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レポート
米ドル建て債券市場動向 週次:11月8日まで
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レポート
米ドル建て債券市場動向 週次:11月1日まで
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投資戦略動画
「2024年11月」トランプ氏の大統領再選、各国中銀の政策決定会合を受けた、為替見通しと外貨建て債券投資の考え方
本動画では、(2024年11月)トランプ氏の大統領再選、各国中銀の政策決定会合を受けた、為替見通しと外貨建て債券投資の考え方を解説した。
1.市場で進む「トランプ・トレード」とトランプ次期大統領の施策
2.金融政策に応じた市場特性の変化
3.米国の経済状況と金融政策の考え方
4.日本の経済状況と金融政策の考え方
5.金利・為替相場見通しと債券投資戦略
債券市場アップデート
米ドル建て債券市場動向 2024年11月-第1週
[米ドル建て債券相場動向]
- 米国の債券市場では、11月FOMCにおける2回連続の利下げにも関わらず、長期金利は連動せず高止まり。トランプ新政権移行後に生じうるインフレへの警戒感を反映か。
- 社債のスプレッドは、投資適格(IG)、投機級(HY)を含め、全面的にタイト化。景気回復への期待も反映したトランプトレードの余波は社債市場にも。
- トランプトレードに着目する投資家を中心に、市場の一部で同氏着任後のインフレ率や経済成長をより強く想定する投資家が、米ドル建て債券の売りをリード。
- 米大統領には強大な権限が与えられているが、仮に減税や関税の引き上げを行うにしても、タイミング的には、2025年後半における影響となる可能性もある。
- 米ドル建て債券価格のオーバーシュートは、もう少し継続する可能性あり。2024年12月にはクリスマス休暇で市場の流動性も低下しやすく、2025年 1月は、神経質な相場ながらも金利上昇(単価下落)方向にすすみやすい。トランプ新大統領着任後の2025年1月末以降に修正が顕在化の可能性。
[新発社債の状況]
- 起債額の特に大きかった案件は、11月8日に発行した損害保険セクターのマーシュ・アンド・マクレナンの72.5億ドルの起債。債券の本数は7本、年限は3~30年、優先債調達。リスク、戦略、人材等の分野でグローバルにプロ向けサービスを提供するマーシュ・アンド・マクレナンは、傘下のマーサー部門が、11月4日付、英国とオランダで約660億ドルの運用資産を持つカルダノ社の買収に合意したことを発表。
- 2番目に起債額が多かったのは、廃棄物環境サービス機器セクターのウエイストマネジメントの52億ドル。全米最大の廃棄物処理事業者のウエイストマネジメント社では、Q3決算で売上高が前年比+7.9%、営業利益が+9.6%の増収増益。米国によるリサイクル率の5割までの引き上げ方針(現状約3割)を受け、さらなる事業投資を計画。
[米ドル建て社債取引動向]
- 流通市場で債券の取引額が多かった金融機関債は、バンクオブアメリカ債で、次いでゴールドマンサックスグループ債。
- 決算に合わせて新規起債のフリーズ期間の直後であったこともあり金融社債の取引は薄く、総取引金額も前週の2/3程度まで減少。
- 事業会社債のうち、投資適格債券で取引が多かったのは、メキシコ石油公社(ぺメックス)が最も多く、CVSヘルス、ボーイングが、それに続いた。4位の化学メーカーのセラニーズでは、 11/6付けで、Moody’sが格下げ方向での格付見直しを開始。欧州や中国での自動車や建設需要の低下により、同社の低い収益率や高い債務レバレッジの改善が困難、との理由による。これを受け、同社社債の取引額が増加。
[個別社債価格の動向]
