このシリーズでは、一般的な債券の知識に加え、2023年の市場環境を踏まえた債券投資の考え方をQ&A方式でお伝えしています。主な投資対象の債券として想定しているのは、低金利の円建て債ではなく、相対的に高金利の外貨建て債であり、これらを活用した運用の考え方をお伝えしています。
Q7. 債券の利益はどう決まるの?(償還まで保有)
債券の利益については、「新発債か既発債か」、「償還まで持ち続けるか期中売却するか」、「購入時と償還時(売却時)の価値はどちらが高いか」によって異なります。
債券の利益は「インカムゲイン」と「キャピタルゲイン(ロス)」に分けて計算します。「インカムゲイン」は利息収入、「キャピタルゲイン(ロス)」は購入価格と償還価格(売却価格)の差額になります。
ここでは、債券を買った後、償還まで持ち続けた(満期保有した)場合の利益について説明します(いずれも、額面100万円、クーポンは5%、保有期間は5年と仮定します)。
Q8. 債券の利益はどう決まるの?(償還前に売却)
ここでは債券を購入後、償還日より前に売却した場合の利益について説明します。
先に示した償還までの保有(Q7)との違いは、主にキャピタルゲインの計算において、購入価格と売却価格のいずれも額面ではなく市場価格で計算する点にあります(いずれも、額面100万円、クーポンは5%、保有期間は3年と仮定します)。
Q9. 債券の価格と利回りの関係
債券価格と利回りは以下のような関係があります。
価格と利回りの関係について割引債を使って説明します。割引債とは利払いがなく、発行価格が額面から差し引かれて発行されている債券で、発行価格と額面の差額が利息に相当します。
*債券は通常複利で計算しますが、説明のため単利で計算しています。 *経過利息(利払日と異なる日に売買した場合の日数分の利息)は考慮しておりません。 |
5年後に償還する割引債を80万円で購入した場合
80万円から100万円に増えたので 100-80=20の累積利益を得たことになります。これを保有していた5年の単利に換算すると (20÷80)÷5=5% となり、年利5%(単利)となります。
累計利益=100-80=20
年利(単利)=(20÷80)÷5= 5.0%
上と同じ割引債を90万円で購入した場合(債券価格が上がった場合)
90万円から100万円に増えたので (100-90)=10の累積利益を得たことになります。これを保有していた5年の単利に換算すると(10÷90)÷5=2.22% となり、年利2.22%となります。
累計利益=100-90=10
年利(単利)=(10÷90)÷5= 2.22% (利回りが下がった)
また同じ割引債を70万円で購入した場合(債券価格が下がった場合)
70万円から100万円に増えたので (100-70)=30の累積利益を得たことになります。これを保有していた5年の単利に換算すると(30÷70)÷5=8.57%となり、年利8.57%となります。
累計利益=100-70=30
年利(単利)=(30÷70)÷5= 8.57% (利回りが上がった)
国内債券のリスクと費用について 国内債券の取引にかかるリスク 債券は、債券の価格が市場の金利水準の変化に対応して変動するため、償還前に換金すると損失が生じるおそれがあります。また、債券を発行する組織(発行体)が債務返済不能状態に陥った場合、元本や利子の支払いが滞ったり、不能となったりすることがあります。 国内債券の取引にかかる費用 国内債券を、楽天証券との相対取引によって購入する場合は、購入対価のみお支払いいただきます(委託手数料はかかりません)。 外国債券のリスクと費用について 外国債券の取引にかかるリスク 債券は、債券の価格が市場の金利水準の変化に対応して変動するため、償還前に換金すると損失が生じるおそれがあります。また、債券を発行する組織(発行体)が債務返済不能状態に陥った場合、元本や利子の支払いが滞ったり、不能となったりすることがあります。外国債券(外貨建て債券)は為替相場の変動等により損失(為替差損)が生じたり、債券を発行する組織(発行体)が所属する国や地域、取引がおこなわれる通貨を発行している国や地域の政治・経済・社会情勢に大きな影響を受けたりするおそれがあります。 外国債券の取引にかかる費用 外国債券を購入する場合は、購入対価のみお支払いいただきます(委託手数料はかかりません)。また、売買における売付け適用為替レートと買付け適用為替レートの差(スプレッド)は債券の起債通貨によって異なります。 |
商号等 5バリューアセット株式会社/金融商品仲介業者 近畿財務局長(金仲)第437号