閏月(うるうづき)って?
唐突ですが、皆さん、『二十四節気』ってご存じですか?
そう「春分」や「夏至」、「秋分」、「冬至」等々です。
とはいえ、全部言えますか? 無理ですよね。(私は無理です。)
『二十四節気』は1年を24等分して、それぞれ季節を表す名前が付けられています。
春:立春、雨水、啓蟄、春分、清明、穀雨
夏:立夏、小満、芒種、夏至、小暑、大暑
秋:立秋、処暑、白露、秋分、寒露、霜降
冬:立冬、小雪、大雪、冬至、小寒、大寒
これらは、旧暦(正確には太陰太陽暦)を基に決まっています。
そもそも、新暦(太陽暦)と旧暦(太陰太陽暦)って、なにがどう違うのか?
なんとなーくですが、太陽を基準にしているのと、月を基準にしているかの違いかなぁ…と、想像する方は多いのではないでしょうか。
はい、ほぼ正解です。
1年間の日数が、太陽暦では365.24219日、太陰暦では354.36707日、太陰太陽暦は太陰暦による日数の数え方を太陽暦の1年にあわせた暦法となります。つまり、太陽暦では、1年は365日で4年に1度閏年(うるうどし)(365日+1日)があります。また、太陰太陽暦では、1年は354日で、19年に7度(ほぼ2~3年に1度)閏月(うるうづき)(12ヶ月+1ヶ月)があります。
日本では、明治5年12月2日までが旧暦(太陰太陽暦)で、次の日を明治6年(1873年)1月1日とし、新暦(太陽暦)に改められました。
ご存じでした? 明治6年までは、2~3年に一度、1年が13か月だったんですよ!
この、あまりなじみのない旧暦(太陰太陽暦)ですが、更になじみがないのが「閏月」です。「閏月」のある年は、1年が13か月となります。旧暦では、ひと月が30日の月(大の月)と29日の月(小の月)があり、その周期は一定ではありません(基本的には大・小ともに1年間に6ヶ月ずつ)。
ではどうやって1年を13ヶ月にするのでしょう? 12月の次に、13月(じゅうさんがつ)という月が存在するわけではありません。
「閏月」の年は、通常の1~12月の中のどこかにひと月追加されます。例えば、旧暦5月の次に「閏5月」(うるう5がつ)というようにひと月追加されます。また、閏月の日数も29日か30日で一定ではありません。
なんか今となっては、とても不思議な感じのカレンダーです。
ここで、ちょっと考えてみると、明治6年までは旧暦ですから、月給制の会社員は1年間で13回給料日がある年があったわけです。逆に、年俸制の会社員は、閏月のある年は、ほかの年に比べて、ひと月分ただ働きをした感覚だったのかもしれません。
閏月の年の場合、製造業や販売業ならば、営業日数も増えるのだから、収益もそれなりに増え、経営者側からしてみれば、特に損得はなかったかもしれませんが、官公庁など公務員の場合にはそうではありません。
実際に、明治5年、時の明治政府は非常な財政難に陥っており、公務員の給料をひと月分払わなくて済むように、その年の11月9日に突然、”来月の12月3日を明治6年1月1日にする“ と告示し、付け焼刃ではあるものの、国の出費(公務員の給料1か月分)を抑えることが出来たということです。
なんともセコイ話ではありますが、当時は真剣に議論した結果の判断だったようです。
もっとも、旧暦から新暦に変えた本来の目的は、明治時代になり、開国したことにより、海外との交易が本格的にはじまったものの、欧米では新暦が使われていたため、日本の旧暦では日付が合わず、グローバル化の一環として、新暦に移行することが決定されたようです。
そもそも二十四節気は、暦の数字由来ではなく、季節・生活・農事等さまざまな節目(ふしめ)由来であったことを考えると、アナログではあるものの、先人の知恵としてのアドバイスとも思えてきます。
秋分の日を過ぎてもまだ真夏日が続くような今日此の頃、あきらかに何かが変。地球温暖化や異常気象を含め、先人からの警告と受け止めるべきではないのでしょうか・・・
二十四節気は全部言えなくても、なじみある節気に季節の節目を感じる、または感じたいのは、日本人ならではなのでしょうか。。。。