シニア債の投資リスクは、「フランス政府が送配電網を保有する電力事業者を法的破綻させた場合」にのみ顕在化。過去事例を見ても政府出資企業の法的破綻は避けるようにフランス政府が仲介。米ドル債6%台の利回りに対し暗黙の政府保証を想定し得る。投資を行いやすい。
◎永久劣後債の投資リスクは、「海外(イギリス)での原発建設を予定通りに完工出来ず、賠償請求を受ける」場合に顕在化。フランス電力が、イギリスで建設中のヒンクリー・ポイントC原発を計画から課題に遅れることなく完成させられる、 と考える投資家にとっては、米ドル債9%台の利回りは充分な投資価値がある。失敗すれば、配当停止・コールスキップが長期に継続の可能性。投資家自身による、原発完成能力への評価が重要。
ストラテジー
米国債全般
米ドル建てシニア債のセグメント別市場レート -評価日 2023年9月5日-
8月7日から9月5日にかけての米国社債の市場動向を、2年、5年、10年と利回り水準別に分けて確認。(下記の格付けは、S&Pの債券格付けを参照している)
◎投資適格(IG)社債の動き
- 投資適格の平均利回りは全年限で上昇、社債価格は下落。2~5年では+0.2%以上、10年は+0.15%程度。一方で、スプレッドは2年~5年社債で若干ワイド化(+0.02%程度)したが、利回り変化に比べれば動きは小さい。一方、10年社債のスプレッドは縮小(-0.03%以下)。
- 投資適格で絶対利回りが高かった銘柄は、短期(2年)と長期(10年)で分かれる。短期(2年)の主な高利回り銘柄は、ボーイング(BBB-、航空機)5.82%、ベライゾン(BBB+、無線通信)5.53%、シャイアー(BBB+、医薬品)5.53%など長期(10年)の主な高利回り銘柄は、エンブリッジ(BBB+、パイプライン)5.61%、TモバイルUSA(BBB、無線通信)5.65%、オラクル(BBB、ITサービス)5.74%など。
◎投機級(ハイイールド;HY)社債の動き
- 投機級(ハイイールド)では、短期(2年)の社債利回りはおおむね上昇(価格は下落)。中期(5年)の利回りはおおむね下落(価格は上昇)。ただし、短期(2年)のスプレッドはほぼ横ばい、中期(5年)のスプレッドはタイト化(-0.05%)。主な短期(2年)の利回り上昇(時価下落)銘柄は、BB格ではフォード・モーター・クレジット(BB+、自動車)6.96%、エコペトロル(BB+、石油) 6.72%。主な中期(5年)の利回り下落(時価上昇)銘柄は、BB格では、ペトロブラス(BB-、石油)6.06%、テバファーマ(BB-、ジェネリック医薬)6.89%。
債券市場アップデート
米ドル建て債券市場動向、見通しと投資戦略 -2023年7月末から8月31日まで-
結論:米ドル建て債券市場の見通しと投資戦略
1) 米国内での利下げ可能性への期待感の後退が長期・超長期金利にも影響
→短期金利と長期金利の動きが正常化に向け異なるトレンドを取り始めるなど、米国債相場にも顕著な転換が生じた。
→ビジネスモデルが安定した業態の超長期社債に関する投資の魅力が向上。(例. 銀行、電力、無線通信など)
2) 米国経済の減速懸念の後退により、社債のスプレッドが低下
→市場が織り込む信用リスクを反映した社債の信用スプレッドは全般的に低下投資適格では、利回り対比での銘柄選択を行いやすい(偏りのない)相場B格などの低格付け債の信用リスク懸念は大幅な後退、B格の起債額も大幅に改善
→2025年以降を勘案しても、ハイイールド・ファンドの投資の効用が上がる可能性
3) 相場見通し
→弊社では、米金利の利下げは2024年末以降の後づれと想定。2023末の米10年金利は4.04%、2024末で3.90%とほぼ横ばいの想定
→これを受け、為替(米ドル/円)も2023末で140.4(レンジ130-148)、2024末で137.0(レンジ125-142)を想定
ストラテジー
米国債全般
