このシリーズでは、一般的な債券の知識に加え、2023年の市場環境を踏まえた債券投資の考え方をQ&A方式でお伝えしています。主な投資対象の債券として想定しているのは、低金利の円建て債ではなく、相対的に高金利の外貨建て債であり、これらを活用した運用の考え方をお伝えしています。
Q17. 金融政策とは?
金融政策とは、市場で流通する資金量を「増やす(緩和)」か「減らす(引き締め)」かを調整する政策手段を指します。市場に流通する資金量が増加した場合、物価は上昇し(インフレが加速)、流通する資金量を減少させると物価は下落します(デフレが加速)。中央銀行は、景気が物価の動向を見ながら経済の安定化させるように金融政策を行います。金融政策手段には、公開市場操作と政策金利の変更という主に二つの手段が存在します。
公開市場操作とは中央銀行が市場に流通する証券等を購入することによって、市場に資金(ベースマネーと呼ばれる)を直接供給します。一方、政策金利手段とは中央銀行が政策金利を変更することで市中に出回る資金量を調整する方法です。具体的には、中央銀行が政策金利を上げた場合、資金を中央銀行に集めることができ(市場から減少する)、逆に中央銀行が政策金利を下げると資金を中央銀行から流出させる(市場に供給させる)ことができます。
Q18. 日銀と他の主要中央銀行の金融政策の違いは?
2023年3月現在、日銀とその他の主要な中央銀行では実施されている金融政策が大きく異なります。
ここでは日銀とFED(連邦準備制度)について比較してみます。
FEDはコロナ対応として市場に急激な資金供給をしたことによってインフレが加速したため、インフレ対策を念頭に置いて反転して資金流通量を減少させ金融正常化を図ろうとしています。そのため、政策金利を引き上げ、公開市場操作においても中央銀行がコロナ危機対応で増加させた証券の保有量(ベースマネー)を減少させています。
対して日本では、コロナ危機後も景気の減速を阻止するために資金流通量を増加させ続けるスタンスを取り続けています。このため日銀の金利目標は短期・長期共に引き上げられず、日銀の証券の保有量(ベースマネー)も増加し続けています。また日本独自の政策として国債の長期金利を制御するため、日銀が10年物の国債を買い続けることで金利の変動を抑えるYCC(イールドカーブコントロール)が実施されています。
国内債券のリスクと費用について
外国債券の取引にかかるリスク
債券は、債券の価格が市場の金利水準の変化に対応して変動するため、償還前に換金すると損失が生じるおそれがあります。また、債券を発行する組織(発行体)が債務返済不能状態に陥った場合、元本や利子の支払いが滞ったり、不能となったりすることがあります。
国内債券の取引にかかる費用
国内債券を購入する場合は、購入対価のみお支払いいただきます(手数料相当分が購入対価に含まれます。委託手数料はかかりません)。
外国債券のリスクと費用について
外国債券の取引にかかるリスク
債券は、債券の価格が市場の金利水準の変化に対応して変動するため、償還前に換金すると損失が生じるおそれがあります。また、債券を発行する組織(発行体)が債務返済不能状態に陥った場合、元本や利子の支払いが滞ったり、不能となったりすることがあります。外国債券(外貨建て債券)は為替相場の変動等により円ベースでの損失(為替差損)が生じたり、債券を発行する組織(発行体)が所属する国や地域、取引がおこなわれる通貨を発行している国や地域の政治・経済・社会情勢に大きな影響を受けたりするおそれがあります。
外国債券の取引にかかる費用
外国債券を購入する場合は、購入対価のみお支払いいただきます(手数料相当分が購入対価に含まれます。委託手数料はかかりません)。また、円貨から購入する場合は、債券の発行通貨に為替交換する費用が生じます。この費用は債券の発行通貨によって異なります。
商号等 5バリューアセット株式会社/金融商品仲介業者 近畿財務局長(金仲)第437号