皆様は、資産運用という言葉にどのようなイメージをお持ちでしょうか。
金融資産運用といえば、株式投資や株式投資信託などにおいて、リスクをとって2~3倍になる利益を目指す代わりに、相場が悪化すれば一旦は投資資産の価値が-30%とか-50%まで悪化することもある。そんな印象が強いのではないでしょうか。
私たちが本シリーズにおいて個人投資家の方にお勧めするのは債券、特に米ドル建てなど日本円以外の通貨で発行された債券です。それも、グローバル・ソブリン・ファンドのような債券型インデックス投信ではなく、単独の発行体が起債した個別の債券になります。
プロの機関投資家は、働いている間、ずっと市場の動きを見守り投資の機会を分析・評価する時間をもっています。それが、仕事だからです。しかし、個人投資家は違います。自分の仕事や趣味の時間を別に持ちたい一般の個人投資家が、ずっと市場に張り付いていることはできません。しかし、株式のように価格の変動が大きい投資では、市場を確認していないうちに、大きく時価が下がり含み損を抱えてしまうことがあります。
これに対し、債券投資では、定期的に利息を受け取り満期日には元本が返ってきます。例外的な状況が発生しない限り、時価も株式ほど大きく崩れることはありません。
このシリーズでは、一般的な債券の知識に加え、2023年の市場環境を踏まえた債券投資の考え方をお伝えしています。主な投資対象の債券として想定しているのは、低金利の円建て債ではなく、相対的に高金利の外貨建て債であり、これらを活用した運用の考え方をお伝えしています。
Q1.債券とはどんなもの?
債券とは、企業や政府などの発行体が、市場から資金を借り入れるために発行する有価証券です。銀行から借り入れる場合に比べ、より幅広い投資家から直接、事業資金を集めることができます。債券は投資家からの借金であるため、発行体は投資家に対して定期的に利息を支払い、また満期になれば元本を返済することになります。
債券の発行条件として、以下のような項目が挙げられます。借金をする場合の契約書などと同様に、借り入れと返済の条件が定められています。
発行体名 | 債券を発行した発行体の正式名称 |
額面金額 | 債券売買の単位となる最小金額 |
表面利率 | 額面金額に対して支払われる利子率(クーポンレート) |
発行価格 | 債券が発行されるときの価格(一般には額面に一致、異なる場合もある) |
発行日 | 債券が発行(借入)された日付 |
発行/償還通貨 | 債券が発行/償還される通貨 |
償還日 | 満期となり額面金額が償還(返済)される日付 |
利払日 | 利子の支払われるタイプの債券の場合に利子が支払われる日 |
弁済順位 | 発行体が支払い不履行を起こした場合の、司法手続きにおける回収順位 |
Q2. 債券と株式投資の違いは?
金融資産運用といえば、株式投資や株式投資信託などにおいて、リスクをとって2~3倍になる利益を目指す代わりに、相場が悪化すれば一旦は投資資産の価値が-30%とか-50%まで悪化することもある。そんな印象が強いのではないでしょうか。
私たちが本シリーズにおいて個人投資家の方にお勧めするのは債券、特に米ドル建てなど日本円以外の通貨で発行された債券です。それも、グローバル・ソブリン・ファンドのような債券型インデックス投信ではなく、単独の発行体が起債した個別の債券になります。
ここでは、債券投資について、株式投資と比較してご説明いたします。
株式 | 債券 | |
償還日 | なし | あり(永久債を除く) |
議決権 | あり | なし |
発行体 | 企業のみ | 企業・政府 |
利金・配当金 | 配当支払額は、基本的に企業業績により変動 | 定期的な利払い (一般的に固定金利が多い) |
元本償還 | 振込額(出資金等)が現金で払い戻されることはない | 発行時(契約時)に償還日(満期日)と額面が確定(永久債を除く) |
価格の動き | 上下とも価格は変化する | 発行体の信用状況によるが、一般に価格の下落余地は限定されやすい |
Q3. 証券市場とは?
政府部門、民間金融機関、民間一般企業などが活動資金を調達する市場の総称を金融・資本市場といいます。金融・資本市場は大きく分けて短期金融市場(1年以内に返済する資金の調達)と長期金融市場(1年以降に返済/又は返済しなくても良い資金の調達)に分けられ、短期金融市場はインターバンク市場やオープン市場などプロの金融機関向けの市場です。一方の、長期金融市場のことを証券市場とも呼び、この証券市場には株式市場や債券市場があります。証券市場は、プロの金融機関だけでなく、個人の投資家も投資することができます。
株式と債券はいずれも資金調達の手段ですが、債券は政府部門、民間金融機関、民間一般企業などが市場から資金を借り入れるために発行する証券であり、つまり債券は国や企業が行う借金なのです。
国内債券のリスクと費用について
国内債券の取引にかかるリスク
債券は、債券の価格が市場の金利水準の変化に対応して変動するため、償還前に換金すると損失が生じるおそれがあります。また、債券を発行する組織(発行体)が債務返済不能状態に陥った場合、元本や利子の支払いが滞ったり、不能となったりすることがあります。
国内債券の取引にかかる費用
国内債券を購入する場合は、購入対価のみお支払いいただきます(手数料相当分が購入対価に含まれます。委託手数料はかかりません)。
外国債券のリスクと費用について
外国債券の取引にかかるリスク
債券は、債券の価格が市場の金利水準の変化に対応して変動するため、償還前に換金すると損失が生じるおそれがあります。また、債券を発行する組織(発行体)が債務返済不能状態に陥った場合、元本や利子の支払いが滞ったり、不能となったりすることがあります。外国債券(外貨建て債券)は為替相場の変動等により円ベースでの損失(為替差損)が生じたり、債券を発行する組織(発行体)が所属する国や地域、取引がおこなわれる通貨を発行している国や地域の政治・経済・社会情勢に大きな影響を受けたりするおそれがあります。
外国債券の取引にかかる費用
外国債券を購入する場合は、購入対価のみお支払いいただきます(手数料相当分が購入対価に含まれます。委託手数料はかかりません)。また、円貨から購入する場合は、債券の発行通貨に為替交換する費用が生じます。この費用は債券の発行通貨によって異なります。
商号等 5バリューアセット株式会社/金融商品仲介業者 近畿財務局長(金仲)第437号
商号等 5バリューアセット株式会社/金融商品仲介業者 近畿財務局長(金仲)第437号