米ドル建て債券市場動向と着目点 – 2023 年 7 月末から 8 月 31 日まで –
結論:米ドル建て債券市場の見通しと投資戦略
1) 米国内での利下げ可能性への期待感の後退が長期・超長期金利にも影響
→短期金利と長期金利の動きが正常化に向け異なるトレンドを取り始めるなど、米国債相場にも顕著な転換が生じた。
→ビジネスモデルが安定した業態の超長期社債に関する投資の魅力が向上。
2) 米国経済の減速懸念の後退により、社債のスプレッドが低下
→市場が織り込む信用リスクを反映した社債の信用スプレッドは全般的に低下投資適格では、利回り対比での銘柄選択を行いやすい(偏りのない)相場B格などの低格付け債の信用リスク懸念は大幅な後退、B格の起債額も大幅に改善
→2025年以降を勘案しても、ハイイールド・ファンドの投資の効用が上がる可能性
3) 相場見通し
→弊社では、米金利の利下げは2024年末以降の後づれと想定。2023末の米10年金利は4.04%、2024末で3.90%とほぼ横ばいの想定
→これを受け、為替(米ドル/円)も2023末で140.4(レンジ130-148)、2024末で140.1(レンジ128-145)を想定
投資戦略動画
主要邦銀3グループの概況(2023年度4月~6月までの実績に基づく)
銀行の信用力は短期決算動向に左右されず、邦銀の発行する各種の社債は安定した投資対象。
本動画における確認内容は、あくまで足元の決算で示された国内主要3メガの動向をモニタリングすることにある。
全体として強い環境。増益でCET1比率も強化。
さらなる利益増に向け積極的にRWAを増やすみずほFGと、流動性リスクの抑制を進めるMUFGとの、流動性リスク管理スタンスが対照的。
アナリスト
エネルギー
PEMEX(メキシコ石油公社;MDY B1/S&P BBB)のクレジット評価アップデート
PEMEX社債の投資評価
- PEMEXの負債は業績の悪化を受け、急速に短期化が進展。年次の借換え額も急増中。
- 弊社のPEMEXクレジットの見方;巨額の債務借換えが求められる中、財務運営は厳しいがコントロール可能。弊社もS&Pと同じく投資対象として保持可能とみる。
理由となる今後の改善可能性は以下3点;
(i) 資産担保調達であれば、長期負債による借り換えの実施可能性
(ii) 生産量・埋蔵量の伸長により、時間をかければ収益構造が改善する可能性
(iii) より深刻になるほど、メキシコ政府による追加支援が強化されやすい可能性
- ただし、2024年予定の次期大統領選挙は前提条件を不安定化させ得る要因。
アナリスト
テクノロジー
インテル(MDY:A2、S&P:A、Fitch:A-)の事業概要と同社のクレジット投資評価
- インテルの信用格付は、Moody’sからA2格、S&PからはA格、FitchからはA-格と高い信用能力は評価されているものの、全格付会社から2023年2月に1-2ノッチの格下げが実施されていた。全格付機関とも格付け見通しもネガティブとしている。
- 弊社では、今後1-2年以内にインテルの信用格付けがさらに1ノッチ程度格下げされる可能性があるがAレンジには留まりやすいと考える。
- 投資対象としては、2年以下もしくは15~20年の社債を推奨。
アナリスト
通信
楽天グループの2023年度第2四半期決算とクレジット評価上の着目点
◎ 結論:楽天G社債の市場状況と社債投資の考え方
- 国内格付機関による格下げの実施にも関らず、楽天Gの資金流動性は引き続き国内資本市場からサポートされやすい。
- 設備投資を抑制する中で楽天Gの資金流動性は2年以内の期間において十分に管理下にあり、信用リスクは現時点において引きつづき抑制されている。
- 社債投資家にとっては、楽天Gの短期(2024/11償還)の米ドル建てシニア社債や、同じく短期(2024/12償還)の日本円建てシニア社債は相対的に優位な投資機会
- 楽天Gの社債への投資にあたっては、長期の外貨建てハイブリッド債よりも短期のシニア債を対象とした投資を推奨