- 米国籍事業債の投資適格債で、最も上昇したのは娯楽コンテンツセクターのディスカバリー・コミュニケーションズ。ワーナーブラザース・ディスカバリーの11/7公表のQ3決算において、10四半期ぶりに当期純損益が黒字転換(税引前赤字は継続)。同決算を受けグループ企業の社債が値上がり(1,3,4位)。
- 投資適格債で最も下落したのが、化学工業セクターのセラニーズUSホールディングス。前述のMoody’sによるネガティブ・ウォッチ指定を受けた動き。投機級債で最も下落したのは、ケーブルテレビ・衛星放送セクターのディッシュDBS。売上高の継続的な低下を受け、10/1にもS&PによりCCC-からCCに格下げされていた。
- 外国籍事業法人の投資適格債で、最も価格が上昇したのは石油:総合セクターのメキシコ石油公社(ペメックス)。一部議員が、DUCと呼ばれるペメックスの税負担のさらなる軽減策を2025年度予算に盛り込むことを検討と、一部メディアに言及。メキシコ官報ではペメックスの8月分のDUC支払いを11月27日に延期としている。これらを材料にペメックス社債の時価が上昇。
- 外国籍事業法人の投資適格債で最も上昇したのは、石油:総合セクターのメキシコ石油公社(ペメックス)。WTIが、先週に70ドル台を回復したことを受け、中南米などのエネルギー・資源関連発行体の社債価格が上昇した。
半面で、外国籍の投資適格債で最も下落したのが、公益事業セクターのSaudi Electricity Sukuk Program Company。中国やアジアの金属や資源関連の主要企業の社債は、中南米とは逆に価格が下落。
ストラテジー
米国債全般
米ドル建て債券市場動向 週次:11月8日まで
[米ドル建て債券相場動向]
- 米国の債券市場では、11月FOMCにおける2回連続の利下げにも関わらず、長期金利は連動せず高止まり。トランプ新政権移行後に生じうるインフレへの警戒感を反映か。
- 社債のスプレッドは、投資適格(IG)、投機級(HY)を含め、全面的にタイト化。景気回復への期待も反映したトランプトレードの余波は社債市場にも。
- トランプトレードに着目する投資家を中心に、市場の一部で同氏着任後のインフレ率や経済成長をより強く想定する投資家が、米ドル建て債券の売りをリード。
- 米大統領には強大な権限が与えられているが、仮に減税や関税の引き上げを行うにしても、タイミング的には、2025年後半における影響となる可能性もある。
- 米ドル建て債券価格のオーバーシュートは、もう少し継続する可能性あり。2024年12月にはクリスマス休暇で市場の流動性も低下しやすく、2025年1月は、神経質な相場ながらも金利上昇(単価下落)方向にすすみやすい。トランプ新大統領着任後の2025年1月末以降に修正が顕在化の可能性。
[新発社債の状況]
- 起債額の特に大きかった案件は、11月8日に発行した損害保険セクターのマーシュ・アンド・マクレナンの72.5億ドルの起債。債券の本数は7本、年限は3~30年、優先債調達。リスク、戦略、人材等の分野でグローバルにプロ向けサービスを提供するマーシュ・アンド・マクレナンは、傘下のマーサー部門が、11月4日付、英国とオランダで約660億ドルの運用資産を持つカルダノ社の買収に合意したことを発表。
- 2番目に起債額が多かったのは、廃棄物環境サービス機器セクターのウエイストマネジメントの52億ドル。全米最大の廃棄物処理事業者のウエイストマネジメント社では、Q3決算で売上高が前年比+7.9%、営業利益が+9.6%の増収増益。米国によるリサイクル率の5割までの引き上げ方針(現状約3割)を受け、さらなる事業投資を計画。
[米ドル建て社債取引動向]
- 流通市場で債券の取引額が多かった金融機関債は、バンクオブアメリカ債で、次いでゴールドマンサックスグループ債。
