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米ドル建てエマージング・ソブリン債の投資評価 -ラテンアメリカの主要発行体 –
本レポートでは、ラテンアメリカのチリ、ペルー、メキシコ、ブラジルについての外貨建てソブリン債の投資評価に関する弊社の考え方を示す。
ラテンアメリカの4ヶ国への外貨建て(米ドル建て)ソブリン債への投資リスクを評価するために、5つの尺度(対外債務償還能力、経済情勢の安定化・不安定化要因、政治的安定性、海外投資家からの魅力度、格付機関による評価)から各国を比較する。
◎ 参照するソブリン債発行4国の概要 p.1
- 経済状況を見ると、
i. インフレが抑制に転じる中、2023年には、利上げを継続したメキシコ(11.3%)、ペルー(6.8%)の2国と、利下げに転じたチリ(8.3%)、ブラジル(11.8%)の2国で、全く逆の金融政策が実施。
ii. 失業率を比較すると、メキシコだけが2.6%と低い水準。他の3国では、チリ(8.5%)、ペルー(6.8%)、ブラジル(7.8%)と高い水準を継続。
iii. IMFによる2024年GDP成長率予想では、相対的に高いメキシコが2.7%、ペルーが2.7%。相対的に低いブラジルが1.7%、チリが1.6%に留まるとの想定。
- 政治的安定性を比較すると、チリ、ペルーの政治的な混乱は2024年以降も続く可能性が高い。一方、メキシコ、ブラジルでは相対的に安定。
- 外国からの直接投資総額が大きいことは、その国が国際企業により魅力的な投資対象と認識されている、ことを表象。2022年のFDIのシェアはブラジルで41.3%の1位、メキシコが16.9%の2位、チリが9.5%の3位、ペルーが5.6%の6位、といずれも重要な位置を占める。
◎ ラテンアメリソブリンの米ドル建て債投資機会の考え方 p.9
- 上記のほか、ソブリン債の信用格付けを考える上で必要となる、経過年数に応じた累積デフォルトの関係、及び外貨建てソブリン債のデフォルト事例とその傾向についても解説した。
Appendix 1. ソブリン債の信用格付けと、経過年数に応じた累積デフォルトの関係 p.12
Appendix 2. 外貨建てソブリン債のデフォルト事例と、その傾向 p.14