アナリスト
通信
ソフトバンクグループの2023年第1四半期決算とクレジット評価上の着目点
ソフトバンクGの第1四半期決算では、株主帰属純利益が-4,776億円と3四半期連続で赤字だが、ただし社債の元利金支払いの安定性に重要な保有資産の現在価値(NAV)は15.5兆円と調整後の単体純有利子負債も1.4兆円を大幅に上回る。
「反転攻勢」による新規投資がコントロールされつつアーム上場によりさらなる資金を得られれば、さらに社債価格は安定。ドル建て社債市場では財務健全性を評価し同社の社債価格が大幅に上昇、既に債券を保有する投資家にとっては債券保有の安定性が高まっている。
ストラテジー
米国債全般
米ドル建てシニア債のセグメント別市場レート -評価日 2023年8月3日-
6月末から8月3日にかけての個別社債の市場動向を、2年、5年、10年に分けて確認。
- 投資適格では10年社債の平均スプレッドが縮小したが絶対利回りは上昇(社債価格は下落)。
主な高格付けの平均利回り上昇銘柄は、ユニリーバ(A+)、アマゾン(AA)、ハネウェル(A)など 中位の格付での平均利回り上昇銘柄は、Tモバイル(BBB)、オラクル(BBB)、AT&T(BBBなど)
- 投機級(ハイイールド)社債ではスプレッド中央値も縮小したが絶対利回りも下落(社債価格は上昇)
主な利回り縮小(時価上昇)銘柄は、ディッシュネットワーク(CCC-)、ディッシュDBS(B-)、この他、主な利回り字上昇(時価下落)銘柄は、テネット・ヘルスケア(BB-)、ユナイテッド・レンタルズ(BB+)
投資戦略動画
中央銀行の金融政策方針を受けた為替の読み方、資産運用の考え方
日米の金融政策における資金量の増減をみる限り、円高が急速に進む状況は考えにくい
- ドル円レートは135~145円までのレンジ内の動き。2023年9月末までは140円台で推移しやすいが、2023年末にかけては138円程度まで戻す展開も。
- 安定収益確保の観点からは、ドル債投資が引きつづき魅力的
- 日本株のTSE500等のバリュー株を中心に2023年中の投資機会が継続しやすい。
- 米国半導体株が牽引するラリーは、ファンダメンタルを充分に反映しておらず銘柄の選別が重要。
投資戦略動画
主要米銀5行の概況(2023 Q2までの実績に基づく)
- 本動画では、主要米銀5行(JPモルガン、バンクオブアメリカ、シティグループ、ウェルズファーゴ、ゴールドマンサックス)の上半期までの決算動向を確認
- 金融商品の織り込むリスクとの違いを比較
- 金融商品の価格は、ファンダメンタルよりも米国のマクロ環境の悪化を強く織り込んだ内容。
ストラテジー
米国債全般
米国ドル建て債券市場動向と着目点 -2023年6月末から8月1日まで –
2023年7月の米国債券市場の動きで注目すべき点として、下記が挙げられる。
1). 米国内での利下げ可能性への期待感の後退が長期金利にも影響
2). 米国経済の減速懸念の後退により、社債のスプレッドが低下
3). これまで根強く存在した投機級(ハイイールド)社債の借り換えリスクに対する懸念も後退傾向
ストラテジー
欧州債全般
ECBによる金融正常化(引き締め)政策に関する声明と今後の欧州債券相場の考え方
本レポートでは、2023年7月27日のECB声明とラガルド総裁の記者会見内容などを元に、今後のユーロ圏の金融政策の動向と相場予想に関する弊社の考え方を示す。
ここでは、欧州債券相場についてコンセンサス予想の中身を確認し弊社の想定との違いを比較した。
- 弊社では、2023年は利上げが継続、2024年中も速やかに大幅な利下げが行われることはないと想定。短期債中心の投資が有効と想定。
- 市場コンセンサスは、2023年中にも反転利下げが開始、2024年以降には利下げが継続されることを想定。
ストラテジー
米国債全般
2023年7月FOMC声明を受けた米金融政策の今後と米ドル建て債券投資戦略