- 決算に合わせて新規起債のフリーズ期間の直後であったこともあり金融社債の取引は薄く、総取引金額も前週の2/3程度まで減少。
- 事業会社債のうち、投資適格債券で取引が多かったのは、メキシコ石油公社(ぺメックス)が最も多く、CVSヘルス、ボーイングが、それに続いた。4位の化学メーカーのセラニーズでは、 11/6付けで、Moody’sが格下げ方向での格付見直しを開始。欧州や中国での自動車や建設需要の低下により、同社の低い収益率や高い債務レバレッジの改善が困難、との理由による。これを受け、同社社債の取引額が増加。
[個別社債価格の動向]
- 米国籍事業債の投資適格債で、最も上昇したのは娯楽コンテンツセクターのディスカバリー・コミュニケーションズ。ワーナーブラザース・ディスカバリーの11/7公表のQ3決算において、10四半期ぶりに当期純損益が黒字転換(税引前赤字は継続)。同決算を受けグループ企業の社債が値上がり(1,3,4位)。
- 投資適格債で最も下落したのが、化学工業セクターのセラニーズUSホールディングス。前述のMoody’sによるネガティブ・ウォッチ指定を受けた動き。投機級債で最も下落したのは、ケーブルテレビ・衛星放送セクターのディッシュDBS。売上高の継続的な低下を受け、10/1にもS&PによりCCC-からCCに格下げされていた。
- 外国籍事業法人の投資適格債で、最も価格が上昇したのは石油:総合セクターのメキシコ石油公社(ペメックス)。一部議員が、DUCと呼ばれるペメックスの税負担のさらなる軽減策を2025年度予算に盛り込むことを検討と、一部メディアに言及。メキシコ官報ではペメックスの8月分のDUC支払いを11月27日に延期としている。これらを材料にペメックス社債の時価が上昇。
- 外国籍事業法人の投資適格債で最も上昇したのは、石油:総合セクターのメキシコ石油公社(ペメックス)。WTIが、先週に70ドル台を回復したことを受け、中南米などのエネルギー・資源関連発行体の社債価格が上昇した。
半面で、外国籍の投資適格債で最も下落したのが、公益事業セクターのSaudi Electricity Sukuk Program Company。中国やアジアの金属や資源関連の主要企業の社債は、中南米とは逆に価格が下落。
個別発行体評価
ゴールドマンサックスの概要と投資評価ポイント
本動画では、ゴールドマン・サックスの概要とクレジット投資評価について解説する。
-ゴールドマン・サックスは、米国に拠点を持つ投資銀行で、支店網や個人向け預金口座を持つ商業銀行とは異なり、投資銀行業務やトレーディング業務、その他法人向け業務に特化した事業モデルが特徴的。
- 近年では、リテール/ウェルス業務にも参入したものの、事業の撤退や売却が相次ぐ等、個人向け業務では成功しているとは言い難い状況。
- 金融安定理事会(FSB)が定めるグローバルなシステム上重要な金融機関(G-SIBs)にもカテゴリー1として指定されている。
- 純収益の事業別構成比は、グローバルバンキング&マーケッツが約6割を占め、アセットウェルスマネジメントは3割、プラットフォームソリューションズは5%と相対的に小規模。
税引前利益の事業別構成比では、グローバルバンキング&マーケッツが約9割を占め、アセットウェルスマネジメントが1割。プラットフォームソリューションズは継続して赤字。
- FY2024 Q3におけるゴールドマンサックスのCET1比率(%/標準的手法)は14.5%となり、前年同期比で-0.3%下落。
CET1比率は、他の米銀と比較すると相対的に高い水準にあり、規制資本証券のベイルインまでの絶対的なバッファがより大きい。
ただし、一見してベイルインへの耐性が強そうに見えるが、実際には事業リスクが他銀行よりはるかに大きく、こうした違いを勘案する必要性がある。
- 2024年のゴールドマンサックスのストレステストの結果では、ストレス顕在化後のCET1資本は最悪時に8.5%まで低下する可能性があるとFRBから指摘されている。
