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バイオジェン(MDY:Baa2、S&P:BBB+)の事業概要と同社のクレジット投資評価
本レポートでは、バイオジェン(Biogen Inc.)の、FY2024 Q1までの決算を元に、経営状況や主要商品市場の現状を確認し、同社に対するクレジット評価を行う。
◎ バイオジェンの事業概要 p. 2
i. バイオジェンの事業概要
- FY2023におけるセグメント別売上はおよそ半分を「多発性硬化症」、2割を「希少疾患」、「抗CD20治療」、1割を「バイオシミラー」が占める構成。
- FY2023は多発性硬化治療薬の売上が著しく落ち込んだ。主要治療薬であるTecfideraはバイオシミラー医薬品との競争により売上高は対前年度比で▲29.9%の大幅減収となった。
ii. 製薬業界におけるバイオジェンのビジネスモデルの特性
- バイオジェンは中核神経領域内でも、さらに細胞制御や脊髄性萎縮症という限られた領域で優位性を獲得。
iii. バイオジェンの主要疾患領域別の事業状況
◎ バイオジェンの業績状況 p. 14
- 四半期決算の売上は前年度同期比で減収。その他の項目における大幅な減収に加えて、多発性硬化症とバイオシミラーにおける減収が重なった結果によるもの。
- FY2023の営業損益は前年度から▲53.7%減益の1,612(百万米ドル)。新薬や独自の疾患領域を展開する医薬品の売上が好調であった一方で、多発性硬化症医薬品の減収とM&Aによる買収の影響が目立つ。
◎ バイオジェンの財務状況 p. 16
- 自己資本比率はFY2023 Q2まで順調な右肩上がり。FY2023 Q3 にM&Aの実施に伴い、一時的に落ち込んだもののFY2024 Q1には元の水準の57%台(FY2023 Q2)まで回復。
- 2024年7月に完了した買収の影響により、再び財政状況の悪化が進むと予測。前回のM&Aですでに多くの「現金・現金同等物及びSTI」を切り崩してしまった点を考慮すると、短期的には起債の可能性。中期的には安定した財務運営を優先か。
◎ バイオジェンの信用格付、及び社債の投資評価 p. 19