本レポートでは、2023年7月のFOMCにおける声明やパウエル議長の記者会見内容などを元に、今後の金融政策の動向と相場予想、債券投資戦略に関する弊社の考え方を示す。
- 短期金利は政策金利に強く連動するが、長期・超長期の連動性は相対的に限定
- 相対的に安定性が高い戦略;利息収入などで着実な収益を確実に現金でリターンを蓄積し、再投資により元金が着実に増える債券への投資。(目安は直利で6-7%台)
- 相対的に不安定性が高い戦略;利息収入が小さく、デュレーションの長い金利の方向感にかけた債券投資。(例:超長期の米国ストリップ債投資など)
アナリスト
テクノロジー
アップル(Apple Inc、MDY;Aaa/S&P;AA+)のクレジット評価
本レポートでは、Apple Inc.(以下、アップル)の、FY2023 Q2(2023年3月期)までの四半期決算(アップルは9月末決算)を元に、アップルの経営状況や主要商品市場の現状を確認し、同社に対するクレジット評価を行う。
投資戦略動画
欧州銀行業界・ドイツ銀行の概況とTier2債の投資機会
本リサーチ動画では、主要欧州銀5行の中の財務傾向を確認すると共に、米ドル建てTier2債の中で相対的に利回りが高いドイツ銀行債の投資評価ポイントについて説明しました。
ストラテジー
欧州債全般
ECBによる金融正常化(引き締め)政策に関する声明と今後の欧州債券相場の考え方
本レポートでは、2023年6月15日のECB声明とラガルド総裁の記者会見内容などを元に、今後のユーロ圏の金融政策の動向と相場予想に関する弊社の考え方を示す。
政策金利については、i) +25bpsの利上げを実施、ii) 7月に金利を引き上げる可能性が高い、iii) その先は経済データ次第、iv) 証券保有残高については、APP保有分を7月末以降に月あたり約150億ユーロの減額、v) PEPP保有分は、2024年まで再投資による残高維持方針。全体的な金融政策戦略とスタンスとの整合性を確保。
ラガルド総裁は、2025年に2.2%のインフレ目標を達成するには、さらなる利上げが継続して必要との見解。インフレのさらなる上振れの可能性にも言及。
ストラテジー
米国債全般
2023年6月FOMC声明を受けた米金融政策の今後と米ドル建て債券投資戦略
本レポートでは、6 月の FOMC における声明やパウエル議長の記者会見内容などを元に、今後の金融政策の動向と相場予想、債券投資戦略に関する弊社の考え方を示す。
個別発行体評価
楽天グループ社債投資の評価ポイント
本リサーチ動画では、楽天グループ社債投資における評価ポイントについて説明しました。
個別発行体評価
ソフトバンクグループ社債投資の評価ポイント
本リサーチ動画では、ソフトバンクグループ社債投資における評価ポイントについて説明しました。
アナリスト
保険
日本生命のクレジット評価と社債投資の考え方
本レポートでは、2023年3月期本決算を受けた日本生命の業績の傾向とクレジット投資における投資評価の考え方を示す。
◎ 日本生命グループの概要、評価の方針 p. 1
◎ 日本生命(連結)の経営状況と国内外の事業状況 p. 5
- 日本生命連結での保険料等収入は6.4兆円となり増収傾向。ただし、増分の多くは一時払商品に起因。2022年度における連結基礎利益は4,794億円(前年比-43.7%)と大幅な減益。当期純余剰(利益)も1,182億円(前年比-65.9%)に留まった。
◎ 日本生命(相互会社単体)の経営状況 p. 8
i. 日本生命の保険事業の状況
ii. 日本生命の資産運用の状況
iii. 日本生命の経常利益の状況
◎ 日本生命の連結/単体のソルベンシー・マージン比率、ESRの状況 p. 13
◎ 日本生命の信用格付け、債券の投資機会の考え方 p.16
債券市場アップデート
米国債券市場の動向(2023/6初頭まで)