- 同社の発行体格付けは、S&PがBBB+に据え置く一方、Moody’sとフィッチはA格中位とするなど、格付機関でも評価が分かれている。よって、シニア債(TLAC債)や、期限付劣後債(Tier2)等の投資においてはMoody’sやフィッチの格付けに準じた評価は妥当。一方、AT1証券については、S&Pのより厳しい信用力評価を参考にするべき。
- GSのシニア債(TLAC債)については、他の米商業銀行対比で相対的にスプレッドがのっており、より効率的な投資対象の一つとして、検討に値する。
個別発行体評価
ジョンソン・エンド・ジョンソンの概要と投資評価ポイント
本動画では、ジョンソン・エンド・ジョンソン(J&J)の事業概要と、クレジット投資評価を解説。
- J&Jは製薬、医療関連機器、その他関連製品の開発、販売を手掛ける多国籍企業。 広範な疾患領域に分散化された医薬品ポートフォリオは業界内でも最大レベルで分散化。さらに医薬品以外の売上も大きく、米国最大の医薬品企業として最も安定した事業モデルを確保。
- FY2023年の総売上は約850億ドル。医薬企業としては世界最大だが、医薬品の製薬会社別売上高で同社は3位。売上の約2/3が医薬品、1/3がメドテック(医療関連機器)。
- FY2023において同社最大の売上高を占めた医薬品は、乾癬・クローン病・潰瘍性大腸炎治療薬のステラーラ(Stelara)。他社との和解、合意の結果、2024年内はバイオシミラーの販売の阻止に成功したが、2025年以降の増収は期待しにくい。
- 数多くの創薬パイプラインを保有(総保有件数は94件)。特にフェーズⅢと申請段階に数多く創薬パイプラインを抱えており、特許切れによるブロックバスター減収への懸念も解消されやすい。
- 同社は2023~2024年にも数々のM&Aを積極的に実施、医薬ポートフォリオを拡大。直近一年間の中では最も買収額が大きい買収案件はショックウェーブ・メディカル社で、買収総額は約125億米ドル。
- 返済能力の指標である「ネット有利子負債/EBITDA倍率」は、FQ2 2023以降、1倍未満と同業他社を大きく下回る水準で推移。同社の返済能力は同業他社に比べ相対的にかなり高い。
- J&Jは、主要格付機関(Moody's、S&P)から最も信用力の高い格付評価(AAA格相当)を受けている。
- 残存10年以下の、社債のスプレッド水準は、米国の財投機関並みの低い水準。AAAクラスの安定性を前提に米国債の代替としての投資を検討しうる投資家には、債券投資の検討対象となり得る。 一方で、米国の財投機関と大差ないスプレッドを民間企業としてどう見るかは検討課題。
債券市場アップデート
米ドル建て債券市場動向 2024年10月-第5週
本動画は、2024年10月25日から11月1日までの米国債券市場動向の状況を示すことを目的とする。(起債額と取引額は2024年10月28日から11月1日まで)
大統領選の結果で細かい動きは変わり得るものの、現状の公約ではいずれの候補が当選しても、大規模減税により、米国の債務は増大し、インフレは再加速しやすい、というのが市場コンセンサス。この結果、利下げへの動きは停止し、再利上げも織り込んだ動きに。ただし、トランプ候補の経済・金融政策は定まっておらず、同候補が当選する可能性を考慮するほど、不安定性が高まりやすい状況。
〇米ドル建て債券起債動向
-起債額の特に大きかった銘柄は管理医療セクターのエレバンス・ヘルスの52億ドルの起債。債務借換え、事業から得たキャッシュ、新規起債による超過資金を合わせてM&A等の目的に充当の予定。2番目は、たばこセクターのフィリップ・モリス・インターナショナルの30億ドル。3番目は、政府開発銀行セクターのドイツ復興金融公庫の20億ドル。
〇米ドル建て社債取引動向
