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米ドル建て債券市場動向 2024年10月-第5週
本動画は、2024年10月25日から11月1日までの米国債券市場動向の状況を示すことを目的とする。(起債額と取引額は2024年10月28日から11月1日まで)
大統領選の結果で細かい動きは変わり得るものの、現状の公約ではいずれの候補が当選しても、大規模減税により、米国の債務は増大し、インフレは再加速しやすい、というのが市場コンセンサス。この結果、利下げへの動きは停止し、再利上げも織り込んだ動きに。ただし、トランプ候補の経済・金融政策は定まっておらず、同候補が当選する可能性を考慮するほど、不安定性が高まりやすい状況。
〇米ドル建て債券起債動向
-起債額の特に大きかった銘柄は管理医療セクターのエレバンス・ヘルスの52億ドルの起債。債務借換え、事業から得たキャッシュ、新規起債による超過資金を合わせてM&A等の目的に充当の予定。2番目は、たばこセクターのフィリップ・モリス・インターナショナルの30億ドル。3番目は、政府開発銀行セクターのドイツ復興金融公庫の20億ドル。
〇米ドル建て社債取引動向
-前週の取引額が多かった社債を、金融機関債と、事業会社(投資適格、投機級)に分け、それぞれ示した。
-最も債券の取引額が多かった金融機関債はJPモルガンチェース債、次いでバンクオブアメリカ債、ゴールドマンサックスグループ債だった。
-事業会社のうち投資適格債券で取引額が最も多かったのはメキシコ石油公社(ぺメックス)で、ウエイストマネジメント、ボーイングがそれに続いた。
〇米ドル建て債券価格動向
-ここでは、前週の利回り・スプレッドの時系列推移、セグメント別に比較した個別社債相場の動向を確認する。
-大統領選の減税公約等がさらなる債務増とインフレを誘発するとの見方から、長期金利を含むイールドカーブも全般的に上昇。米国債金利が大きく変動する中、投資適格(IG)社債のスプレッドは小幅な変動に留まった。
-米国籍事業法人の投資適格債で最も上昇したのは衣料、繊維製品セクターのVF。投機級債で、最も上昇したのはケーブルテレビ・衛星放送セクターのディッシュDBS債。
-外国籍事業法人の投資適格債で、最も上昇したのは石油:総合セクターのメキシコ石油公社(ペメックス)。投機級債では探査・生産セクターのLeviathan Bond Ltd。
-金融機関の投資適格債で、最も上昇したのは三井住友フィナンシャルグループ債。一方、最も下落したのはバークレイズ債。