本リサーチ動画では、4月末から6月初旬にかけて観測された米国債券市場の状況を概観した。
アナリスト
保険
明治安田生命のクレジット評価と社債投資の考え方
本レポートでは、2023年3月期本決算を受けた明治安田生命の業績の傾向とクレジット投資における投資評価の考え方を示す。
投資戦略動画
2023年下半期のグローバル市況見通しと債券投資戦略
本リサーチ動画では、金融政策の影響が強まるグローバル金融市場の中で生じている市場特性の変化と、主要中銀や金利・為替指標の見通し、及びこれを前提とした債券投資戦略の考え方について紹介しています。
ストラテジー
米国債全般
米ドル建てシニア債のセグメント別市場レート -評価日 2023年6月6日-
本レポートは、米ドル建ての事業債のうち、1 債券当たりの発行額が多い債券を年限別・利回り水準別にグルーピングし、シニア債ポートフォリオを構築する場合の提案の一助とすることを目的とした、データ集である。
ストラテジー
米国債全般
米国ドル建て債券市場動向 2023年5月最終週時点
本レポートでは、2023年6月2日までの米国債券市場の動向を確認した。
投資戦略動画
基軸通貨建てソブリン債投資の考え方
1.ソブリン債とは
2.ソブリン債の信用格付け
3.グローバルなリスク要因
4.中南米のソブリン例
5.中東のソブリン例
6.アジアのソブリン例
アナリスト
保険
第一生命のクレジット評価と社債投資の考え方
本レポートでは、2023 年 3 月期本決算を受けた第一生命 HD 及びグループ傘下の第一生命等の業績の傾向とクレジット投資における投資評価の考え方を示す。
投資戦略動画
欧州銀行AT1債のベイルイン可能性に関する制度・契約条項からの再考察
本リサーチ動画では、欧州銀行(特にECB参加のG-SIBs)が発行するAT1債のベイルインの可能性を、法制度および契約条件の観点からお伝えします。
アナリスト
通信
ソフトバンクグループの2022年度通期決算とクレジット評価上の着目点
本レポートでは、ソフトバンクグループ(以下、ソフトバンク G)の決算状況と、同社社債投資にあたってのクレジット評価上の着目点について確認する。
アナリスト
通信
楽天グループの2023年度第1四半期決算とクレジット評価上の着目点
本レポートでは、楽天 G の決算及び上記などの要因を考慮した、同社クレジット投資評価上で重要と思われるポイントを確認する。
投資戦略動画
保険・事業会社ハイブリッド劣後債の投資機会の考え方
1. ハイブリッド事業劣後債とは?
2. 各国債券市場におけるコール・スキップ事例 - 通貨・業種別の傾向 –
3. 国内生保に関する規制と信用リスク特性
4. 国内生保の財務傾向の見方
5. 国内生保が発行する劣後債の特徴
6. 国内生保の劣後債の市場状況
ストラテジー
米国債全般
米国ドル建て債券市場動向 2023年5月時点
本レポートでは、4 月末までの米国債券市場の動向を確認した。
ストラテジー
米国債全般
シニア債サブ・ポートフォリオ – 評価日 2023 年4 月20 日 –
本レポートでは、米ドル建ての事業債のうち、1 債券当たりの発行額が多い債券を年限別・利回り水準別にグルーピングし、シニア債ポートフォリオを構築する場合の提案の一助とすることを目的とする。
投資戦略動画
富裕層の為のグローバル債券投資戦略
本リサーチ動画では、富裕層の為のグローバル債券投資戦略と題しまして、現在の市場環境を考慮した場合の最適な投資戦略の考え方についてご紹介します。
ストラテジー
米国債全般
米ドル建て銀行社債の取引傾向の変化
本レポートでは、シリコンバレー銀行(以下、SVB)の破綻に端を発した一部の米国国内銀行からの資金流出や、クレディ・スイス・グループ(以下、CSG)の AT1 債のベイルイン(額面全額償却)等を受け、米国債券市場の中での銀行社債の取引動向を確認する。
ストラテジー
米国債全般
米国ドル建て債券市場動向- 2023年2月末から3月末まで –
