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ストラテジー
米国債全般
米ドル建て債券市場動向と着目点 -2023年10月末から11月末まで-
本レポートでは、2023年10月末から11月末までの米国債券市場の動向を確認した。また、弊社による米国金利・為替に関する市場予想を示した。
同期間に米国債券市場の動きで注目すべき点として、下記が挙げられる。
1)米国債イールド・カーブの水準切り下げ
- 11月1日のFOMCを受け、米国内でのインフレ抑制と利上げ終息とのコンセンサスが広がり、さらにCPIがこれまでよりも低い水準を示したことから、米国債券相場は10月末までの長期金利上昇局面から全面的に反転、イールド・カーブは全年限で大幅に低下。
- 短期金利の上昇は打ち止め、長期金利上昇と期間に応じたリスク・プレミアムの織り込みにより、イールド・カーブの順イールド化が進むなどの米国債相場の構造的な転換は維持したままでパラレル・シフト。
- 長期金利の低下の中で、より利回りが残るビジネスモデルが安定した業態の長期・超長期10~30年)社債に関する投資の魅力が向上。
2)社債のスプレッドでは、ファンダメンタルを意識せず全面的なタイト化が進む
- 市場が織り込む信用リスクを反映した社債の信用スプレッドは全般的にタイト化、ただし、B格などの低格付け債の信用スプレッドのタイト化(価格上昇)は、ファンダメンタルを反映したものとはいえず、今後2年以内には反転下落の可能性も。
3)新発債では投資適格、投機級のそれぞれの中で、カントリーリスクに応じた選別傾向。米国籍の発行体に対する相対的な信頼感が強い一方、外国籍の発行体に対しては、相対的にカントリーリスクを懸念、選別傾向を観測。
4)今後の相場見通し
- 2024年中は政策金利は高止まり、利下げの可能性は低い
- 急ピッチで低下した長期金利だが、2024年前半は4.5%付近で推移か
- ドル円レートは、過度な市場の動きを警戒するFEBの要人発言に左右されやすく、2023年末から2024年上半期にかけ145円~151円近辺の間で都度振れやすい。2024年後半には円高方向へのトレンドを形成しやすいが、140円台に留まりやすい。