いまさら聞けない投資信託のお話(手数料編)
岸田政権の打ち出した 「資産所得倍増プラン」 以降、昔は否定的にも感じた投資に対する考え方が、徐々に肯定化されつつあるように感じる今日此の頃であります。
日経平均も33年ぶりの高値を付け、2023年4-6月のメガバンクや証券各社の決算も軒並み好決算となっています。
新型NISAやiDeCoなど、投資し易い制度創りも着々と進み、何か投資行動を起こさないと、時代に取り残されてしまうような錯覚さえ覚えます。
とはいえ、仮に、今から、株式に投資しようと するにしても、
“そもそもどこで、どうやって買ったらいいの?”
“いくらで買えるの?”
“どの銘柄買えばいいの?”
と、 ?(クエスチョン マーク) のオンパレードとなる方も少なくないのではないでしょうか?
でもネ、 「安心してください。間に合いますよ!!」
そもそも、日本人の文化・気質・習慣からして、『お金のことは銀行』 というような慣習があるのではないでしょうか?
金融機関としては、証券会社もありますが、銀行と比べるとまだまだアウトサイダーであることは否めません。
米国銀行法(1933’ グラス・スティーガル法)を基に、1948年証券取引法65条で、銀行と証券の業務分離が成されて以降、1998年のいわゆる “日本版金融ビッグバン” により、銀行・証券の垣根は低くはなったものの、まだまだ証券会社の一般認知度は高くはないようです。
ただし、昨今では、ネット銀行・ネット証券など、新たな形態の銀行・証券も増え、投資家の選択肢が増えていることも事実です。
さて、話を戻して、投資行動のはなし。
“いきなり証券会社に行って、『 株ください 』 は、ちょっと・・・” っていう気持ち、とても良くわかります。
で、『 投資信託 』 の出番となります。
言わずもがなですが、『投資信託』とは、投資信託会社(運用会社)の “ファンドマネージャー” と呼ばれるプロの運用者が、投資家から集めたお金をまとめて運用するものです。
したがって、運用がうまくいけば、儲けること(リターン)が出来ますが、うまくいかないと、損をする(リスク)場合もあります。
また、投資信託は、銀行でも買えますし、郵便局でも買えますし、証券会社でも買えます。もちろんネット銀行(一部除く)、ネット証券でも買えます。
もう少し具体的に、なぜ投資信託なのか?について、ご説明します。
「どの株を買ったら良いのかわからないので、日経平均株価と同じパフォーマンスとなるように、225銘柄の株を買おう」
と思った場合、(ここでは、分かり易くするために、現物株を購入する場合)
株の売買単位や、ちょっと複雑な日経平均株価指数の計算方法とかも加味すると、10億円位の資金が必要となってしまいます。(とてもじゃないけど無理!)
投資信託であれば、1万円程度から(運用会社によって異なります)日経平均株価と同様のパフォーマンスを目指す投資信託(ファンド)を購入することができます。
また、投資信託(ファンド)は運用の方法によって、大きく2種類に分類されます。
1, パッシブファンド :日経平均株価指数など、指数と同様の値動きを目指すファンド
2, アクティブファンド :独自の投資理論に基づき、ファンドマネージャーの投資判断で投資を行うファンド
それぞれのファンドについては、各運用会社によって、さまざまな種類のファンドがあり、各ファンドの期待リターンとリスクとの兼ね合いで、どれが一番良いとは言えませんが、ひとつだけ押さえておきたいポイントは、投信には手数料が存在する という事です。
メガバンクの普通預金の金利が、0.001%の今の時代に、0.1%~5.0%(場合によっては、それ以上)の手数料がかかります。
ここで、ちょっとワンポイントメモ。
投資信託の手数料と、一言でいうものの、実はいろいろとありまして、購入時にとられるものや、保有期間に引かれるもの、または、売却時にとられるもの等があります。
今は、世論を反映してか、販売手数料がゼロ(いわゆるノーロード)のファンドも増え、信託財産留保額も特殊なファンドでない限り、無い場合が多くなっています。
また、信託報酬については、投資信託の日々の価額に反映している為、例えば、実際の運用パフォーマンスが1年間で5%であっても、信託報酬率が2%の場合、ファンド全体のパフォーマンス(購入者の儲け)としては、3%となります。
一般論ではありますが、アクティブファンドは信託報酬が高く、パッシブファンドは割と安い傾向があります。
パッシブファンドはある意味、指標というお手本にならってポートフォリオを組めば良いので、ファンドマネージャーの力量としては、如何にうまく指標に近づけるかという点に絞られます。言い換えれば、パフォーマンスの善し悪しに責任は無く、指標との差異(トラッキングエラー)が少なくすることに注力すれば良いことになります。
一方アクティブファンドは、ファンド毎の運用条件はあるものの、ファンドマネージャーの力量によってパフォーマンスが左右する分、運用のプロとしての才覚が問われます。
だから、と言ってはなんですが、アクティブファンドの信託報酬が高いのも少し納得できます。
投資信託の手数料は安いに越したことはないのですが、それだけで選ぶと痛い目に遭うこともあります。
例えば、純資産残高が極端に少ないファンドや、少数の保有者でファンドの大半を保有しているファンドなどは、当該ファンドの大口の解約がされた場合、解約に伴う資産売却コスト等が、残ったファンドに多大に影響し、結果、パフォーマンスの低下やトラッキングエラーの増大を招き、平たく言えば、他人の動向で自分が損をする可能性があります。
それ以外にも、知っておいた方が良いファンドの話はいろいろあるので、ご購入の際は、是非プロのアドバイスを受けることをお勧めします。
【手数料等について】
投資信託へのご投資には、所属金融商品取引業者等および銘柄ごとに設定された販売手数料および信託報酬等の諸経費等)をご負担いただく場合があります(手数料等の具体的上限額および計算方法の概要は所属金融商品取引業者等ごとに異なるため本書面では表示することができません。)。
【リスクについて】
投資信託には株式相場、金利水準、為替相場、不動産相場、商品相場等の価格の変動等および有価証券の発行者等の信用状況(財務・経営状況含む。)の悪化等それらに関する外部評価の変化等を直接の原因として損失が生ずるおそれ(元本欠損リスク)、または元本を超過する損失を生ずるおそれ(元本超過損リスク)があります。
上記の手数料等およびリスク等は、金融商品取引契約を結ぶ所属金融商品取引業者等の取扱商品毎に異なりますので、当該商品等の目論見書またはお客様向け資料等をよくお読みください。