-前週の取引額が多かった社債を、金融機関債と、事業会社(投資適格、投機級)に分け、それぞれ示した。
-最も債券の取引額が多かった金融機関債はJPモルガンチェース債、次いでバンクオブアメリカ債、ゴールドマンサックスグループ債だった。
-事業会社のうち投資適格債券で取引額が最も多かったのはメキシコ石油公社(ぺメックス)で、ウエイストマネジメント、ボーイングがそれに続いた。
〇米ドル建て債券価格動向
-ここでは、前週の利回り・スプレッドの時系列推移、セグメント別に比較した個別社債相場の動向を確認する。
-大統領選の減税公約等がさらなる債務増とインフレを誘発するとの見方から、長期金利を含むイールドカーブも全般的に上昇。米国債金利が大きく変動する中、投資適格(IG)社債のスプレッドは小幅な変動に留まった。
-米国籍事業法人の投資適格債で最も上昇したのは衣料、繊維製品セクターのVF。投機級債で、最も上昇したのはケーブルテレビ・衛星放送セクターのディッシュDBS債。
-外国籍事業法人の投資適格債で、最も上昇したのは石油:総合セクターのメキシコ石油公社(ペメックス)。投機級債では探査・生産セクターのLeviathan Bond Ltd。
-金融機関の投資適格債で、最も上昇したのは三井住友フィナンシャルグループ債。一方、最も下落したのはバークレイズ債。
ストラテジー
米国債全般
米ドル建て債券市場動向 週次:11月1日まで
本レポートでは、2024年10月25日から11月1日までの米国債券市場動向の状況を示すことを目的とする。(起債額と取引額は2024年10月28日から11月1日まで)
大統領選の結果で細かい動きは変わり得るものの、現状の公約ではいずれの候補が当選しても、大規模減税により、米国の債務は増大し、インフレは再加速しやすい、というのが市場コンセンサス。この結果、利下げへの動きは停止し、再利上げも織り込んだ動きに。ただし、トランプ候補の経済・金融政策は定まっておらず、同候補が当選する可能性を考慮するほど、不安定性が高まりやすい状況。
〇米ドル建て債券起債動向
-起債額の特に大きかった銘柄は管理医療セクターのエレバンス・ヘルスの52億ドルの起債。債務借換え、事業から得たキャッシュ、新規起債による超過資金を合わせてM&A等の目的に充当の予定。2番目は、たばこセクターのフィリップ・モリス・インターナショナルの30億ドル。3番目は、政府開発銀行セクターのドイツ復興金融公庫の20億ドル。
〇米ドル建て社債取引動向
-前週の取引額が多かった社債を、金融機関債と、事業会社(投資適格、投機級)に分け、それぞれ示した。
-最も債券の取引額が多かった金融機関債はJPモルガンチェース債、次いでバンクオブアメリカ債、ゴールドマンサックスグループ債だった。
-事業会社のうち投資適格債券で取引額が最も多かったのはメキシコ石油公社(ぺメックス)で、ウエイストマネジメント、ボーイングがそれに続いた。
〇米ドル建て債券価格動向
-ここでは、前週の利回り・スプレッドの時系列推移、セグメント別に比較した個別社債相場の動向を確認する。
-大統領選の減税公約等がさらなる債務増とインフレを誘発するとの見方から、長期金利を含むイールドカーブも全般的に上昇。米国債金利が大きく変動する中、投資適格(IG)社債のスプレッドは小幅な変動に留まった。
-米国籍事業法人の投資適格債で最も上昇したのは衣料、繊維製品セクターのVF。投機級債で、最も上昇したのはケーブルテレビ・衛星放送セクターのディッシュDBS債。
-外国籍事業法人の投資適格債で、最も上昇したのは石油:総合セクターのメキシコ石油公社(ペメックス)。投機級債では探査・生産セクターのLeviathan Bond Ltd。
-金融機関の投資適格債で、最も上昇したのは三井住友フィナンシャルグループ債。一方、最も下落したのはバークレイズ債。
入門用動画
債券にデフォルトが起こるとどうなるの?
