とっつきにくい金融用語について、クイズ形式でご紹介します。
今回は、国際決済銀行についての出題です。
問題
我が国の公的年金を運用する独立行政法人「年金積立金管理運用独立行政法人」については、英語の頭文字をとってGPIF(Government Pension Investment Fund)と呼ばれます。このGPIFですが、あるニックネームがついています。それは以下のうちのどれでしょうか?
1. クジラ
2. マンモス
3. ゴジラ
4. タンクローリー
正解:1.クジラ
(今回のイメージはひっかけではありませんでした!)
GPIFの2023年6月末の運用資産額は221兆円で、世界最大の年金運用会社です。
世界の年金基金ランキング(2023年9月時点、米ドルベース)
出所:Thinking Ahead Insituteより5バリューアセットで作成
運用資産額があまりにも大きく、GPIFの動き1つで市場に大きな波が起こるため「クジラ」と呼ばれているんですね。
このGPIFについては、運用成績が赤字だから公的年金がピンチなどと時折ニュースになったりもしますが、その実、市場運用開始以降の運用成績(累積収益額)は127.4兆円(利子と配当だけでも48兆円)で、年率に直すと3.97%だそうです。赤字の時だけ騒がれるので勘違いしがちですが、市場が良いときも悪いときもある中、20年以上ほぼ4%の利回りを得ているのです(詳しくはGPIFのWebサイトでご覧ください)。
それでは、GPIFはどのようにして、こうした高利回りを長期間にわたり上げ続けてきたのでしょうか?参考までにGPIFのポートフォリオの円グラフを見てみましょう。
GPIFの運用資産額の内訳(2023年6月)
出所:GPIF決算資料より5バリューアセットで作成
およそ半分が債券、半分が株式で運用していることがわかります。大事な年金を守るために「基本ポートフォリオ」というのを策定して、リスクを抑えながら期待収益率を上げる「分散投資効果」を用いて、資産の構成割合を守っているそうです。
一方ここで、2,100兆円を超える日本の家計の金融資産の内訳を見てみましょう。
日本の家計金融資産の内訳(2023年6月)
出所:日本銀行 統計データ、”資金循環”より5バリューアセットで作成
半分以上を占める現預金は、現在ほぼ0%ですので、何年持っていてもほとんど増えません。これではGPIFの運用成績4%には、いつまでたっても到達しようがありません。
とはいえ、2024年から新NISA制度も始まり、皆さんの投資熱も盛り上がってきていることと思います。最近はネット証券などでも買える株式・投信・債券などの種類も増えてきているので、皆さんもGPIFにならって、長期の分散投資を試してみてはいかがでしょうか?