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ボーダフォン(Vodafone Group Plc)の事業概要と同社のクレジットの評価
本レポートでは、欧州最大手の総合通信会社であるボーダフォンの事業概要と特性を確認し、同社社債への投資評価を行う。
- ボーダフォンは、事業規模の観点では、欧州の一部同業他社をはるかに凌駕する事業規模を有しているが、多くの市場では他のトップ・モバイル事業者に対し、競争力の面で充分な優位性を保持できておらず、大規模な事業再編の実施中。
- ボーダフォンのモバイル事業では、契約回線のうち32%が定期契約(後払い)型、68%がプリペイド契約型であり、より不安定なプリペイド契約型が、安定した定期契約型に比べはるかに大きい。スペイン事業は不採算を理由に2024年前半までに完全売却予定。
- ボーダフォンは解約率の高さから、日米の無線通信事業者に比べ相対的に不安定な事業特性を持つ。
- ボーダフォンの信用格付け(発行体格付け)はBBB格中位。S&Pでは6/30に格付見通しをポジティブから安定的に引き下げ。
- 無線通信事業では参入障壁も高く、10年程度では元利金の支払い能力への懸念は生じにくい。一方、超長期(20年超)でのビジネス・モデルの持続性には一定の懸念。