本動画では、債券にデフォルトが生ずる仕組みと、その場合に残った価値を回収するための仕組みについて解説いたします。債券は基本的には株式などに比べ安全性が相対的に高い商品ですが、それでもデフォルトが生じて大きく価値を失う可能性は存在します。このため債券投資にあたっては、仮にデフォルトが生じた際にどのような状況が生じるのかを、事前に理解しておくことは重要です。
企業の債券は、もともと銀行借入金などに比べて、デフォルトした場合の残余の価値の回収可能性において不利な立場となることが多いです。ただ、アメリカ企業と日本企業の社債を比べると、商習慣や破産法の差などからアメリカ社債の方が相対的にはデフォルト時の回収率が高くなりやすい、という特性もあります。
また、社債とエマージング国債などのソブリン債を比較した場合、法的整理を介在してくれる裁判所の関与がある社債では回収手続きが早期に進みやすいのに対し、裁判所の関与が難しく発行体である国が一方的に提示するエクスチェンジ・オファー等に頼らざるを得ないソブリン債の場合には回収に10年以上がかかることもあります。
投資戦略動画
グローバル銀行劣後債投資の考え方
日米欧の主要銀行における劣後債投資のリスク要因等の考え方について解説していきます。
1.主要銀行への劣後社債投資を検討する理由
2.重要な「銀行」をつぶさないための、損失吸収の仕組み - バーゼルIII銀行規制の概要 -
3.銀行破綻前のシグナル
4.商品性に起因する、時価変動リスクや商品特有の投資リスク
アナリスト
エネルギー
PEMEX(メキシコ石油公社)の「公営企業」化への影響
【結論】
◎ 業態変更がPEMEXの信用力に与える影響
- PEMEXが事業運営において、公的な目的の優先度を高めることは、必ずしも同社社債の信用力を高めることを意味しない。
- 財源、税制、金融保証など、国家財政との一体性が示されれば、信用力のプラス要因。一方で、国家の支援が不透明なまま、政治的に負担増だけを迫られれば、PEMEX社債の信用力にはマイナス要因。
- 債務保証行為はPEMEXの潜在格上げ要因になると同時に、メキシコ政府の潜在格下げ要因にもなり得る。→ 恒久的な支援を行う枠組みを早急に整備する可能性は低い。
- PEMEXの公的な性格の強化は、10年以下などの相対的に短期の信用力を高めやすいが、20年超の超長期の信用力への影響は不透明。
【主な論点】
◎メキシコ石油公社(以下、PEMEX)について、同国内の法律上で規定される「事業種別」を憲法の条文改正を伴って実施する動きが進んでいる。
本レポートは、同変更に関して足元で生じている状況のアップデートと、信用力に対する影響についての考えを整理することを目的とする。
◎ メキシコの政権交代とPEMEXの業態の推移
- PEMEXでは、過去に右派政権の下で商業的な優先順位を伴う「国営生産企業」に分類変更。現在の左派政権の下で、優先順位を公共サービスの提供に置く「公営企業」への変更案が提示、進行中。
◎ 2024年エネルギー改革と憲法改正の現状
- エネルギー改革に伴う憲法の改正点:
(i) PEMEX、CFEは「国営生産企業」から「公営企業」へ、事業の優先度も公的な役割へ
(ii) 公共電力サービスの継続性とアクセシビリティを保証
(iii) 戦略的分野から民間資本を排除し、国家の安全と主権を保証
◎ 憲法改正に関するこれまでと今後のスケジュール
- 2024年10月9日には下院で承認、2024年10月16日に上院で承認。
- 現在は32の州の議会によって議論中。
◎ フィッチ・レーティングスが示したPEMEXの格付け変更可能性
- PEMEXの業態変更に関する議論を受け、フィッチでは3パターンの格付け変更可能性(すべて格上げ方向)を示す。うち、2つのパターンは、メキシコ政府によるPEMEXへの金融債務保証が前提。
◎ 社債市場の反応
- フィッチの事業種別変更に伴う格上げ可能性が市場で好感され、PEMEXの債券価格は9月中旬から10月中旬にかけて大きく上昇。