このシリーズでは、一般的な債券の知識に加え、2023年の市場環境を踏まえた債券投資の考え方をQ&A方式でお伝えしています。主な投資対象の債券として想定しているのは、低金利の円建て債ではなく、相対的に高金利の外貨建て債であり、これらを活用した運用の考え方をお伝えしています。
Q10. リスクに応じた債券投資戦略の違い
債券は、事業会社、金融機関や政府などの発行体が、市場から資金を借り入れるために発行する有価証券です。
一口に、債券への投資といっても、借金の元利金の返済が確実にできる相手にだけお金を貸すのか、それとも倒産や債務不履行などにより借金の返済が滞る可能性が例えわずかな確率だとしても存在する相手にお金を貸すのかによって、大きく考え方が異なります。
① 返済が滞るリスクがない債券(リスクフリー資産)の場合
例えば、特に大きな経済規模を有する先進国で、独自の通貨を持っている国(アメリカ、日本、イギリスなど)の政府が発行する債券に投資を行う場合には、基本的に元利金の返済が滞る心配をする必要がありません。
このように、返済が滞るリスクがない債券(リスクフリー資産)の場合には、日本円での投資なら日本国債を、米ドルでの投資なら米国国債を買えばよく、どの債券を投資対象に選ぶのかは、債券の償還までの年限と最終利回りの比較により決めることになります。
②返済が滞るリスクがある債券(クレジット資産)の場合
一方、社債やエマージング国債等のように、倒産や支払い不履行により当初想定していた元利金が支払われなくなる可能性がある債券をクレジット債券と言います。
クジレット債の場合には、同一の発行体による債券を過度にたくさん保有すると、万が一その発行体が支払い不履行を起こしたときに大きな損失が生じてしまいます。
このため、数多くの発行体に分散して債券投資を行うことが、投資の基本となります。
Q11. 債券投資に向いてる人とは?
債券投資に向いている投資家はどういう方かまとめてみました。現役で働いていて収入がある方や、事業からの収入があり資産運用はあくまで余ったお金を副業的に運用している方などは、リスクをとりやすく、株式投資で大きく増やしたいと思われるかもしれません。
債券投資は株式投資に比べて価格変動が少なく償還が決まっているため(永久債は除く)、常に相場を注視しておく必要がない商品であり、リタイアされてあまりリスクをとりたくない(資産は減らしたくない)という方、本業が忙しく相場を細かく確認するよりも他のことに人生の時間を使いたい方などは、比較的リスクが低く、着実に利息収入が得られる債券投資に向いていると言えます。
一方で生活に余裕があり一定の損失に堪えることができる代わりに資産を大きく増やしたい方や、本業がそれほど忙しくなく相場をこまめに確認したり発行体の情報を集めて分析したりできる時間がある方、相場での商いが好きな方などは、株式投資に向いているといえるでしょう。
国内債券のリスクと費用について
国内債券の取引にかかるリスク
債券は、債券の価格が市場の金利水準の変化に対応して変動するため、償還前に換金すると損失が生じるおそれがあります。また、債券を発行する組織(発行体)が債務返済不能状態に陥った場合、元本や利子の支払いが滞ったり、不能となったりすることがあります。
国内債券の取引にかかる費用
国内債券を購入する場合は、購入対価のみお支払いいただきます(手数料相当分が購入対価に含まれます。委託手数料はかかりません)。
外国債券のリスクと費用について
外国債券の取引にかかるリスク
債券は、債券の価格が市場の金利水準の変化に対応して変動するため、償還前に換金すると損失が生じるおそれがあります。また、債券を発行する組織(発行体)が債務返済不能状態に陥った場合、元本や利子の支払いが滞ったり、不能となったりすることがあります。外国債券(外貨建て債券)は為替相場の変動等により円ベースでの損失(為替差損)が生じたり、債券を発行する組織(発行体)が所属する国や地域、取引がおこなわれる通貨を発行している国や地域の政治・経済・社会情勢に大きな影響を受けたりするおそれがあります。
外国債券の取引にかかる費用
外国債券を購入する場合は、購入対価のみお支払いいただきます(手数料相当分が購入対価に含まれます。委託手数料はかかりません)。また、円貨から購入する場合は、債券の発行通貨に為替交換する費用が生じます。この費用は債券の発行通貨によって異なります。
商号等 5バリューアセット株式会社/金融商品仲介業者 近畿財務局長(金仲)第437号