本レポートでは、3 月末までの米国債券市場の動向を確認した。
債券市場アップデート
米国債券市場の動向(2023/3末まで)
本リサーチ動画では、2023年3月末までの米国債券市場の動向についてお伝えします。
債券市場アップデート
グローバル市場見通しと債券運用戦略
本リサーチ動画では、銀行危機を受けたグローバル債券の見通しと投資戦略についてお話します。
アナリスト
エネルギー
PEMEX(メキシコ石油公社;MDY B1/S&P BBB)のクレジット評価と社債投資戦略
本レポートでは、PEMEX(メキシコ石油公社)の経営状況と政府支援に関する格付機関別のスタンスを確認し、社債相場の現状を踏まえた同社債券に対する投資戦略を提案する
ストラテジー
米国債全般
米国債券市場の動向(2023年1月末から2月末まで)
本レポートでは、2023 年 1 月末から 2 月末までの米国債券市場の動向を確認する。
債券市場アップデート
米国債券市場の動向(2023/2末まで)
本リサーチ動画では、2023年2月末までの米国債券市場の動向についてお伝えします。
入門用動画
銀行劣後債(CoCo債) とその基本特性
本動画では、バーゼルIII規制に従って発行される銀行劣後債、特に永久劣後債を中心に、債券の特性やリスク評価の考え方などを解説します。
アナリスト
通信
楽天グループの2022年度通期決算とクレジット評価上の着目点
2023 年 2 月 14 日、楽天グループ株式会社(楽天 G)では、2022 年度(2022 年 12月期)の通期連結決算を公表した。本レポートでは、楽天 G の決算におけるクレジット投資評価上で重要と思われるポイントを確認する。
ストラテジー
米国債全般
米国ドル建て債券市場動向- 2023年年初から2月10日まで –
本レポートでは、米国債券市場における 2023 年年初から 2 月 10 日 までの約1ヶ月強の米国債券市場の動向を確認する。
入門用動画
信用格付とは?
本動画では、債券投資において非常に重要な「信用格付」とは何か、信用格付の種類の違い、信用格付を活用する際の注意点などを解説します。
アナリスト
通信
ソフトバンクグループのFY2022Q3決算とクレジット評価上の着目点
2023 年 2 月 7 日、ソフトバンクグループ株式会社は、2023 年 3月期 第3四半期の決算を公表した。本レポートでは、同決算内容のうち、同社発行社債などクレジット評価上で重要と考えるポイントについて解説した。
債券市場アップデート
米国債券市場動向(2023-2-10まで)
本リサーチ動画では、2023年2月10日までの米国債券市場の動向についてお伝えします。
投資戦略動画
投資信託が提供する投資機会の傾向
本リサーチ動画では、投資信託が提供する投資機会の傾向について、2022年末までの市場動向を振り返ってみます。
ストラテジー
欧州債全般
ECBによる金融正常化(引き締め)政策に関する声明と 今後の欧州債券相場の考え方
2023 年 2 月 2 日に、欧州中央銀行(ECB)から、金融政策に関わる 2 つの重要な声明がリリースされた。本レポートでは、これら ECB 声明とラガルド総裁の記者会見内容などを元に、今後のユーロ圏の金融政策の動向と相場予想に関する弊社の考え方を示す。
ストラテジー
米国債全般
FOMC声明を受けた米金融政策の今後と相場の考え方
2023 年 1 月 31 日~2 月 1 日にかけて、米国連邦公開市場委員会(以下、FOMC)が開催された。本レポートでは、FOMC における声明はパウエル議長の記者会見内容などを元に、今後の金融政策の動向と相場予想に関する弊社の考え方を示す。
投資戦略動画
2023年のグローバル債券展望と運用戦略
本リサーチ動画では、2023年の金融政策の前提、2023年の相場想定、社債などへの投資評価の前提、社債などへの投資戦略の考え方などについて、ご説明します。