とっつきにくい金融用語について、クイズ形式でご紹介します。
二回目は「政策金利」に関する出題です。
問題
2023年6月14日のFOMCでは、アメリカの政策金利(FF金利)が5.0~5.25%据え置きになりました。2023年6月15日現在で、以下の4つの国で政策金利が一番高い国はどこでしょう?
- トルコ
- メキシコ
- 南アフリカ
- ブラジル
正解:4のブラジル
1. トルコ=8.50%
2. メキシコ=11.25%
3. 南アフリカ=8.25%
4. ブラジル=13.75%
このほかにエジプトの政策金利にあたる翌日物借入金利=18.75%というのもあります!
ところで、ここに示したように、一部の途上国などでは政策金利が極端に高い国があります。こんな金利が付くのなら、投資しても日本の預金よりよほど利回りがよさそうにも見えます。しかし、実際には、こうした国では物価上昇(インフレ)が高すぎて止まらない状態になっていて、これを抑えるために政策金利を引き上げています。そういう国では、外貨準備も不足しやすくなり、通貨も下落しやすくなることから、日本円の金利よりも見た目の利回りが高い金融商品を買ったとしても通貨下落により、円から見れば大きな損をしてしまう、という場合もあります。
こうした国の通貨は、一般にローカル通貨(基軸通貨ではなく米ドルなどに変えないと決済できない通貨)と呼ばれます。通貨が切り下がるということは、国の経済への信認が低下して国自体が売られているということですね。
基軸通貨(どこでも兌換可能な信用のある通貨)では、過去にはそこまでの売られ方はしませんでした。しかし、最近ではインフレも抑制され政策金利も上げていないのに、通貨が切り下がっている残念な国があります。どこでしょうか?・・・・・我が国、日本です。
基軸通貨国とローカル通貨国では、政策金利と為替の関係をとっても、全く異なる影響がでるため、多面的な分析が必要です。